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飛沫感染のゾンビウィルス

物凄く古く、歴史のありそうな街に居る。
大学の友達4人と一緒にいたはずなのだが、いつのまにかlonliumとひびきちゃんに登場人物が代わっていた。

この世界では最近、謎の病原体が流行している。
日本で感染が初めて確認されると、感染は一瞬にして広がり、他国から関わりを一切断ち切られた。

日本は162年ぶりに鎖国状態になったのだ。

莫大な感染力をもつこの病原体は、飛沫感染をするタイプのゾンビウイルス。
ゾンビ映画あるあるのガブッといかれてゾンビ化するというケースもあるのだが、大体の感染経路は噛まれる事よりも、飛沫感染というゾンビではなかなか珍しい、なんともリアリティのある病原体だったのだ。

私たちはそのニュースを見て、できるだけ早く名古屋に帰らなければ、と帰る手段を探すのだが、この病原体のせいで高速バスは常に満席、タクシーは上級国民が私物化し、タクシーの中に机やらソファーを置いて改造をし、リムジン化している始末。私たちはどこにも行けなくなっていた。

一刻も早く家に帰りたかったが、一晩はこの田舎で過ごさなくてはならない。外で夜を越すと、睡魔に負けゾンビに噛まれてゾンビ堕ち。
それは嫌だ。
室内で夜を越したいと考えた私たちは、たまたま近くにあったホテルに入って行った。


ホテルに入ると、ブルーシートにスプレーで適当に書いたであろう謎のシンボルが刻まれた旗がそこら中に立っていた。

直感的に、ここに来てしまったことが間違いだとその場にいた全員が思ったが、すでに人に取り囲まれた数秒後。
このホテルはゾンビ菌の騒動で生まれたギャング達のアジトだったのだ。(ギャングだったのかカルト集団だったのかはわからない)

「仲間になるか、餌になるかどちらか選べ」
跪かされ、自由を奪われた私たちは、仲間になる。仲間にしてくれ。と口を揃えて懇願した。
するとそのボスは半笑いで

「私たちはヒーローでも何でもないから、自分達にとって有益な事しかしない。お前らは何ができる」と高圧的な態度で問うてきた。

その態度と言い方が気に食わなかったんであろうメンバー、ボスに噛みつこうとしたので私は必死に留めながら、「仲間は多い方が都合良いでしょうし、捨て駒と考えて頂いても構いません。」と笑顔で続けた。

心臓は爆発しそうだったが、落ち着いた素振りに勤めたことが功を成し、縄は解かれ自由の身になった。

謎の白い上下の服を用意され、そこのアジトの住人は全員笑顔で真っ白。気持ちが悪かった。
一刻も早くここから出なくてはと、ゾンビとはまた違った恐怖を感じ、服を着替えるフリをして森を抜けて線路を目指して走り始めた。

線路の近くまで行くとたくさんのゾンビが居たが、奴らは本当に遅い。思ってる倍遅い。
ランニング程度で置いていける。
感染経路が噛みつかれることでは無いことがよくわかった。
だが飛沫感染、奴らの恐ろしさは噛みつかれて襲われることではなく、くしゃみをすること、その感染力にあるのだ。


(ここで一つ謝罪です。オタクの皆さん、ごめんなさい。夢の中に何人か、登場していました。このあと出てくるゾンビ役です。)

駅に着いた私たちは始発までここで朝を待つことにした。

するとさっきまで横にいて普通に話していたオタクさんの顔が真っ青になり始め、あ…これは…と思ったら床に倒れてしまった。
数分後には立ち上がってゾンビくん誕生。意外とビジュアルは変わらず顔が白く目が虚になるだけだった。

もうこの速さでゾンビが増えていては、どれだけランニングで逃げたとしても埒が開かない。

その時貨物列車が遠くの方から音を立てて走ってくるのが見えた。

もう、行こう。

私達は走っている貨物列車に飛び乗ることにした。

空はだんだんと赤らんで紫と赤とオレンジのグラデーションになっている。星も出ていてすごく綺麗な空だった。

無事全員飛び乗ることができた私たちはそのまま列車に乗って名古屋を目指した。

そこで目が覚めた

夢でよかった

一番空が印象的で綺麗だった
夢でもメンバーとオタクさんにあっていた
ゾンビ役でごめんね。

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