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【過去録】イギリス人男性W③~完結編 洗濯機 or not?~

スリランカ出張に行く際、成田空港のチェックインカウンターで出会ったイギリス人男性(もはや現れ方としては白馬の王子に近いw)。

出会いとその後のデートについては過去の記事からどうぞ。

彼とは、彼が月一で日本に出張に来る度にデートを繰り返した。そして半年ぐらい経った頃だろうか。彼と新高輪プリンスホテルの中華で北京ダックを頬張っていた時に唐突に聞かれた。

" Do you hate sex?(セックス嫌いなの?)"

口に入れた北京ダックがコケー!(←北京ダックの鳴き方ってこれで合ってる?)と息を吹き返して出てきそうになった。

" Huh? I do love sex. Why do you ask?(は?むしろ大好きだけど。なんでそんなこと聞くの?)"

" Just wondered. I had a feeling you never want to sleep with me. I want to move this relationship forward.(なんとなく疑問に思っただけだけど。なんだか君は僕と一生寝たくないのかなと思って。僕はこの関係をもっと前に進めたいんだけど)"

実は、この半年間ホテルに誘われても一度も誘いに乗っていなかった。そしてそれには明確な理由がある。

このジェントルマン、なぜかキスが下手だったのだ・・・

「おぬしのキスは洗濯機かい?」と、聞きたくなるようないわゆるWashing Machine kissと言われるキスだった。だからどうしてもその気になれなかったのだ。
※ちなみに洗濯機のようなキスとは、洗濯機を回しているかのようにレロレロ舌を回しまくるキスのことを表している。このようなキスのことを海外の一部ではWashing machine kissと呼ぶのだ。

ただ、ここまでイケメンで地位も名誉もあって、女との経験が無いわけでもないだろうに、どうしてこんなに下手なんだろうと単純に疑問だった。それとも実は私の経験値が自分で思っているほど多いわけではなく、これがイギリス流の上手なキスなんだろうか?と様々な想いが頭の中をグルグル回り、結論を出せずにいたのだ。だから半年間もずるずる食事だけのデートばかりしていた。

とは言え、当然本人にそんなことを言えるわけもなく。

そもそも遠距離恋愛は私には向いてない、という理由を全面に出して、なんとなく流した。

しかし、この日の彼はそれでは引き下がらない。

なぜセックスにそんなに嫌悪感を抱いているのか僕に話してごらん、とカウンセリングを始めるではないか!

だから嫌いだなんて一言も言っていない、むしろ大好きだと言っているだろう!

そんなこんなで、私はこの日が限界だと思い、今後彼とは会うのを辞めようと決意してレストランを後にした。ここで彼の洗濯機キスを我慢して前に進んでいれば、今頃私は彼が事業を構えるフランスのカンヌに住む社長夫人になっていたかもしれない。でも、一生この洗濯機を口にまとって生きていく自信が私には無かった。完全にキャパオーバーだ。

ホテルの外まで送ってくれて、彼は最後までジェントルマンだった。

自分がその気になれるかどうか、もう一度試したくて、最後にもう一度キスをしてみた。

でもやっぱり洗濯機で、北京ダックが出そうになり、「ごめんね」と一言残して帰宅した。

その後、彼から何度か連絡がきたが、それ以降一度も会っていない。

ー完ー

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