2024俳句(随時更新) 9 伊藤映雪 2024年3月18日 06:57 1月 8句山茶花は詩になりかけてゐる光年賀状胃癌完治の漢字四字文旦をもらふ坊つちやん列車かな香水瓶:人に翼がない理由おでん買ふ好きな人には好きな人人はしょせん水のかたまり梨しゃりりセーターや実存尖らせて渋谷書初のひかり背中といふ蕾2月 9句短夜やこれは性愛かつ純愛ときどきは我儘を言へふぐを食へ嫌ふなら嫌へよ俺は牡蠣を食ふ性別をはみだしてゐる石鹸玉走り込み百本終へて秋の鳩日常を括弧に入れて探梅行亀鳴くや攲そばだてば南無阿弥陀仏踏めばラの音の鳴るなり厚氷死ぬことをためらふ無人駅の藤3月 12句むらさきの野に種馬の脚赤し淋しさのきれいに揃ふ内裏雛ごみ袋に折り鶴透けてゐる寒さ売るまへのギターを磨く良夜かな割れてこそ恋割れてこそ石鹸玉地獄・餓鬼・畜生・四万六千日路上孤児のまなこ炯炯寒鴉さへづりの陽や生ハムへオリーブ油石鹸玉ブルーシートの屋根を越え春塵降る虎の咆哮として降るアカウント消して四月の顔となる受験果て鉛筆臭き指の腹4月 11句並べるも蔵ふも淋し雛祭桜餅黒田杏子の忌であった水といふ膚ふつふつ寒造うぐひすといふ明るさの伽藍かな希望物件:窓からミモザ見える家漱石の句を諳んずる柚子湯かな雀荘の窓へ夜桜押し寄せる命名の墨痕淋漓さくらもち囀や笛になる骨ならぬ骨マシュマロも嘘も花菜も蝶となれ婚礼の影長くして沖霞む5月花の句を誰も詠まざる花見かな永き日の降車ブザーの間延びかな「次、止まります」あの冬帽はきっと父ラガー等の痣の多さを讃へ合ふくびすぢを一滴の海洗ひ髪夏鴨が憎い無職の俺が憎い秋風鈴外し葬儀の日は未定鮎饐えて大凶時となりにけり秘してこそ恋吹いてこそ石鹸玉 ダウンロード copy この記事が参加している募集 私の作品紹介 94,383件 #私の作品紹介 #俳句 #NHK俳句 #俳句ポスト #俳句生活 #青嵐俳談 #俳句道場 9 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート