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昔は愛情深い人だったのよ

「ああ見えて、昔は愛情深い人だったのよ」
「あまりにも多くの人と出会いすぎて、どうやって人に気持ちを寄せたらいいのか、わからなくなってしまったのかもしれない」


多くの人と出会ってしまったから。。。それが理由だったら悲しすぎるなあ。


父ははなから愛情が欠落した人間だと藤代は確信していた。生まれつき人を愛することができない人間が、一時期だけ人を愛そうと努めたにすぎない。そのことに気づくにつれ、怖くなった。いつのまにか自分も、人に期待することはなくなっていた。

こんな人間はいないと信じたい。。。


同調することはいくらでもできたが、自分の気持ちを伝えることはなかった。いつか自分も、人を愛することができなくなるのだろうか。他人を思いやることさえ、できなくなるのだろうか。

父がそんな人だったかも、なんて思うと確かに怖くなるかも。

そういう恐怖って、きっとずっと持っていた方が良くて、あ!やべ!って気づけるもんね。


「誰かを愛し、誰かに愛される人生を諦められなかった」最後に母は微笑んだ。
「私の人生はまだ二十年残っているんだから」

だよねえ。

その気持ちはとってもわかるよ。。諦めちゃいけないものだとも思うし。


自分も気をつけないと。愛情が欠落した人間だと思っていた。なんて思われたらいけないよね。


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