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君は僕のことを忘れてしまう。

僕が死んだら、君は僕のことを忘れてしまう。おじさんはそう言いながら、わたしにカメラを向けました。
きっと君は、僕の声も言葉も歩き方も忘れてしまう。でも、それでいいんだ。僕がここにいてカメラに触れて、君と話をしていた時間が消えるわけじゃない


いい言葉ですね。。。

村上春樹さんの『多崎つくると彼の巡礼の年』にもこんな表現が出てきました。

そういう大切な時間は、忘れてしまうけど確かに存在していたのよね。それは虚しく消えることなんてないんですよ。

だから、辛いときとか、自分をあっためてくれるんですよね。そういう時間が確かにあったというだけで。

この本はちょっと悲しい、こんな表現がいっぱいある。素敵な本だと思います。


「わたしは雨の匂いとか、街の熱気とか、悲しい音楽とか、嬉しそうな声とか、誰かを好きな気持ちとか、そういうものを撮りたい」

こういうものを忘れずに残したいって気持ちはすごいわかる。

そういう時間こそが至高なわけなんですよね〜

「僕にはきっと撮れないな。だけど、そういう写真を見るのは好きだよ」

こういうことをいう人の気持ちもなんとなくわかる。

悲しくて優しい本です。


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