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意識「他界」系 その91

世界同時多発的「異世界生物」による攻撃が起こった場合、それはパソコン用語でいうゼロデイ攻撃。脆弱性を解消する手段がない状態で脅威にさらされたら、セキュリティホールを塞ぐ手立てを人類は持ち合わせいない。

潜り込んでいたトロイの木馬により、「魔」がファイアウォールを突き抜けて現れた現在、手立ては一つしかない。

「魔」というウィルスを隔離し、消去すること。

各国の首脳が、「魔」の現れた場所を攻撃によって「消去」しようと考えるのはやむを得ないことであった。

消去の方法は各国で大きく分かれた。軍事によるものか、それ以外か。その差は「シャーマン」という「アンチウイルスソフト」を備えていたか否か。

出現させる方法はそれぞれ違っていたが、シャーマンたちは時を間違えず「魔」を検出すると「作動」した。大概は、自らの死をもってではあったが。

アテナが、マルスが、オーディンが。

ヴァハグンが、ヌァダ・アーガトラムが、ルイェビトが。

アスタルテが、阿修羅が、ニンギルスが。

エク・チュアフが、ツーが。

蚩尤が、ウプウアウトが。

世界中で「軍神」と崇められていた存在が出現した。


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