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DG Daiwa Ventures中島氏から見たスカイディスクのターンアラウンドと今後

この度、スカイディスクは約8億円の資金調達を発表させていただきました。


既存株主として今回のラウンドでも出資していただいた株式会社DG Daiwa Ventures(以下「DGDV」) 取締役 中島淳一さんと弊社 代表取締役CEO 内村安里が対談させていただきました。なお、中島さんには弊社の社外取締役として常日頃から多大なサポートをいただいております。

最初の印象

内村:私が代表に着任したのが2019年の12月ですが、その2ヶ月ほど前に(当時DGDVオフィスのあった)恵比寿にご挨拶にお伺いしたのが最初でした。

中島:当時私は投資部長の立場だったんですが、スカイディスクのビジネスモデルについては少し悩んでいました。ずっとコンサル・受託のままだと、伸びないだろうなと思ってました。ただ、プロダクトを作るというのは簡単な話じゃないですし、心配な気持ちもありました。

内村:そんな中で、事業再編というか、ターンアラウンドをミッションとして私がジョインすることになりました。

中島:代表が変わると聞いた際、商売が上手な方、顧客のニーズを傾聴してビジネスに繋げられる方だといいなと思っていました。内村さんは事業をやってこられた方なので、当時のスカイディスクには適任だと思いましたね。あとは、誠実そうだな、と。もちろん今もそう思っていますけど(笑)スカイディスクのお客様は歴史ある日本のメーカーの方々で、相手を見る目も肥えているでしょうから、誠実さは大事なポイントだと思っていました。お話しさせていただいて、これならメーカーのシニアの方々ともしっかり対峙できるのではないかという印象でしたね。

 

経営体制刷新後の急速な変化

内村:そこから組織を作り直して、プロダクトも新しく作って。3年半かかってしまいましたが。どのように感じていらっしゃいますか。

中島:代表が代わって、すぐに変わったと思ったことが2つありました。1つ目は、思いっきり透明性が増したこと。会社の中で起きている良いことも悪いことも、私を含めた内外の関係者にクリアに見えるようになりました。そこに対する安心感は、おそらく他の投資家にもすぐに広がっていったんじゃないかな。また、それによって私たち(投資家)が会社に対してどういうサポートをすればいいのかも考えやすくなりました。 2つ目としては、ビジネスマインドが会社全体に浸透した印象を受けました。着任後すぐに今後の事業の道筋を立てて、その後も毎月いろいろな可能性を、分からないことも含めて共有してくれていましたが、全て収益拡大につながる話だった。少しずつ、いや、少しずつじゃないですね。一気に事業・ビジネスを作っていくんだ、収益拡大させるんだという空気が広がっていったのを覚えています。そこからトライを繰り返して本当にプロダクトを見つけた。ここまでの手腕は鮮やかとしか言いようがない。 その後は、プロダクト一点突破で実績も伸びている。まずはこの領域でどれだけ旗を立てていけるかの勝負だと思いますが、引き続き応援していきたいですね。

なぜ今回のラウンドで追加出資に至ったのか

内村:「最適ワークス」という自信のあるプロダクトがようやく開発できたものの、SaaSビジネスはJカーブと呼ばれるように、順調であったとしても収益化までの投資はそれなりにかかる。資金調達に動き出したタイミングはまだリリース直後でしたし、何より前回(2019年4月)の資金調達から組織もビジネスモデルも大きく変わったという背景があります。会社・事業をどう理解・評価してもらうか苦慮していた中で、既存株主として真っ先に手を挙げていただいたことは非常に大きかったです。そのおかげで新規投資家にも集まっていただけたと思っています。本当にありがとうございます。

中島:(2017年から出資しているが)今回のラウンドも当然乗りたいと思っていました。事業成長の方向性も見えてきましたし、実際ここまでの実績を積んでいますから。新規の投資案件として見てもいい案件だと思っていますし、昔から投資させて頂いたからこそ今回アロケーションをもらえたんだろうくらいに思っていますよ(笑)。

 

投資家目線で見たスカイディスクの強み

中島:「最適ワークス」以前は、製造業の様々なお客様からの受託案件に取り組みながら、プロダクトはできていなかったけど、現場の課題を知り、それを解決する技術を磨き、貢献しながら勉強してきた。今も(DXソリューションスタジオ事業で)やっている。それがスカイディスクの強みですよね。単純にプロダクトひとつ持っている会社とは違う。私たち投資家からは、最適ワークスに留まらず、二の矢、三の矢が出てきそうだと見える。

内村:私が着任した時のスカイディスクが持っていたのは、製造業とのコネクションや取引実績。そこを深掘りしたことによって、製造業の「生産計画」という大きな課題を見つけた。私たちはアイデア勝負でやってきたわけではなく、顧客に愚直に向き合ってきました。その課題をクリアするためのAIという技術素養を持っていたことも幸運でした。もちろん、それを活かせるプロダクトアイデアを考えていた訳ですが。

中島:このようなプロダクトは、お客様の事業にしっかり寄り添って、日々の業務の一部に取り入れて下さるかどうか、が勝負ですよね。だからやっぱり導入時や導入後にしっかりお客様に寄り添う必要がある。その手間がかからず簡単に売れるものは一見良さそうなプロダクトに見えてそうでもなく、”Easy come, easy go”で、結果的にチャーンにつながるということかなと思います。最適ワークスは、お客様の声をじっくり伺って、問題解決のお手伝いをしながら導入して頂くプロダクトだと思っています。導入頂いた後は、お客様の日々のお仕事で使って頂けるプロダクトになるのでしょうし、結果的に、長く使いたいと仰ってくださるお客様が多いんじゃないかなと思っています。

内村:”Easy come, easy go”はまさにそうですね。プロダクトの構想段階から、どのようなことで悩んでおられるかについて教えて頂ける製造業様と、数多く直接のつながりを持っていたのは、大変ありがたいことだと思っています。最適ワークスは、正式リリースまでに200社以上のお客様にアドバイスを頂きましたから。アメリカでも流行っていて、日本でもそこにチャンスでもあるとみんなが知っているような、よくあるプロダクトアイデアとは違って、一歩二歩深く掘り下げた課題の発見ができていると思っています。

中島:日本が強い製造業における課題というのは、アメリカから出てくるものではないですよね。そういう意味では、福岡のサムライが世界に羽ばたいていくことを期待してます。

内村:日本の製造業は職人技のようなすごいスキルフルな業務の上に成り立っていて。それが逆にデジタル化・標準化していく際の足枷になっている部分がこれまで少なからずあったと思ってます。最近はLLMなんかが話題ですけど、こういったAIの進化によって、日本の製造業の強みを活かせるタイミングが来るんじゃないかと思ってて。日本の製造業が再び世界を席巻する、その実現のサポートができればと思ってます。

九州・地方発スタートアップであること

中島:スカイディスクとは、近所の投資先と同じ感覚で(福岡にある会社ということを忘れるくらい)距離を感じずコミュニケーションしています。ただ、私も地方出身ということもあり、地方発のベンチャーが全国、世界に出て行って欲しいという気持ちはありますね。福岡は大都市で地方と言っていいかどうかはわかりませんが。アメリカでも世界的な優良企業が皆ニューヨークに集まってるなんてことはなく、コカ・コーラの本社はアトランタだし、マイクロソフトはシアトルですし、日本ももっといろいろな都市に世界的な企業の本社があってもいいのになと思うことがあります。スカイディスクはすでに全国展開していますが、やっぱり世界も見て欲しいですよね。

内村:私たちも自分たちが首都圏などから離れているという点はあまり気にしていないですね。九州の人は地元大好きな人が多いので、東京で働いていてUターンしてきた社員も結構いたりしますが、会社全体で見ると福岡在住メンバーの割合は半分くらいで。事業だけでなく、採用も全国でやっていますし。 ただ、私個人的としては九州への思い入れはすごく強いので。フルリモートで、場所はどこでも関係ないことはありつつ、九州で生まれ育つ子どもたちにとっては、自分たちと近い環境で大きなことを成し遂げた会社があると、夢を描きやすいと思うので。スカイディスクがそうなれたら嬉しいと思ってます。

中島:素晴らしいですね。地方からグローバルを目指すスタートアップがたくさん出てきてほしいし、スカイディスクにはそれをリードして欲しいですね。

 

今後の展望

中島:あまり大げさなことを言うつもりはないんですが、ベンチャーを通じて日本経済を底上げしたいという気持ちは結構あって、そういう会社に投資したいと思っていて。
日本は製造業が強い国ですよね。英語圏じゃないので、サービス業よりモノを作って売っていくという産業が伸びたのは、ある種当然なのかなと思っていたりするんですけど。 車だったり食べ物だったり、メーカーが無くなることはないですが、それ以外の経済が膨らんでいくであろう中で、日本がどのような産業に力を入れていくべきか考えたときに、「メーカーに根付いたサービス業」という観点は持っていても良いんだろうと思ってます。そういった「日本型IT産業」をスカイディスクは体現する存在になればいいなと思っています。
日本のメーカーはグローバルで展開していますし、スカイディスクの成長は、将来はグローバルで有って欲しい。今は「最適ワークス」というプロダクトに注力しているかと思いますが、お客様の課題解決という商売が基本でしょうから、そこに対して様々なプロダクトを提供していってもらいたいと思ってます。

内村:海外のバーティカルSaaSの事例等を見ても、ワンプロダクトだけで世界を席巻している企業はありません。グローバルを目指していくにあたっては、マルチプロダクト展開は必須だと思っています。
生産計画はニッチなようで、設備やスタッフの稼働状況、需要・オーダー、在庫や資材など、製造業にとって非常に重要なデータが集約されます。単に生産計画立案の手間を削減することに留まらず、製造業の経営変革に繋げていくことが「生産計画DX」だと考えていますし、すでにこれらのデータを活用した事業展開は見据えています。
DGDVさんをはじめとして今回スカイディスクを信じていただいた投資家の皆さんに「投資して良かった」と思っていただけるよう、これからも必死に頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いします。


現在、スカイディスクでは全職種採用中です。
今回の資金調達に合わせて採用サイトをリニューアルしましたのでぜひご覧ください。


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