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Research Camp in ITOSHIMAのふりかえり

と言うことで実質の初投稿。
23/9/16~17に開催されたResearch Camp in ITOSHIMAに参加してきたので、その記録がてら、ふりかえりをしてみたい。
(キャンプ参加者のノムジュンさんやすがひらさんもキャンプの模様を投稿されているので、リンクさせていただく)

きっかけ

7月後半、自宅のソファでゴロゴロしながらX(Twitter)を徘徊していたら、Research Confのアカウントでこのキャンプのメンバー募集&開始早々に半分埋まったとの投稿を見て、半ば衝動的に申し込んだ。
「糸島で探る知の循環の形」と言うテーマ、そして、学生時代や就職後にも何度か訪れた糸島での開催がとても良き!と思ったのを覚えている。

モチベーション

参加にあたってのモチベーションはこんな感じ。

  • 糸島でリサーチのイベント、シンプルにむっちゃいいじゃん!!テーマも面白そう!!

  • プロダクトマネージャとして仕事していて、見様見真似でリサーチもしているが、社外の皆さんってどんな感じなのかなと言う興味

  • コミュニティ活動への関心

で、なにをしたの

事前説明&フィールドノーツを書いてみた

キャンプの2週間前に、今回のキャンプのテーマや、フィールドワーク、文化人類学についてオンラインで説明を受けた。フィールドワークの時に書くフィールドノーツについても説明を受け、任意宿題で見てもらえるとのことだったので書いてみた。
フィールドノーツは隣町に小さな本屋さんを見つけたので、そこに伺ったときのことを書いたのだが、私のノーツへのフィードバックとして、小さな本屋さんへのバイアスがありそうとのコメントがあり、ハッとさせられた。無意識のうちに頭の中で印象付けているんだという思考の癖に思い至り、フラットな目線で捉えることの大切さに気付かされた。

事前説明で知った文化人類学にも興味が湧いてきて、2冊ほど本を読んだ。
それぞれ最も印象に残った記述と理由を記録しておきたい。

旋回する人類学
人類学に限らず、普段、課題発見/設定を行う際にも必要になる基本的な姿勢だなと感じた。

人類学者がやるべきなのは「習慣と伝統によって規定された型通りの面」と「実際にそれを行うやり方」、そして「住民たちが心に抱いている行為への解釈」の三つを捉えることだ(マリノフスキ)

旋回する人類学(p.42)

文化人類学の思考法
芸術は爆発だという言葉の裏に、「芸術を通じて境界のない生き方を作っていく」と言う意図があることを知り、普段の姿勢としても大切な越境思考に通じるものを感じた。

「芸術は爆発だ」(岡本太郎)
芸術は全人間的に生きることです。私はただ絵だけを描く職人になりたくない。だから民族学をやったんです。私は社会分化に対して反対なんだ。

文化人類学の思考法(p.97)

9/16 AM 本屋アルゼンチンと出会った

キャンプ当日、興奮からか全然眠れずに早朝の名古屋→福岡便で糸島へ向かった。本屋アルゼンチンはとても素敵な本屋だった。
人類学や哲学の本をメインに取り扱っており、小さな本屋さんなので、否が応でも目に留まってくる。正直私は本屋さんに行っても、行かないコーナーの本たちなので、ここにならぶ本との出会いは貴重だった。

本屋アルゼンチン

フィールドワークに入る前に店主の大谷さん、店員の南さんから思いを伺う。
Playfulであることを大事にしたい、「分からなさを楽しむ」こと、文脈、場所といったキーワードが上がるなかで、アフォーダンスと言う概念が最も心に残った。
その場所で、いかに文脈を分かりよく伝えていくか。人って自分が見えている範囲の世界は認知しやすいけれど、その境目を分かりやすく広げる・超える何かって何だろう、分からないな、などと悶々しながら話を聞いていた。

9/16 PM フィールドワークをやってみた

お話を聞いたのち、参加メンバーは4つのグループに分かれて、それぞれフィールドワークに出かけて行く・・・

はずだったのだが、各チーム、さまざまなトラブルに巻き込まれたようで、私も移動で利用させていただく予定の車がパンクし、急遽電車移動で訪問先を目指すことになった。

訪問させていただいたのは、海の見える素敵なロケーションにあるUXリサーチャさんのお宅だった。
Iターンで福岡にいらっしゃったとのことで、本にまつわる話だけでなく、ライフスタイルや室内にあるアート作品のことなど、様々なお話を伺った。
1時間という短い時間ではあったが、印象に残ったエピソードは以下の2つ。

  • 色々な解釈ができる写真が好き

    • fact : 室内にアートな写真が飾られていた。

    • fact : 抽象的な写真で、いろんなものに見える。

    • feel : 色々な解釈ができることで、視点をズラすことができ、豊かな気持ちになれた。

  • 移住について

    • fact : お話を伺った方は、ご近所の方とも良い関係性を築けている。

    • feel : 長年お住まいの方でも、「私は余所者」と言う方も居るとの話があり、そのGapはどのようなところから生まれるのか気になった。

伺ったお話を各々で情報カードに書き出して、この日の活動を終えた。

9/16 night キャンプと言えば

キャンプと言えばBBQ。さまざまな会話に花を咲かせつつ、お肉を楽しんだ。
UNOを楽しんだのも言うまでもないが、この「はぁって言うゲーム」と言うカードゲームが一番面白かった!カードで出されるお題に従い、表情と声だけで演じて当て合うのだが、表現力、観察力が問われる。今度仲間内でやってみたいと思った。

9/17 コンセプト創りをやってみた

2日目は前日に集めたフィールドワークの情報をもとに、アイディエーション、問いの設定、コンセプトメイキングをワークショップ形式で実施した。

この日の冒頭は、グループメンバー各自で書き出した情報カードを共有するところから始まったのだが、皆同じものを見ているのだが、着眼点や内容が多様だったことが面白い気づきとなった。

その後、アイデアを強制的に挙げていくアイディエーションに移る。非常に短い時間ではあったが、グループで思いつくアイデアを列挙し、共有した。
ここまで来たら、フィールドワークで得た情報、アイデアを元に、問いを立てていくのだが、ここで問いの設定に非常に苦労した。
HMW(How Might We)の形式で問いを立てたのだが、① 設定した問いの抽象度が高い、② 設定した問いの繋がりがしっくり来ない、という2つのモヤモヤに悩まされた。

コンセプトメイキングの途中過程

仮で問いを立てると、今度はグループメンバーをシャッフルして、新しいメンバーで追加のアイディエーションを行う。別の場所にフィールドワークに行ったメンバーから、新たな視点でのアイデアが出され、様々な経験・視点が交わる感覚で、素敵な体験だった。
また、問いの立て方一つで出てくるアイデアの方向性にも変化が見られ、改めて問いの設定の重要さを実感した。(届けたい人たちに、届けたい価値を届けるための、シャープな問い、難しい。)

こうやって発散させたアイデアを、再び元のグループメンバーでコンセプトにまとめ、参加者で共有してこの日のワークショップを終えた。

で、どうだったの

2日を通じて、モチベーションに掲げていたこと以上に得るものがあったように思う。
特に、下の図をぐるりと1巡しながら進んでいるなという手応えを得ながら俯瞰的に見れたことは良かったことだった。学びの多いだけでは語れないものを得ることができた時間だった。

「行動観察」の基本(松波晴人, 2013)より

おわりに

知っていたつもりの糸島だったけど、新たな場所と人との出会いで、また新たな側面を知ることができた。
普段の生活でも見落としていること、見えていないこと、分かっていないことが沢山あるように思う。そういったところに意識的に目を向けていく、観察することが、より良い気づき、学びに繋がり、よりワクワクする未来に繋がっていくような気がしている。
分からないことって、楽しいね。

このキャンプを企画・運営いただいた皆さん、出会ったすべての皆さんに感謝!ありがとうございます!!

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