小学校受験 2回目の不合格
その電話は、突然やってきました。
お受験不合格の傷も癒えて、公立小入学の準備を少しづつ始めた頃
突然、通っていた幼児教室の先生から電話があり、我が家が「本気で惚れてしまった小学校」が追加募集をするとの連絡でした。
「いやいや今更…」という思いもあったけど、やはり「本気で惚れてしまった学校」だったので、「ここで挑戦しなかったら後悔する」という思いもあり、迷いながらも出願しました。
最初は「一応受けてみる」位のテンションだった息子本人も、試験で志望校の先生に優しく接して頂き帰り道では「絶対ここに行きたい!」と胸を弾ませていました。
勿論親も、面接のために封印していた学校の資料や広報動画を繰り返し見る生活に戻り、
「こんなにギリギリで全ての予定を覆してまでも行くだけの価値」を見出してしまい、気持ちは10月以上にピークを迎えていました。
追加募集の試験はとある土曜日の午前中に行われ、その日の午後に「合格者のみ電話連絡」、翌日までには速達で通知が届くという事でした。
「合格」したら、購入済みのランドセルをメルカリで売って、予約金支払い済みの民間学童もキャンセルして、一緒に進学する予定だったマンションのお友達にも話をしなければ…と、目前に迫る色々な予定が頭をよぎっては「わぁ、大変💦」と勝手にパニックになり、心はグラグラに揺れていました。
それでも、結局また不合格でした。
電話が来るはずの2時間の間、常に携帯を握りしめていましたが、1時間も過ぎると「多分無理」と思えてきて、残り3分位のタイミングで「流石にないだろう」という気持ちと、「あと3分!!」と諦めきれない気持ちが交錯して物凄い息苦しさでした。
本当に電話が来なかったんだろうか?
電話が壊れてたのかな?
電波が悪いのかな?
そんな訳ないけれど、悪あがきしたくて仕方がありませんでした。
10月は不合格を知って泣いてしまった長男。
また不合格だったなんて言えない
私はそう思い、忘れた頃に言おうか?と悩みました。
それでも、試験の帰りに
「もし合格ですって連絡が来たら、入学しますってお返事して良い?」なんて聞いてしまっていたので、息子本人も夕方を過ぎる頃には
「まだ連絡来ないの?」と、心配し始めました。
結局先延ばしにした所で、息子は「合否」が頭から離れず忘れたりしない。
そう思い、その日の夜には不合格を伝えました。
「頑張ったんだけど、ダメだったんだ」
そう伝えたら「嘘、連絡来たの?」と驚いていました。
「入学できる人にしか連絡が来ないの。うちには電話が来なかったから入学できないんだよ」と言うと
一言「そうか…」と言ったきり
泣くことも騒ぐこともなく、その学校の話は終わりました。
もっとオブラートに包んで上手く受験ができるご家庭もあると思います。
合格でも不合格でも、もっと傷付けない方法もあったかもしれません。
でも、私にはそれができませんでした。
どんなに素敵な学校でも、結局通うのは本人。
遠い小学校までの登下校、毎日送ってあげる事はできない。
放課後だって、気軽に遊べる友達は作れない。
それでも素敵な小学校だと思ったから、何度も一緒に足を運んで、朝出かける時間も放課後の時間、全てのイメージを伝えた上で、本人の意思を聞きました。
それでも、「受験をする事を選べば親が喜びそうだ」と、幼いながらと思ったのかもしれない。
再受験を薦めた親に対しても
「絶対大丈夫だよ!合格したら制服を着て遊びに来てね」と送り出してくれた幼児教室の先生に対しても
「不合格」と判定した小学校に対しても
一切、怒りや不満をぶつける事もなく飲み込んだ6歳の我が子に、何とも言えない気持ちになりました。
2年間幼児教室へ通い、毎週きちんと宿題をこなして頑張ってきた。
保育園最後の夏は、受験に莫大な時間とお金を費やしてきた。
確実に成長してるけど、可視化できる結果が出なかった事が、初回の受験より遥かに辛く思えてきた。
「この学校に行きたい」のピークから数時間で「不合格でした」となった、その1日を経て
数日はものすごく辛い気持ちでした。
でも、ほんの少し時間が経って、今改めて振り返ると、「貴重な経験ができた」と思えます。
息子は結局どう捉えたのか、いまだに分からないです。
それでも、
「努力がしても報われないことがある」という現実を知って、また今は「新しい道への努力」をスタートしました。
春からは公立の小学校入学。
そして次男も年中さんになります。
また受験をするのかどうかは分からないけれど、また幼児教室に行こうと思っています。
そして長男は中学受験をするつもりです。
懲りないなーと思うし、また次もダメかもしれないけれど。
どんな時も、その道が本当に正解か?と常に自問自答しながら「我が家にとってのベター」を探したいと思います。
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