【日経新聞の読み方】ヨドバシ、ネット販売比率5割に上げ 全国で翌日配送
家電量販のヨドバシカメラが、ネット通販の比率を現在の3割から5割に引き上げる計画というニュース。
日本の家電量販では早くからネット販売にシフトをしていたヨドバシが、更に比率を上げる背景を考えてみたい。
記事にもあるが、価格勝負はどうにもならない領域まで入ってきている。
もともとヨドバシカメラは家電量販の中でも「販売員の商品知識と提案力」には定評のあるブランドであった。
確かに、家電量販店を回ってみると販売員の説明はいちばん真っ当で判りやすく家電好きの気持ちを掴むのはヨドバシカメラ。たぶん、ここに異論を持つ人は少ないのではないかと思う。
それだけヨドバシカメラは「人」に手間をかけていたことが判る。
そのヨドバシカメラがネット通販にシフトする。そしてAmazon対抗として翌日無料配送を打ち出す。
翌日無料配送は、Amazonはとっくに実現しているサービスなのでヨドバシはキャッチアップをしているだけである。
私も食料品以外の買い物はAmazonですることが多くなって、店舗で買い物は生鮮食料品などを女房につき合って行くくらいである。あとは、コンビニエンスストアで昼ごはんや飲み物を買う程度。
完全にコロナの流れや、ネットが使える高齢者が増えてきたことで利便性を考えればネット通販に分がある時代。
生き残るためにはネット通販の比率を上げて売上を確保することが急務であると言うのが判る。
さて、ネット通販にシフトすることはAmazonと同じ土俵で血みどろの戦いをすると言うことになる。向こうは、グローバル市場でのガリバーとして色々な面でヨドバシを上回っていると思われる。
ヨドバシがどのような戦略で顧客を引き留めるのか。
以前は、ネット通販客をリアル店舗に呼んで「ウィンドウショッピング」をして貰うことに特徴を持たせようとしていたが、これもコロナの巣ごもりでソモソモの外出という前提が崩れ始めた。
販売員の強みをネット通販にどう活かすのか。逆に、そこはもう捨てるのか? それとも、ネット通販とのハイブリッドショッピングを更に磨くのか。
小売り店は、根本的に「価格」を比較される運命。それがネットになると瞬時に多店舗の比較ができるのはもう20年も前から。
日本の家電量販店がネットでどう生き残って行くのか。ヤマダ電機は子会社化した大塚家具とのシナジーで生き残ろうとしている、高付加価値路線。
メーカーから主導権を奪った小売り量販のビジネスモデルは研究対象として注目している。サービスサポートの有償化率の向上なんて話でもダメだと思う。
個人的には日本の家電量販も百貨店と同じく再々編での生き残りが始まるんだろうなと思う。文化の違いを乗り越えて百貨店と家電量販がくっつくかなと言う気もしている。
楽天がその辺を主導でもすれば面白かったけど、楽天は楽天モバイルで手一杯だろうから無理か。
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