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ハイブリッドカー(ハイブリッド車)とは?仕組みと特徴、メリット・デメリットについて

3級整備士の闇です!

第84回の今回はハイブリッド車について書いていきたいと思います。

〈ハイブリッドカー(ハイブリッド車)とは?特徴と仕組みを解説〉

まず、ハイブリッドという言葉の意味は「組み合わせる」です。そのため、ハイブリッドカー(ハイブリッド車)とは、2つ以上の動力源を備えている車のことを指します。 一般的には、ガソリンで動くエンジンと電気で動くモーターの2つの動力源を備えた自動車を指すことが多くなっています。

ハイブリッドカーの走行の仕組みはいくつかありますが、一例をあげると、速度が低い時は電気で動くモーターを使って走行し、燃費の効率が良い速度になった時には、ガソリンで動くエンジンに切り替え走行をするという仕組みをとっています。 そうすることで、速度が低い時に燃費の効率が悪くなるという一般的なガソリン車のエンジン性質を補う仕組みになっています。 そのため、従来のガソリン車より燃費の効率が良くなり、CO2や排気ガスの量を抑えることが可能となります。

〈ハイブリッドカー(ハイブリッド車)のメリット〉

〈燃費の良さ〉

ハイブリッドカーはエンジンとモーターを組み合わせているため、燃費の効率がとても良いです。そのため、ガソリン代を抑えることもできお財布にもやさしいです。 ハイブリッドカーの車両価格は通常のガソリンモデルの車両よりも高い傾向にありますが、日常の走行距離が多いユーザーの場合、年間で見ると支払うガソリン代にはかなりの額の違いが表れてきます。 また、ガソリンの消費が遅く、給油が必要な回数が少ないことによって実質的な手間が減ることもユーザーにとっては大きなメリットといえます。

〈環境への影響〉

ハイブリッドカーは、電気で走行している時はCO2の排出を抑えることができるため、地球にやさしいという環境面でのメリットもあげられます。 また、ハイブリッドカーの環境性能は国土交通省が定める基準値をクリアしているということで、購入時に減税や免税の対象となります。 なお、一般的なハイブリッドカーの始動時にはバッテリー駆動のモーターが利用され、排気ガス等の排出が抑えられるので、駐車スペースの周囲の木々やフェンスなどの保護、美化にも役立ちます。

〈購入時に適用される減税〉

ハイブリッドカーの購入時に適用される減税措置としては、自動車税、自動車重量税、自動車取得税の3つの税金が対象となります。 モデルごとに適用される範囲が異なりますが、ハイブリッドカーの場合、最大で自動車取得税と自動車重量税が全額免除、自動車税(普通乗用車)が75%軽減、軽自動車税(軽自動車)が50%軽減となります。

〈運転時の静粛性〉

運転時や始動時の静粛性もハイブリッドカーのメリットです。 例えば、閑静な住宅地に住んでいる場合、特に早朝や夜間は近隣の家にエンジン音が伝わってしまうと迷惑になってしまうことがあります。 その点、ハイブリッドの場合では、セルモーターを回してエンジンに点火するわけではないので、ガソリン車に比べて大きな音は出ません。車種によっては、ハイブリッドシステムを始動するだけの車両もあり非常に静かにエンジンを始動できます。 また、低速の走行で一定の距離であればガソリンエンジンを始動させずに走行できる車種もあるので、気をつけて走行することによって幹線道路に出るまで大きな音を出さずに走行することも可能な場合もあります。

〈エンジンが長持ちする〉

通常のガソリン車と比べると、ハイブリッドはモーター駆動との併用で出力を出しているので、エンジンにかかる負担は軽減されます。 発進から高速巡行までをエンジンのみに頼る場合と比べ、発進や加速、巡行時もモーターのアシストが入るので、エンジンも劣化も緩やかになると考えられます。

〈ハイブリッドカー(ハイブリッド車)のデメリット〉

〈購入価格が高い〉

デメリットのひとつは、同じような性能の車でも、ハイブリッドカーの方が購入価格が高くなってしまうことです。中古車で購入する場合でも、購入価格はやや高めといえます。 もちろん、ガソリンエンジンモデルと比べて、ガソリン代は大幅に削減することができます。 また、購入価格が高いということは、売却時にも高く売れるということなので、ハイブリッドカーの購入価格が高いことに関しては、そこまで大きなデメリットとしてとらえる必要ないといえるでしょう。

〈バッテリー寿命が短くなる場合がある〉

ハイブリッドカーは駆動用バッテリーに貯めた電気で走行をアシストするという仕組みであるため、駆動用バッテリーの寿命は燃費性能に直結します。どんなバッテリーでも劣化は避けられません。 ハイブリッドカーが世の中に出始めたころは、駆動用バッテリーの不具合はありました。それから年月が経ち、現在では一般的な走行距離であれば、駆動用バッテリーはほとんど交換が必要のないレベルにまで進化しています。 ただし、極端に駆動用バッテリーを酷使するような使い方をすれば、10年10万kmになる前に駆動用バッテリーが大きく劣化することもあります。もし自費で駆動用バッテリーを交換することになった場合、かなり高額な費用がかかることもデメリットといえます。

〈走行音がない〉

ハイブリッドカーがモーターのみで走行している時は走行音がほとんどしないことで、歩行者などに気付かれにくいというデメリットもあります。 ガソリン車であれば、一定のエンジン音が鳴るため、近くの歩行者が気付いて避けることができますが、ハイブリッドカーの場合、歩行者が気付かずに飛び出してくる可能性もゼロではありません。 ただし、最近のハイブリッドカーでは時速20km以下になると、意図的に音を出す車両接近通報装置が標準装備となっており、メーカー側でも対策がとられています。

〈車内スペースが若干狭い〉

ハイブリッドカーは、大きな駆動用のバッテリーを搭載している関係で、ガソリン車と比べると、室内スペースが若干狭くなる場合があります。 もちろん、自動車メーカーもできる限り実内スペースが圧迫されないように、駆動用バッテリーの配置を工夫しているので、荷室が大きく削られるなどということはありません。

〈環境によっては燃費が悪くなる場合もある〉

環境によっては、ハイブリッドカーでも燃費がガソリン車とあまり変わらい場合があります。 例えば、高速道路のように道幅が広く、スピードを出す道路ではガソリン車とハイブリッドカーの間で燃費の差があまり出ない可能性もあります。 しかし、ハイブリッドカーは、速度が低くても燃費の効率が良いといえるため、日本のように狭い道や信号での停車が多く、あまりスピードを出さない道路に適しているといえます。 車種によっても大きく異なりますが、信号の少ない山間部などに住んでいる場合は、ガソリンエンジンでも燃費のいい走りができるので、ハイブリッドのメリットを十分に活かせないケースもあるのです。 ハイブリッドカーを購入する際には、どのような目的で車を使うのかなどを考慮し、自分の目的にあったものを選択すると良いでしょう。

〈中古のハイブリッドカー(ハイブリッド車)を購入する場合の注意点〉

〈バッテリーの寿命〉

バッテリーの寿命は、大体のメーカーが保証期間として設定している初年度登録から5年、または10万km走行がひとつの目安といわれています。しかし、バッテリーの種類や前オーナーがどのような運転をしていたかによって、その寿命は前後します。 例えば、目安のひとつである10万kmをはるかに超えていたとしてもバッテリーの種類によってはまだ十分使用できる場合もあるので、走行距離だけで判断するのはおすすめしません。 また、初年度登録から10年経っているものの走行距離が短いような車両は、充電と放電を十分に行っていない可能性もあり、かえってバッテリーが大きく劣化しているケースも考えられます。 そのため、中古のハイブリッドカーを購入する際には、駆動用バッテリーの状態について販売店に詳細をしっかり確認することをおすすめします。

〈ブレーキと足回り〉

ハイブリッドカーに限った話ではありませんが、特に注意したのがブレーキと足回りです。ハイブリッドカーは、一般的なガソリン車と比べて、駆動用バッテリーなどの重量物を積んでいる関係で、足回りやブレーキに負担がかかりやすい傾向にあります。 ブレーキパッドであれば交換費用は高額にはなりませんが、ブレーキローターやキャリパーまで交換が必要となると、それなりの出費になるので注意が必要です。

〈タイヤの状態〉

ハイブリッドカーでは、購入前にタイヤの状態についても確認しましょう。ハイブリッドカーのように車重が重い車ほどタイヤの減りは早くなり、4本交換となればそれなりの金額が発生します。 車両を購入してすぐに出費が重ならないように、タイヤの残りの溝や製造年はチェックした上で購入するのがおすすめです。

〈まとめ〉

今回は、ハイブリッドカーの仕組みや特徴、メリットとデメリットについて解説してきました。燃費が良く、環境にもやさしいハイブリッドカーの人気は高まっていますが、静かすぎるゆえに走行音が小さいことを含め、メリットの多くはそのまま裏返すとデメリットとなります。 ハイブリッドの特徴をよく理解して、自分に合った車選びを心がけましょう。

今回はハイブリッド車について話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!

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