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子供らしい、いい子(「孫と誕生会」辻村深月)

「おじいちゃんは、ああいう、みんなと仲良くできる子の方を子供らしい、いい子だって思うんだろうけど、私は、あの子たちーー」

孫と誕生会
/辻村深月

親がどんな子を「いい子」だと思っているか、子供は敏感に感じているものだと思う。

私も小さい頃から感じていた。両親は私のように気難しい子供は苦手なんだろうな、もっとおしゃべりで何でも素直に言葉にできる子がいいんだろうな、と。子供の頃はそういう子供になろうとして無理をすることもあった。自分を受け入れられるようになったのはつい最近だ。

そういう思いを知っているのに、私も最近、息子に対して「もっとアクティブな遊びをしてほしい」「もっと外の世界に興味を持ってほしい」と、自分が思う子供らしさを求めていることに気づいた。そして求める行動をしてくれないことにじりじりと焦りと苛立ちみたいなものを感じていることも。

気づいたら、あとは簡単で、受け入れればいいだけだ。気難しい自分もオーケーだし、内にこもりがちなこの子もオーケーだ。そんな二人で楽しめることを探せばいい。

ちょうど、以前通っていた精神科のメルマガが届いた。「ダラダラを、楽しめ!今やっていることを100%楽しむと、次につながる。」とあった。

なんだか少し明日が楽しみになった。

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