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キッズキッチンレター2021年1月号

 本年度は新型コロナウイルスに始まり、2020年の終わりはまた新型コロナウイルスでくれて行きそうです。皆様にとって今年はどんな年となりましたでしょうか。

 五感で学ぶ体感料理教室キッズキッチンは4月5月は緊急事態宣言の下、開催を中止いたしました。その代わり、テキストを従来よりも数段詳しく作るようにし、また、オンラインでのレッスンなども行いました。オンラインでのレッスンを通じ、やはり、対面でなければできない部分もまだまだあることを実感しました。6月からは密にならぬよう参加人数を半減し、マスク・手洗いなどの徹底と、感染症対策をしながらキッズキッチンを行っております。

 食育という分野は成績をつけるわけでもありませんし、目に見える能力(知識など)を増やす教育でもありません。成長していく上で、心の支えとなるような、目に見えない「生きる力」を育てるものです。コロナ禍が来たので中止しよう、ということはそれは1つの手段です。ただ大きく未来を考えた時、コロナ禍だからといって子供の成長は止まりません。ただ単にその歩みを止めてしまうだけでは、いけないと考えています。

 ところでコロナ禍以前から、料理教室の傾向として、「個人のものを個人で作る」というものがありました。他人とシェアして料理をすることを避けるというものです。キッズキッチンでも「サラダなど生のもの、おにぎりなど火を通した後に触るものは一人で自分の分を作る」と変更しました。しかし依然、煮物など「作業した後に火を通すもの」については「自分の分は作業しつつも、班のみんなと協力して作る」ことを大事にしています。
 「一人で料理をする」ことはいつでもできますが、同じぐらいの年頃の子供たちだけでお料理を作る体験というものは、現代ではなかなかなくなって来ています。このコロナ禍において、学校での調理実習も実際に減っていますし、家庭科そのものも教わる内容が増えていくにつれ、食の分野の学び、特に調理実習を伴う実践は減ってきています。

 また文明が発達し、わからない事があれば検索したり、聞いたりすれば良くなりました。大勢が協力して作業しなければならないようなことも減りました。音声入力など、昔はできなかったようなことも、簡単にできるようになりました。いろんなことを知っていることはとても素晴らしいことです。これからも個人で自由に生きられる世の中になっていくことでしょう。その中で大切なのは「一人で生きていける力」と、そして、相反するようですが「他人と共生していける力」です。
 ご存知のように、他人とのやり取りの技術、いわゆるコミュニケーション能力は、一朝一夕で身につくものではありません。キッズキッチンでは個人の作業を重視しつつも、何人かで協力して行うことも大切にしてきました。自分と違う個性を持つ他の人に出会い、戸惑うこともあるかもしれません。その中でもコミュニケーションをとり、出会いを何度も繰り返して、互いに協力することを身につけていくものです。
保護者の方の中には、学校ではこんなことはないと驚かれることもあるかもしれませんが、スタッフ一同、子どもたち同士がコミュニケーション能力を育んでいけるように、これまでより一層の良い環境づくりをして参ります。
何か些細なことでも気になる点がございましたら、お気軽にスタッフまでお声かけください。
 これからも「一人一人の作業」と「みんなで一緒に協力して作業」を大切にし、新しい生活様式に適応しながら、キッズキッチンも開催して行くつもりです。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください!

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