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the weekend in Geneva

おはようございます。

この間の週末を、2日間ジュネーヴで過ごしました。

今まで行ったことのない土地に行くというのは非常に心が躍るもので、また、心の栄養にもなりますね。旅が好きか好きじゃないかというのは人によりけりだと思いますが、私は絶対に、生きていくために旅が必要なタイプです。知らない場所、知らない空気を知ることが、なんだかエネルギーになったり、豊かになったりするんですよね。良くも悪くも、今はスマートフォンひとつ持っていれば、世界中の美しいものを写真で見ることができるけど、私は世界中を実際に赴いて、自分の目で見て、聴いて、肌で感じて、旅という経験のフォルダを増やし続けたいな。

写真を撮りためて今回のブログは旅行記にしようと思っていましたが、どう頑張っても写真を取り忘れる性分でして。今見たら自分が思っていた量の半分くらいしか撮っていませんでした(笑)

金曜日の夜に着いて、翌日のお昼前にまずこちらに。

有名なジェットストリームが休業期間ど真ん中というなんとも寂しい感じだったんだけど、旅というのは一つか二つ、後悔が残った方がいい旅になるものです。またもう一度来たいと思えるから。

そのあとは旧市街やなんやを歩きつつ、サンピエール大聖堂や美術館へ。Mamcoという現代アートの美術館へ行って、すごく楽しかったんだけど、写真はありません。見て満足して写真のことはすっかり忘れてました。

サンピエール大聖堂
そのへんの噴水。綺麗だった。

2日目はどこを目がけるでもなくふらふらと街を歩いた日だったんですが、お昼後になんとパリで勉強している藝大の先輩と会えたというミラクル。ジュネーヴ国際というフルートのコンクールのファイナルがちょうどその週にあったようで、藝大からそれぞれパリとベルンに散った二人が、同じ時にたまたまジュネーブに来ていたんです。嬉しかったです。こうして旅先で誰かと出会えたり、人の輪が広がることは、本当にすごく楽しいです。

2日間雨が多かったけど、日曜日の午後だけ少し晴れました。きれいだったな。

これはジュネーヴに限った話ではなくて、ベルンも他の場所もなんだけど、ヨーロッパの空って、日本に比べて少し雲が近くて、空を近くに感じるんです。印象派の絵なんかを、そのまま実写で見てるみたいだなっていつも思うんですが、逆なんですよね。きっと、こういう空が本当にあるから、この空をみて画家たちがああいう風に空を描いてきたんですよね。いつも、あの絵の景色は本当にあるんだな、って思います。

以上です。次の旅はどこになるかな。ローザンヌで勉強をしているという人とも知り合いました。話をローザンヌも行ったことのない土地だなあ、なんて考えていました。
日本を出るとき、先生から、借金してでも旅行をたくさんしてきなさいという言葉をもらったのを、定期的にふわっと思い出します。ときに、旅先で人生を変える何かに出会うことがあるから、と。地続きでどこへでも行けるうちに、たくさん色々見てきなさいと。一瞬でものすごい衝撃や感動をくれる旅ももちろんあると思うけど、そうでなくても、こうして色々な土地に足を運んで、知らない空気を感じて、知らない景色を見ていくことを続けたら、きっと自分自身は変わっていくんだろうな、と感じました。なにが、とははっきりと言えない、心の中の色合いや引き出しが、少しずつ増えたり変わったりしていくんだろうな。その心の機微を何か表現したいという衝動が、最近私の中でなんだか活発になっていますそ。その作用で、ちょっとしたきっかけで、ものすごい気持ちが動いたりすることもあって。今までにない自分の様子を、俯瞰して見ている自分もいたりして、面白いんです、というのは余談です(笑) いつかまた。

余談ついでにもう1つ余談ですが、面白いことに、週末の2日間ほとんど楽器は吹かなかったのに、今日丁寧に音出しをしてさらってみたら、すごく調子が良かったんです。やっぱり、1週間に1日は、楽器を吹かない休息日ってあった方がいいんじゃないかというのが、こちらに来てからの持論です。休息日に、少なからず煮詰まっている楽器のあれやこれやから体も心も解放してあげて、なにか感性を刺激する栄養を注入してあげる。スコアを見ながらゆるりとオケを聴くなり、好きなアーティストのアルバムをぼーっと流すなり、読書なり料理なり映画なり美術館なり、友達と出かけるなり、とにかく楽器を吹かずにできる心の運動をする。いや、楽器のことって考えちゃうし、慣れないうちは普通に練習する方が精神的に楽だったりもするんですが、吹くかわりにスコア眺めるだけでも、だいぶ何かが変わると思います。楽器のため、というのももちろんそうですが、技術の向上や音楽家としてのスキルアップだけが人生ではないですしね。一見無駄に見えるような、寄り道した先の小さな幸せや些細な心の運動が、知らないうちに音楽の肥やしになっていたりするものなのではないかと思います。

私の周りの友人たちも、本当に頑張っている人たちばかりで、いつも励みになっています。でも、頑張れない日が続いても、結果が出なくても、自分にご褒美はあげよう。私もそうします。
季節の変わり目、皆さんご自愛くださいね。




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