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良い時間を過ごしております

おはようございます。

新学期が始まって、2週間が経ちました。早いものです。1stSemesterが始まったときに比べると、時の流れの速さが4倍速くらいに感じます。
今期はようやく、室内楽も履修できるようになって、今週初めてリハーサルをしたりして、レッスンの曲の用意ばかりとはいかなくなってきていますが、それらをひとつひとつこなしていって迎える金曜日の午後は、なんとも達成感にあふれています。

楽器の調子は非常に良いです。毎週のレッスンが本番みたいな感覚で、程よい負荷がかかっているのが良いのかなと思います。ここでIanに習うというのはもう、ずっと長いこと私の夢だったので、そのストレスも幸せの一部みたいなところがあります。半年も経てば慣れてしまうかと思っていましたが、Ian Bousfieldに毎週会ってレッスンしてもらう、というシチュエーションに安易に慣れられるほどは、私は強心臓ではないようで(笑)。いまだにレッスンの前はおなかがいたくなります。多分、一生慣れるのは無理だという気がする。
彼は本当に、下手な演奏をしたら信じられないくらいはっきり最悪だと言うかわり、いい演奏をしたらはっきりと良いと言ってくれます。それが、毎週の練習ごとの明確な道標になっている気がします。これからもまっすぐ頑張っていきたい。

授業に関しての話はまた今度しますが、自由に選択した科目はどれもとても面白いです。ドイツ語は相変わらず、コンタクトが取れるギリギリまで目をかっぴらいて集中しないときちんと理解できないような状態ではあるけど、確実に楽にはなってきています。

ドイツ語をもっと使って上達させないといけないのは100も承知で、先月からスペイン語とフランス語の勉強をぼちぼち始めました。私の人生には、ドイツ語英語日本語の3つがあればもう十分すぎるだろうと思っていたのに、まさか他の言語を勉強したいと思う日が来るとは、とてもじゃないけど想像できませんでした。そして、フランス語圏に留学をしているすべての皆さんを、私は今スーパーリスペクトしています。あの言語習得するなんて離れ業、本当に可能なんですか。今たまたま、トロンボーンのクラスにはフランス語を話す人がいなくて、この間ぼそっと「そういえばフランス語の勉強始めたんだよね」って言ったら、「多分だけど、それ人間の脳には不可能なんだと思う」って言われました。多分そうだと思います。
でも言語を勉強するっていうのは、世界中に仲良くなれる人を増やしていくことなのかなという気がします。英語が話せれば不自由しないことがほとんどかもしれないけど、私が英語よりも日本語の方がもっといろんなことを不自由なく説明したり表現できるのと同じで、彼らの母国語が話せたら、もっと相手のことが見えて、仲良くなれるんだろうなと。室内楽の合わせの時も、フランス語できる人同士はちらほらフランス語で会話していたりするんです。そういうとき、せめて言ってることが分かればいいのになとめちゃくちゃ思います。なので、気長に頑張ってみます。

毎日が充実していて、色々な人が支えてくれて、私の周りにいてくれるのは本当に素晴らしい人たちばかりで、自分は少々恵まれすぎているのではないかという気持ちに、時々なることがあります。ここには本当に、色々な環境から色々なバックグラウンドを抱えた人が勉強をしに来ていて、世界中で戦争は起こっているし、兵役がある国はたくさんあるし、自分ではどうしようもない何かを抱えながら生活をしている人はたくさんいて、自分が生まれ育った環境がどれだけラッキーかということを、突きつけられることもしばしばあって。自分は大したことは何もしていないのに、というような、それに対する居所のない罪悪感みたいなものは、今でも時折顔を出すことがあります。でも、今日みたいな、しっかり頑張れた週の終わりには、いつでもそれらへの感謝を心のどこかに持ちながら進んでいくことが、私の強さになってくれるかなというふうに思えます。頑張ろうっていう気持ちを支えてくれるものは、人それぞれ色々なところで生まれて、手にしていくものだと思う。

こちらはときどき、日差しに春を感じるようになってきました。そういえば今日から3月なんですね。知らない間に、随分と日も長くなったな。
この間の夕食の時に、つい最近から一緒に住み始めたルームメイトに「今日見たもののなかで、いちばん美しかったものは何?」という質問をされました。「日々に忙殺されずにそういう気持ちで過ごすの、大事だと思うんだよね」って言われて、なんかすごい良きメンタリティで生きてる人だな、と思いました。スイスで迎えるはじめての春はどんなふうにやってくるのか、これから五感をかっぴらいて生活したいと思います。



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