Skeb Coinについての感想あれこれ
『大人の事情で立場上言えないことがあるから匿名で言っちゃうアカウント』でお馴染みになりたい、漫画家やったり脚本家やったり出版社にいたり、業界のすみっこで生きてるおじさんです。はい。
これまではWebtoonってなんだろうとか、これからの漫画業界こうなっていきそうみたいな話を書いていたんですが、今回はちょっと色々と思う所があり違う方向性の話を書こうと思っています。
というのも、今年4月に漫画配信サービス最大手のピッコマさんが、暗号資産取次業を行うサクラエクスチェンジビットコインを子会社化したりしてまして、
そのピッコマさん親会社のKAKAO社は、独自パブリックチェーンのKraytn(クレイトン)を開発・提供していて、Openseaにも統合されている状況だったりするので、粛々と進めてるなーという感じで見ていたのですが、
つい先日、Skebさんが、取引所はZaifさんからIEOの実施を検討しているというプレスリリースを出されていたりしていまして、
Skebさんのプレスは、SNSなどで沢山のクリエイターさん達が反応をされていた一方で、「ブロックチェーンのお勉強をしないといけないかぁ」とか「暗号通貨って結局なんなの?」みたいな投稿をされていた方も結構見かけました。
NFTとかをやられているイラストレーターさんとかも沢山いらっしゃいますし、ちょっとその辺りの領域について個人的な見解を書いておこうという経緯で今回のnoteを書いている感じです。
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はい。
本題に入る前に、ちょっと前置きを書いておきたいのですが、このnoteの目的としては、これまでのnoteと同様のスタンスでして、
変に不安を煽るつもりもないし、どこが良いよ悪いよっていう話をしたい訳でもないけれど、これから先の時代はどんどん色んなビジネスモデルや会社が増えてきて、選択肢が沢山増えていくので、それぞれのメリットデメリットをしっかり把握した上で、それぞれ選んでいってほしいなあという感じで、あくまで”客観的な意見”という所を心掛けてやっていきたい感じです。
読み終わった後に、気になった所とか、もっと知りたいところを調べたりしてキャッチアップするキッカケになれば、おじさん嬉しいなという気持ちです。
最後まで読んで頂けるようにがんばるます。
敷居が高すぎるんだよぉぉ!!!!!
とは言えですよね。分かります。
Skebさんのプレスリリースを見て、ちょっとその辺り調べようかなって思っても、暗号通貨とか、トークンとか、ユーティリティとか、さらにはIEOとか、P2Pとか、ノードとか、スマートコントラクトとか、ボラティリティとか、正直よく分からないですよね。おじさんも嫌になっちゃう。
専門用語の解説とかも含めてnoteにまとめようとすると本1冊くらいの文量になっちゃうので、今回のnoteの落としどころとしては、おじさんが簡単なイメージで極力分かりやすくまとめるように頑張りますので、ざっくり「はいはいこんな感じね。完全に理解したわ。」みたいな気持ちになってもろて。気になった部分を調べてみようというキッカケになれば嬉しいです。
ということで、じゃあまずSkebさんのプレスリリースを読んでみるとですね
あーはいはい。イニシャルエクスチェンジしちゃう感じね。ユーティリティね。はいはい。理解理解…。
ってなっちゃいますよね。
まず、文章の理解の為の前提知識が必要なんだが…?っていう状況な方もいると思うので、このnoteの構成としては、
みたいな順番で説明できれば、わかりやすいかなあと思うので、やっていきますわよ。
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そもそも”通貨”ってなに?
多分、このnoteを読んでくださっている方は日本にお住まいの方が多いと思うのですが、日本の法定通貨は「円」ですよね。
一方で、ビットコインとか、イーサリアムとか、ちょっと前は「仮想通貨」って呼ばれてて、最近は「暗号通貨」とか「暗号資産」とか言われておりますが、そこを理解していく為にまず”通貨”ってなんだっけっていう部分をちょっと説明していきたいと考えております。はい。
ところで、
「円(=お金)」が欲しい!って思ったら、どうしますか?
為替とかは一旦置いておいて、「円(=お金)が欲しい」と思ったら、例えばイラストの仕事の受託したり、キャラデザやったり、何かしらの労働の対価として10万円とか貰いますよね。
その10万円って、どこから来たんでしょう。
辿ってみると、発注先の企業Aという会社から10万円が来たようですね。では、その企業Aは、その10万円をどこから貰ったのでしょう。
その企業Aは、別の仕事の対価として企業Bから50万円貰っていて、その内の10万円を渡していたみたいです。
(全てではないですが)ほとんどの人にとっては、お金の流れというのは”バケツリレー”みたいな感じで、誰かから対価としてお金を貰って、それを例えばコンビニでおにぎりを買ったりして消費して、コンビニにあなたのお金が渡って、そのお金がコンビニで働いている人の給料になって、という感じで、
というイメージですね。はい。
次に、ポーカーの例え話をさせてください。
(ポーカーやったことないよーって方も、この手の話をする時に分かりやすいのでご容赦ください。正直ポーカーのルールは関係ないです)
6人のおじさん達がポーカーをやっています。1人1000点の持ち点からスタートすると仮定しますね。
ゲームが進むにつれて、各おじさんのポイントに変動があったみたいです。
あぁ!あのおじさんのポイントが別のおじさんのポイントに!
そしてまたあのおじさんのポイントに!!ポイントがぐるぐる渡っています。
まさに、ポイントがバケツリレーのように循環しているじゃあありませんか!
はい。
そしてゲームも終わり、最終的にはこうなりました。
手前のおじさんが、6000点になったようですね。嬉しそうです。
ところで、手前のおじさんの6000点は、何故6000点なのでしょう。
これは、スタートした時点で、それぞれのおじさんが1000点ずつ持っていて、全体の合計ポイントが6000点だったからですね。
ここでポイントとして抑えておきたいのは、
という所です。
スタート時点で、それぞれのおじさんの持ち点が100点ずつであれば、獲得できる最高ポイント数は600点ですし、持ち点が5000点ずつであれば、獲得できる最高ポイント数は30000点ですね。
日本経済に話を一度戻してみましょう。
先ほど、イラストの仕事やらの対価として10万円もらったり、コンビニで何かを買ってお金を消費したり、それが誰かの給料になってというような、バケツリレーのような循環が起きているとお話しましたが、
おじさん達のポイントが、仮に円だとしたら、きっとおじさん達はもっと沢山欲しいですよね。
ですが、誰かが欲しいからといって渡していたら世の中ぐちゃぐちゃになってしまうので、増やしたり減らしたりというのを、日本銀行さんとかが色々と決めていたりします。
という感じです。
それで、その流通量はどんな感じかというと、
まずお札、硬貨、電子マネーなど科目が異なったり、”準通貨”として預金などがあったり、流動資産として社債、国債などがあったりと細かい所はありますが、まるっとまとめて「マネーストック」っていうのかーみたいなイメージをとりあえず持って頂いて、以下のグラフを見て頂きたいのですが
青いのが「日本」におけるM3のマネーストック指標推移になっておりまして、Mなんとかはウルトラマンしか知らない人がほとんどだと思うので、
ここでは、なんか通貨の流通量があって、私たちはその限られたお金を誰かから対価としてもらったり、逆に消費して誰かのお賃金になっているのか、というイメージをもって頂ければと思います。
そんなイメージを持つと、なんか流通量が増えたら手元に入ってくるお金も増えそう、流通量が減ったらなんか貧乏になりそうな感じありますよね。そんな話をニュースで「金融緩和が~」みたいな感じでしているので、あ、これって進研ゼミでならったやつだ!みたいになれそうですね。
なんか、偉いおじさん達が経済いい感じになるように色々と調整してくれてるんだなーみたいな感じのイメージを持って頂けると良いかなと思います。はい。
(細かくなるので割愛しますが、「円」って、増えたり減ったりしてるなら、どうやって増やすの?とか、どうやって減らすの?とか、気になったあなたは是非調べてみてください。円を減らす時はお札を燃やすんだろうか…とか、気になりませんか?実態は、負債としてどうこうとか、そういう話になってます。)
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円(=通貨)の価値も、モノの価値も、なんで変わるの?
ここまでの話としては、
という感じの内容でした。はい。
それで、”通貨”の話をする時にやはり「変動性」っていう特性は触れないといけなくて、広く見ると通貨に限らず、おにぎりの値段も変わるし、私のお賃金も変わるし、暗号通貨の値段も変わるんですね。
なので、ちょっと「変動性」についての説明をしたいと思います。
最近は嫌になるほどニュースでやっているので目にしている方も多いと思いますが、今、「円」は凄い安くなってますよね。
前項でバケツリレーみたいなって話をしましたが、頑張って描いたイラストの対価として自分の所に回ってきた10万円が、いきなりおにぎり1個しか買えないみたいな状況になったら困っちゃいますよね。
幸いな事に、「円」はそこまで急激に短期間で変動する確率は低いですが、別に保証されてなければ、絶対にあり得ない話ではないです。
ベネズエラでは、100円で買えていたものが268万円ないと買えなくなりました。(略奪や殺人も急激に増えてしまったりといった事も認識しており、揶揄するような意図はありません)
「価値の変動」という特性は、あらゆるものに存在しますが、変動する原因は複雑に絡んでいます。だからこそ明日の円相場は誰にも100%の予測が出来ないのですが、変動に関わる主な要素としては「需要と供給のバランス」と「買い手と売り手の価値適正」とか言われてたりします。
「需要と供給のバランス」という点については、例えば数が10個しかないものに対して、1000人の人が欲しいという状況であれば、需要が非常に高いですね。
また、それと並行して、「買い手と売り手の価値適正」という点も見なければならず、10個しかないものが100円で売られているから1000人が欲しいと言っているのか、もし1万円で売ったら欲しい人が1000人から50人に減ってしまうのかという感じで、売り手と買い手の価値の差異がどれだけあるのかという部分によって、値段の適正値が変わります。
同じような意志決定が、モノに限らず、円やドルなどの通貨、また私のお賃金などにも関わっているわけでございます。
例えば、凄い腕の良いイラストレーターさんがいて、イラストを描いて欲しいとします。ただ、そのイラストレーターさんは沢山の企業から依頼が来ていて、大人気です。依頼する為の値段がどんどん上がって、今では100万円必要です。というケースであったり、
このレストランは美味しくて予約も殺到していて、高い食材を使っていたりで、今ではコースで3万円の値段になっています。というケースであったりは値段の変動理由とかがイメージしやすいと思いますが、
「通貨」の価値や値段が変わるのはどういう需要でしょうか??
沢山の依頼が来ている円…?予約殺到の円…?
逆に、「ドルが欲しい!」「ユーロが欲しい!」ってこれまでの人生で思った回数、どれだけありますか?あんまりいなさそうですよね?(円安の影響で増えているとは思いますが)
通貨においては、主に「金融政策、インフレ率、政治・経済環境」といった要素が影響しているとされています。具体的には、その国のGDPであったり、輸出入貿易、マネーサプライ、金利、インフレ率、住宅価格、失業率など様々です。
マ…マネー…サプラ…?ってなりますよね、難しい単語が並んでますね…。
という事で、ここまでの話を一度まとめると、
という感じでイメージして頂いて、前項の話と合わせて考えると、
という感じになります。はい。
すごいざっくりしてますが、イメージ掴んでもらうことが目的なので許してください。
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暗号通貨ってなに?
ここでやっと暗号通貨についてのお話になるのですが、「円」というものについては、日本銀行さんとかの偉いおじさん達が、円を増やしたり減らしたりして「流通量」を調整してたり「円の価値」についても良い感じになるように頑張っていたわけですが、
恐らく一番有名な暗号通貨である「ビットコイン」とかは、目的の1つに「非中央集権」という事を考えて作られていたりします。
冒頭に引用したSkebさんのプレスリリースでも、同ワードが記載されていますね。
「非中央集権」っていうのが何かというと、各通貨毎に思想が異なるのでややこしいんですが、ざっくりイメージとしては、
みたいな話です。
さらに言うと、日本銀行に限らず、誰かの一存で強制的にあれこれされたくないから、自分たちでルールを決めて自分たちでやっていくね、みたいな感じです。
一方で、さすがにグッバイしようとしても、おじさん達はただ椅子で寝ているわけではなくて、国内経済であったり、金融政策であったり、流通量をどうこう頑張っていたり、おじさん達にも役割があった訳ですが、「非中央集権」にするとしたら、その部分は誰がどう引き継ぐのでしょうか。
結論としては、システムを設計してアルゴリズムによって管理・運用していこうみたいな感じです。
そういったアイディアを、今だに正体不明のサトシナカモトっていう人が論文公開したり、ビットコインのプロトコルやコアを作って、「これならいけそうじゃあないですか!」みたいになって、色々あって今です。
(プロトコルとかなんやって感じかもですが、こうすればこうなるよっていうモデルみたいなのを作ったんだなーみたいなイメージでとりあえず)
具体的にどんな感じのルールでやってるかというと、
「円」においては日本銀行のおじさん達が頑張ってあれやこれややっていたのに対して、「ビットコイン」はマイニングによって通貨の新規発行が行われるという事が決まっていたり、ビットコインの発行総量は、2140年までに2,100万 ビットコインが上限という事が決まっていて、それ以降は新規の通貨発行はされないという事が決まっています。
ちょっと複雑ワードが色々と込み入ってきたので、ざっくりまとめますと、
みたいなのが「非中央集権」のマインドみたいな感じです。
その「ルール」は誰でも考えることができて「オリジナルの通貨」を作れちゃうので、それはもう沢山の通貨が生まれています。
例えば、「イーサリアム」という名前を聞いたことがある人も沢山いると思いますが、先ほどのビットコインが「通貨の発行量に上限がある」というルールなのに対して、イーサリアムは「発行の上限を設けない」というルールだったり、それだけでなく色々なプロダクトに応用しやすいように設計されていたりします。
(長くなるので割愛しますが、具体的に掘り下げたい場合は、スマートコントラクトであったり、DAppsで調べてみてください。)
しかしですよ。じゃあこれから私が「おじさんコイン」を作りましたとして、何が起きますか?
そうです。何も起きません。無風です。辛い。
ですが、「おじさんコインを1コイン持っていたら、おじさんを1日労働させられる」としたら、どうでしょうか。変な人は買ってくれるかもしれません。おじさんコインに価値が生まれた瞬間です。
しかし、おじさんが寿命で死んでしまったらどうでしょう。おじさんコインには価値がなくなってしまいそうです。辛い。
序盤の話としては、
という話をしてきました。
また、その大前提としては、「円」の提供価値として、日本で通貨として使用できるという特性ももっています。おにぎりを買ったり、おじさんを労働させたりできるという事ですね。
その上で、おじさんコインと、円やドルなどの通貨と比較すると、おじさんコインは非常に不安定でしたよね。
こういった不安定さを「ボラティリティ」と言ったりします。
ビットコインと日本円のボラティリティを比較してみましょう。
1ビットコインが2018年ではピーク約200万円だったものが、ここ2年で約700-400万円というふり幅で値動きしています。
米ドル/円の推移については、2014-2021年までの間でも、1ドル100-120円の間での値動きになっています。
値動きが激しいと、今日は100円で買えていたおにぎりが、明日は300万円とかになっちゃうという感じのイメージです。
こういった比較で、ビットコインは日本円と比べるとボラティリティが大きいという表現をしたりします。(「暗号通貨はまだボラがでかいよねー」なんて言えば、今日からあなたも通ぶれちゃいます。えへへ)
また、他の事例として、最近特に話題になったLUNAというコインのレートも見てみましょう。
前週比で99%の下落という状況になってしまいました。
(自殺者が出たり、様々な被害を被った方が沢山いらっしゃいました事は理解しており、揶揄するような意図はありません)
こういった感じで、色んな暗号通貨やらが生まれている状況なのですが、ボラティリティが大きい暗号通貨やらが非常に多いので、そこが結構課題だったりします。
ここで話しておきたい趣旨としては、様々な目的で、様々なルールを設計した暗号通貨が沢山ある状態になっていて、しかし、例えば生活に根付いたサービスや決済として利用するのであれば、100円で買えるおにぎりが明日は268万円になっていてほしくないように、価格の安定という部分は求められることが多くなっていくのではないかと考えています。
一方で、価値が変動するという事が必ずしも悪というわけではないケースもあります。例えば、100円で1個のおにぎりが買えていたのが、100円で2個のおにぎりが買えるようになる、つまり自分の保有していたビットコインの価値が上昇しているというケースです。
その場合、多くの利益を手にする人もいますが、儲かるかどうかっていう「投機的対象」という見え方が強くなることで、様々な詐欺のケースや、損害を被ってしまうケースも多々あります。暗号通貨におけるインサイダー取引の事例も発覚していたりします。
投機的対象という見え方が強くなるっていうことは、つまり本質的な部分よりも「お金儲け」でどうこうっていう人が多くなるという感じです。
他にも、暗号通貨やトークンにはハッキング等の被害対策がでていて、その辺りがまだまだ課題だったりします。
100円でおにぎりが何個買えるか以前に、自分のお金が消えちゃうっていう話ですね。
ちょっと一旦、ここまでの話をまとめると、
という経緯があって、リスクとしては
といった状況に思っています。
以上を踏まえて、次は「トークン」の説明にいきたいと思います。
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トークンってなに?
ここまでの話としては、そもそもの”通貨”についての説明と、それに対して”暗号通貨”というものが目指そうとしてきた経緯だったりその説明をしてきたんですが、暗号通貨と並んで●●トークンとかっていうワードも良く目にしますよね。(Skebさんも”ユーティリティトークン”って表記していますね。)
これがまたややこしいです。
試しに、取引所大手のコインチェックさんの見解を引用してみましょう。
はい。
「違いが明確でなくて、曖昧だ」という感じです。
暗号通貨とかトークンとかを言い出してるのは英語圏なので、英語圏の情報をキャッチアップしてみますと、
うーん。なんか分かりそうで分からないですね。
ちょっと例えを出してみますね。
例えば、1億円をもっていたとします。1億円で買えるものは沢山あります。100円のおにぎりが100万個買えてしまいますし、1000万円の車を10台買う事もできますし、1億円の不動産を1棟買う事もできます。
沢山の選択肢がありますね。
そこから、1億円の不動産を買ったとしましょう。そうすると、その不動産に住むことができますね。また、その不動産を誰かに賃貸として貸す事もできます。そして売ってまた現金に戻す事もできますね。
今の事例を見ると、沢山の選択肢があった状態から、1つ踏み込んだモノを手にして、その特性をもった価値(住む、貸す、売るなど)を使用することができました。
不動産は、通貨ではありません。1億円の不動産をもっていても、100円のおにぎりを直接的に買う事は出来ません。しかし、現金に戻す事はできます。現金に戻せば、おにぎりを買うことができます。
なんか解像度があがった気がしますが、問題はこれがそのまま暗号通貨とトークンの違いとして100%繋げることができる話ではないので、おじさん困ってます。
例えば、下記の部分についても、なんのこっちゃってなってしまう人が沢山ですよね。
線引きがあいまいになっている1つの要因として、色々なルールを設定している暗号通貨が沢山あるので定義が難しいという部分があると思っていまして、
例えば、先ほどビットコインとイーサリアムの例を挙げた時に、
と記載しました。イーサリアムは、イーサリアムのブロックチェーン上にあるのですが、イーサリアムのブロックチェーン上には他の暗号通貨と同等の特性をもったコインも存在しつつ、それもトークンと呼ばれていたりもします。BATや、Tether、USDCなどがそうです。
ただ、ここを掘り下げると、「イーサリアムの…ブロックチェーン…?」っていう感じで拒絶反応が出てしまう方がいそうなので、ざっくりとしたおじさんの見解をちょっと書いていきますね。
おじさんとしては、
という感じでイメージしても良いのではないかと感じています。
もうちょっと具体例があった方が分かりやすいかもなので、今年凄く日本でも流行ったSTEPNを例に考えてみましょう。
STEPNを始めるには、仮想通貨のSolanaを買う必要があります。
Solanaは、Solanaブロックチェーン上にある暗号通貨です。
また、STEPNには2つのトークンがあります。
GMTとGSTです。
表記のまま引用すれば、GMTはガバナンストークンで、GSTはユーティリティトークンです。(ガバナンスは”色々決めていくよ”みたいな意味で、ユーティリティは”これができるよ”みたいな意味です)
不動産の例えで、不動産を購入したら住む事もできるし、賃貸に出すこともできるし、売ることもできると言いましたが、GMT・GSTもできる事があります。
GMTは、民主政治のように、STEPNの運営に関わる意志決定に投票し参加することが出来ます。換金も出来ます。
GSTは、ゲーム内においてレベルアップに使ったり、色んな用途があります。これも換金出来ます。
何故全てまとめて1つにしないかというと、個人的な見解ですが、
「円」の通貨について話をしたように、「流通量」や「価値の変動」という部分のリスクを解消する為に、それぞれに最適化した暗号通貨やトークンを切り分けたのだと考えています。(GMTもGSTも設計が違うし、やれることも違うし、発行量なども違います。)
なので、ここまでの話としては、
みたいなイメージなのかなと思います。
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今回のプレスリリースを理解してみようのコーナー
一度冒頭から今までの話をおさらいしておくと、
まず通貨っていうものがあって、
みたいな感じでした。
そして、日本人になじみのある「円」で言えば、
という状況だった所に、
という「非中央集権マインド」が登場して、色んな暗号通貨やらが乱立したものの、
という課題や問題があって、
というのが今、みたいな認識です。
以上を踏まえて、冒頭に言及したピッコマさんのサクラエクスチェンジビットコインさんの件だったり、KAKAOさんのクレイトンだったりの説明もしていきたいのですが、多分皆さんが一番気になっているSkebさんの件について、このnoteでは深堀りしていこうと思います。(文字数のせいもある)
Skebさんのプレスリリースを引用すると、
という記載がありますね。
ここが、本プロジェクトにおいて解決したい目的の1つのようです。
表現規制についての議論は非常にセンシティブで、クリエイターさんにとっても非常に重要なトピックだと思います。
決済手段が海外のクレジットカード会社などに依存してしまうと、コンテンツの内容によって海外企業の独断で勝手に決済できなくなっちゃう可能性があるから、自分らで管理・運用できる暗号通貨を作って、決済サービスと紐づけたりしていこうっていう話だと理解してます。
まさに、先述した「非中央集権」的なマインドですね。はい。
また、リリースの他の部分も見ていきますが、
という記載がありますね。ここをちょっと深堀りしていきましょう。
(読み間違えていなければ)ネイティブ暗号通貨ではなくてユーティリティトークンなので、イーサリアムとかどこかしらのブロックチェーンの上に「Skeb Coin」っていうトークンを作りますという感じだと思います。(まあここはほとんどのクリエイターさんにとって主題ではないのでスルーで大丈夫です)
Skeb Coinは、円などの通貨でも買うことができて、逆にSkeb Coinから円などの通貨に換金もできるようにするというスキームだと認識しています。
さらに、IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を予定されているという事なので、IEOについて少し解説しますと、
という感じです。取引所はZaifさんでのIEOという事ですね。
要するにIEOは、すごいざっくり言うと、お金を集めますっていうことです。
流れとしては、Skeb Coinにインセンティブを付けて売るっていう募集をかけます。それで、買おうか検討する投資家の人たちは、ホワイトペーパーっていう「Skeb Coinではこんなことが出来るよ」っていう説明資料みたいなものを見たりして、買うか判断するという感じです。
日本で初めてのIEOは、ハッシュパレットさんがコインチェックさん経由で行っています。小学館の漫画アプリ「マンガワン」などを開発・運用しているLink-U社も共同で携わっていたりします。
目的としていた調達額「9億3150万円」が、開始わずか6分で集まるなど、非常に話題になり、国内最初の事例として、(今のところは)大成功という評価も受けていたりします。
IEOをするにあたって、先述したようにホワイトペーパーという資料というかプロジェクトの内容解説みたいなものをリリースすることになるので、ハッシュパレットさんも同様にホワイトペーパーをリリースされています。
ですので、SkebさんはIEOを今年の9月に予定されているとの事なので、近々Skeb Coinのホワイトペーパーがリリースされると思います。
また、今回のプレスリリースをそのまま引用すれば、
という感じみたいですね。集めたお金はSkebに使いますという。
IEOで集める目標金額はまだ明らかになっていないですが、他社さんのIEOの規模で考えれば、何億円とか何十億円とかのお金を集めて、という感じかなと思います。
詐欺とかも多いので、調達金額の具体的な使い道だったり、内部的な部分はオープンにするケースもありますが、Skebさんの場合はまだ公言されていないですね。
また、他の部分も見てみましょう。
という箇所がありますね。
ちょっと決済とかの話を暗号通貨やトークンの場合に置き換えて解説していきますね。
まず「円」においてですが、同じ例を出せば、
という感じでした。
そこから、不動産を買う選択肢を選んだとします。そうすると、
という感じになってましたね。
不動産ではなく、Skeb Coinを選択した場合はどうなるでしょうか。
という感じになると理解してます。
これは使う側の視点なので、クリエイターさん側の視点で見てみましょう。
という感じです。
Skeb Coinで支払われたら、クリエイターさんはSkeb Coinで受け取りなの??という方もいると思うのですが、今回はIEOだけでなくZaif Paymentでの決済も対応されるということだったので、下記の図のようになるイメージです。(まだリリース前なので、あくまで予定ですが)
なので、クレジットカードで払ってもらっても、Skeb Coinで払ってもらっても、クリエイターさんは「円」で受け取れると考えてます。(ウォレット持ってる人はそのままという気もする)
ざっくりサービスのイメージはつかめそうでしょうか。
ちょっとまとめますと、事の発端は、
という事があって、それを解決する為に、
という考えで色々やって、Skeb Coinをどこかのブロックチェーンの上にユーティリティトークンとして作る感じになり、
使うとしたらこんな感じで、
クリエイターさんとしてはこんな感じで、
という話になってました。
ここからは、中盤に解説した「暗号通貨」やらが抱える問題点などを踏まえて見てみましょう。
はい。主に上記の内容でした。
■多くの暗号通貨はボラティリティが大きく、それに起因して色々なリスクが生じてしまっているケースがある
ボラティリティが大きいという所については、簡単にいえば100円でおにぎりが1個買えていたのに、明日になったら300万円でおにぎり1個しか買えなくなっちゃうかもみたいな、通貨の価値の変動性についての話でしたね。
Skeb Coinさんの場合はどうでしょう。
当然ながら、取引所で売買されるユーティリティトークンなので、同様の問題はあります。
Skeb Coinを1億円分購入して、Skebでクリエイターさんに依頼しようとしたら、日本円だと100円の価値になっちゃったみたいな可能性も0ではないです。逆に、1億円分のSkeb Coinを持っていたけど、すごい価値が上がって10億円分くらいになる可能性も0ではないです。
■投機的な対象としての見え方が強くなってしまう事で、詐欺や損害を被ってしまう人も増えている
例えば、1億円分のSkeb Coinを買ったとして、値段が上がっていたらどうしますか。そのままSkebなどに使わず持っていて、ある程度値段が上がったら換金する方もいそうですね。
そうすると、「サービスに使う需要<投機的な需要」という形になってしまう可能性も0ではありません。
Skeb Coinのボラティリティが小さければ、安定してサービスに使うという流れも出てくる可能性はありますが、多くの暗号通貨やトークンにおいて、ボラティリティが大きいという問題は今も大きいものです。
■ハッキング等による流失もまだまだ起きている状況で、そういったリスクの解決が課題
プレスリリースの情報をそのまま読むと、「円」などから「Skeb Coin」を購入しようとすると、Zaifさんで口座を開設して円を送金してSkeb Coinを購入する必要があります。
批判するつもりはないですが、事実としてZaifさんは、過去にお金が流失してしまうという事がありました。
先ほどのハッシュパレットさんのIEOではコインチェックさん経由でしたが、コインチェックさんもハッキングにより流出してしまった事実があります。
ですので、こういった課題というのは現状もまだまだ存在しているという上で、暗号通貨やトークンの使用については考えた方がよいかなと思います。
という感じで、プレスリリースがあった「Skeb Coin」について色々と書いてきたわけですが、
ちょっと疑問に思った人はいないでしょうか。
「クレジットカード決済だけに依存しないということの解決であれば、Skeb Coinだけじゃなくて、ビットコインとか他の暗号通貨での決済もできるようにすればよいのでは?」
みたいな。
事実として、名だたる大手企業などもビットコインでの決済を導入したり一時中断したりという事は行われています。
もっと言えば、ビットコインを法定通貨にする国も出ています。
中盤に、ベネズエラの通貨崩壊の話に言及しましたが、「円」はありがたいことに短期変動のボラティリティが小さい通貨でここまで来ているので、多くの人にとっては「明日、100円のおにぎりが100万円になったらどうしよう」っていう心配をしないで済んでいると思います。
しかし、発展途上国であったり、一部の国はそうでない状況だったりもするので、自分たちの国の通貨よりもビットコインの方がいいじゃんっていう国もあるという状況だと理解してます。
さて、Skeb Coinの方に話を戻すと、「表現規制の問題解決」という部分だけを見れば、ビットコインを含む他の暗号通貨での決済を導入するという選択肢もあったと思います。
また、ビットコインに比べて、ボラティリティを小さくしようという目的で運用されている暗号通貨(ステーブルコインなど)も一部あるので、先述のボラティリティの問題を解決する手段としても検討する価値はあると思います。
では、何故今回、Skeb Coinという独自のユーティリティトークンを作るという判断をしたのかという部分についてですが、詳細はホワイトペーパーなどを見てみないと分からない部分もあるものの、ちょっとおじさんの個人的な見解を書いていきますね。
ここは、客観的な意見とかではなくて、おじさんの意見です。(大事なので2回言いました)
この辺りな気がします。
トークンの設計については、STEPNの解説もしましたが、Solanaブロックチェーンの上にネイティブ暗号通貨のSolanaだけでなくGMTやGSTなどもありましたよね。
トークンには、不動産が「住む事もできる、賃貸に出す事もできる、売却して円とかにする事もできる」という不動産ならではの良さがありましたが、
GMTやGSTなどにおいても、それぞれのトークン独自の特徴があったり発行量であったり、ハンドリングしようとすることが出来ます。
なので、簡単に言えば、頑張ったらいい感じにできるかもしれないので、既存のビットコインとかじゃなくて、独自のユーティリティトークンを作るという判断をする事自体は、全然あると思います。
また、IEOによってまとまったお金を集めて、Skeb Coinで使えるサービスのSkebを事業拡大や拡張するという事も、会社としての目的は理解できます。(賛同するかは別として)
3つ目のエアドロップという部分ですが、Skeb Coinのプレスリリースを引用しますと、
という記載もありますね。
エアドロップの目的は各プロジェクト毎に色々とありますが、今回のケースで考えれば、導入のブーストだと思います。
どういう事かというと、Skeb Coinを使ってSkebのサービスを使おうとすると、Zaifさんで口座を開設しないといけないです。面倒です。
なので、そのハードルを越える為に、ざっくり言えば「お金もらえるから」というインセンティブを付けて、口座開設してね、Skeb Coin買ってね使ってね、という後押しに使おうという感じかなと思います。
ビットコインとかにすると、勝手にエアドロップとかは資金が必要になるので現実的にはならないですが、自分たちでどうこうできる独自のユーティリティトークンであれば、最初の資金など準備しなしでエアドロップができます。
同領域のサービス等では沢山活用されている手法なので、まあそんな感じかなと思います。
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さいごに
最後に、ちょっと余談になりますが、おじさん個人としては、
という領域を今頑張ってやっている所もあるのですが、Skebさんがどこまでロードマップを描いているかは別として、
特にトークノミクスという部分については、日本だけでなく世界中のクリエイティブを根本から変えていくようなインパクトを持っていると感じているので、
トークノミクスって何?っていう所はあると思うのですが、これは凄く長くなるので、また別のnoteで色々と書いていきたいと思います。
今回のnoteは、2万文字を超えてしまいました。辛い。
ただ、流行りのWeb3であったり、DAOであったり、ブロックチェーンであったり、トークノミクスであったり、これからさらに頻繁に耳にしたり、関わっていく世の中になっていくとは思いますので、このnoteをキッカケに色々と調べてみようかなという人が1人でもいてくれると、おじさんは嬉しいです。
それでは、今回はここまでで終わります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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今回のnoteについては、非常に誤解がないかなどリサーチもしつつ書いたのですが、やはり定義が定まっていない部分が多い領域であったりもしますし、英語でのキャッチアップが求められる部分もあり、少しばかり懸念があります。
知見のある方で、ここは間違っているなどのご意見がございましたら、コメント等頂けましたら随時修正と、この下に修正履歴等は適宜残してアナウンスしていこうと考えておりますので、お手数ですがご意見賜れましたら幸いです。
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