たまには日記でも 20230806 中学校の国語教師

 小中学校の恩師で印象に残っている人はどの程度いるだろうか。
 私の記憶力がいびつだからか、正直あまり覚えていない。また、地方の公立小学校中学校の授業は教科書読めばわかる内容であるので暇を持て余していて、授業を真剣に聞いていなかった部分はある。円周率は授業中に覚えたタイプの人間であった。

 そのような中で、担任でもないのに記憶に残っているのが中学校の国語教師である。
 約20年前の公教育でパソコン室を使った授業をする先生で、今思い返しても先進的なことに果敢にチャレンジしていたと思う。

 国語の授業の最初に毎回タイピングソフトを用いたタイピング練習の時間を設けられていた。
 先生が話していたのは、「今後どのようなスキルが必要な社会になるかは予想はつかないが、おそらくタイピング技術は必須スキルだと思っているので、練習しておいた方が良い」
 なかなかの慧眼である。当時は携帯を持つのは高校生くらいから、スマホは登場すらしていない時代。20年経った現在もタイピングは必須スキル。音声認識はずいぶん進化したとはいえ、推敲された文章の作成や、誤記を直そうと考えるとまだまだタイピングに分があると思う。  
 師の教えに従い、ぼちぼちタイピングを練習したので、今私はetypingのスコアは300くらい。それなりには速いので間違いなくタイピングスキルが仕事に生きていると感じている。

 そもそもパソコンを国語の授業で何に使うのか、について。掲示板で感想を言い合う場を作っていたのである。国語の授業で教科書を読み、皆の前で感想を言うのは反抗期の生徒はなかなかやらないと思う。内申点が欲しい真面目な生徒だけである。かと言って、文で書かせて提出してまとめるのも難しい。まとめる手間もあるし、他人の感想へのリアクションもできない。
 掲示板で感想を提出して、各々が各々の感想に対するコメントを書かせれば相互にコミュニケーションが取れる。数人の真面目な生徒が挙手して感想を伝えるだけ、ということもなくなる。なかなか面白い取り組みだったなと今振り返っても思う。

 詩の授業も、委細までは覚えていないが、明らかに指導要領を読み上げるのみではないと感じた。あまりに解釈を教えないので、期末テスト直前になって「あまり詩をそのように取り扱いたくはないが、みなさんからの要望が多いのでテスト用の授業やります」と、ようやく指導要領の解釈を伝える授業を始めた始末である。それでいて内容はわかりやすかった。いや、やる気ないのにわかりやすいのかよ。

 そんな恩師を元気かしらと名前をググったら(苗字は少し珍しい)普通に3年くらい前の写真が出てきた。元気であることが嬉しく、懐かしいなと次第である。

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