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愛媛は北条から、夏休みのイデアをお届けするインスタ「はま」ができました。

 スーツケースにお土産を詰めて、友人との再会の予定を詰めて、小倉から松山まで船で7時間。松山から、車で海沿いを走ること30分くらいで帰り着くあの見慣れた漁師町のことを、私たちはいつからだか、どうしてだか「はま」と呼ぶ。海と山に囲まれた暖かな自然は、確かにこのまちの暮らしの中心ではあるけれど、家の前におすそわけ置いてくれるとか、隣町までヒッチハイクで連れて行ってくれるだとか、田舎が想起させる暖かさをここで暮らす人々に求めてはいけない。そこにあるのはただ、変わりゆく時代と変わらないはまのコントラスト。帰省する前に、Dデザイントラベルの愛媛版を眺めていて思ったことには、「帰る」ではなく「行く」という視点に立って故郷をながめると、いろんなものに気づかされる。北条のまちを描いた1枚の絵があったとして、自分がその絵の中にいては一生分からないけれど、フレームを飛び出して、額装された北条を見た時に初めて、その絵が上手いも下手も、美しいかそうでもないかも判断できるようになるのだと思う。


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 表紙から最後のページまで、一貫して象徴的にその地域を捉えるDデザイントラベルは、編集者自身が各エリアを訪れた時の肌感を添えて名所を丁寧におさえている。まずは中予エリアから。中心市街地に始まり、道後の歴史、三津浜のカフェ、ときて、今か今かと北条が出てくるのを楽しみに読み進めると、次の見出しは今治だった。三津浜と今治の間の十数駅に何も触れられず、話題は今治タオルに。諦めのつかない私は、もう一度今度は裏表紙からめくり、くまなく探せど、北条はおろか周辺諸島の文字を見つけることもできない。と、ここまでに至って気づいた。

「そういえば北条って、観光ガイドに載るようなコンテンツあったっけ?」

しかも、時代を牽引するクリエイティブをもってして、思わず人に教えたくなるような魅力って。ああ、一つ見つけた。伊予絣の斜め左下に小さく、北条鯛めし。

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 もちろん、地図に載っている各地各エリア、海水浴場やグルメを満遍なくカバーする観光ガイドがいつも正しいとは思わないし、Dデザイントラベルは、「これぞ魅力や!」とする地域のアイコンを情緒をもって紹介しているからこそ、尖りすぎず平たすぎず、ちょうどいい凹凸でみんなの手に馴染む。それでもやっぱり、丸ごと愛媛の話してます!という1冊の中に北条が載っていないと悲しくなる。生まれ故郷というだけで贔屓目に憂いているが、何も北条だけの話じゃない。よその県の見知らぬ町でも、ひいては地球上今この瞬間にも無数に行われている編集作業だ。ここまで書いて、小さいながらも地域の内と外に対して、情報を受発信する私にブーメランのように跳ね返ってくる。


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 とはいえネットの検索機能が進歩しても、地方がより注目されるようになっても、北条の魅力となる凸凹を見つけることって依然として難しい。その中で、つとめて満遍ない観光ガイドの解像度を高めるために何かできないか、と考えてみて、雑誌やwebメディアをどん、と打ち出すことばかりに気を取られていたけど、今は熱さえあればただで発信できる時代ってことをすっかり忘れていた。というわけで、インスタアカウント「PUBLISH HOUSE はま」 で、私が一番色濃く北条を感じられる場所を、私の角度とフィルターを持ってしてお届けすることにしました。コンセプトは「夏休みのイデア」。これは、広島県の鞆の浦愛に溢れた藤本さんの「ともに、鞆の浦」、大分県竹田のまちをいろんな角度から映し出す 「タケタチャンネル」に触発されたところが大きい。

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きっと誰もが、この海の青さの中に永遠で一瞬の夏休みを思い出す。時間とか、言葉とか、そんな概念をすっ飛ばした青い沈黙が、幸せも痛みも、何事もないようにさらっていく。波の泡のようにいつかはしゅわしゅわと無くなる、儚い風景を前にすると、あなたがあなたに、わたしがわたしに、自然と素直な気持ちで向き合える。

地面に突っ立ってるだけで勝手に巡り来る季節、文明に運ばれいつでも行きたい時に行けることが、実は当たり前じゃないって今になって思い出した人も多いのでは。いつか自由に息ができるようになる夏に、あなたの旅先の候補地の一つとして、瀬戸内の海に沿って広がるとある夏休みをせっせと切り取ろうと思います。フォローよろしくお願いします。

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