見出し画像

あさへの手紙。

おはようございます。
皆さん、お元気ですか?
今日は報告があります。

実は、8月12日にあさの魂が旅立ちました。
8月5日頃から急に左前足が動かなくなり、病院へ通う日が続いたのですが、
あっという間に起き上がれなくなり、10日くらい寝たきりとなりました。
おそらく先天的な脳の疾患があり、若いが故に進行が早かったんだと思います。
大きな病院でMRIなどの検査を受けるのも考えたのですが、日に日に弱っていくあさを見ていると、家で家族みんなで一緒に過ごす時間を大切にしました。

子育てから急に看病になり、僕も明香も限界ギリギリのところでやってましたが、伽椰がいてくれたおかげで、なんとか気を持ち直して看病出来ました。
最後の最後に、あさが息を引き取る時も僕と明香と伽椰の3人の腕の中で旅立ちました。それは本当に良かったと思います。

あさがいなくなってからは何もやる気が湧かず、ふとした時に涙が溢れる日々を送ってきました。今もそうです。
でも、お店も再開してお客さんと話したり、新しい出会いがあったり、日常生活に寄り添う事でなんとかバランスをとっています。

そんな中、29、30日と一人で八ヶ岳に行ってきました。
一人になって自分自身と、そしてあさの死と向き合いたかったのです。
昨日山から帰ってきて思うのは、やっと前向きになれたという事。
この山行は自分にとって本当に意義がありました。
また改めて日記に書きたいと思います。

SNSであさの死を報告するのを躊躇っていたのですが、ずっと森日記を書いてきて、この事を書かなくては前に進めないし、お客さんが来店してくれた時に伝えたいけれど忙しいと中々難しいので書くことにしました。

音楽家はこんな時に曲を作るかもしれない。
僕は文章で、これからもあさについて書いていきたい。

八ヶ岳は本沢温泉キャンプ場で、テントを張り夜を明かしました。
その時に、あさへ手紙を書きました。
少し長くなりますが、読んでもらえたら嬉しいです。
あさの生前、触れ合ってくれたみなさまに感謝します。

あさへ
あさ、今は何してるかな?
寝てるかな?それとも走ってるかな?
あさは、とうちゃんと初めて会った日のことを覚えてるかな?
とうちゃんは、はっきりと覚えてる。

高円寺にある戸川さんの家に会いに行った時、沢山のわんちゃんがいる中、
あさはうしろの方で控えめにしてたね。
みんなにおやつをあげる時も、決してがつがつせずにうしろで待ってたね。
とうちゃんは、そんな控えめで落ち着いているあさが大好きになったんだ。
その後、公園まで散歩に行ったね。あさの小さな身体のどこにこんな力があるんだ!ってくらい、引っ張る力が強くてとうちゃんは感動した。
一本のリードを通して伝わってくる、あさの生きる力に本当に感動した。
その日は面接だったから、あさとは一緒に帰れずに後日、戸川さんと一緒に家に来てくれたね。

忘れもしない。
2021年11月14日。
とうちゃんは落ち着かなくて「まだかな?まだかな?」と庭をウロウロしてた。
リードもハーネスもご飯も用意して「これで大丈夫かな?」って、心配しつつワクワクしてた。
こうやって書いてても涙が止まらない。
あかんね。とうちゃんしっかりしやな。
あさ、実はとうちゃん、今日はあさの大好きな山にいるよ。
いつかあさと一緒に来たかった八ヶ岳。
今日はじっくりと自分と向き合いたかったから一人で来たんだ。
でも、登り始めてから足元にあさの気配がして、一緒に歩いてる!って感じたよ。
途中、オーレン小屋から硫黄岳への登りの時に、ふとドッグランが出来上がって、初めてあさが入って、めちゃくちゃ嬉しそうに走り回ってる姿を思い出したら、
また涙が止まらなくて、泣きながら登ってたよ。
登りがきつくて泣いてるのか?悲しくて泣いてるのか?なんだかよくわかんなかったけど、その時「とうちゃん生きろ!しっかり!」って聞こえた気がして、なんとか山頂まで行けた。

あさには感謝しかないんだ。
星の数ほどある命の中で、あさと出会えて10ヶ月という期間限定だったけど、
家族になれて本当にありがとう。

かわいい、かわいい、あさ。
何をしててもかわいかった。
ご飯食べる時も。
なでて!って仰向けになる時も。
走って2階に上がって来る時も。
窓から外を見て吠える時も。
猪苗代湖で初めてソフトクリームを食べて「何これ!チョー美味しい!」って言った時も。
前足を組んで座るところも。
とうちゃんが仕事から家に帰った時にウレションする時も。
上手におしっこして、「おやつちょうだい!」って言う時も。
散歩してて急に走り出す時も。
ドッグランでジャンプして体当たりして来る時も。
かあちゃんに「ご飯できた?」って顔する時も。
アウトレットに行った時に「自分でハーネス選びたい!」って言った時も。
伽椰と一緒に昼寝してる時も。
とうちゃんがパン焼いてる時に、かあちゃんと来て「何かたべたい!」って言う時も。
身体が動かなくなって寝たきりになったけど、マッサージしてたら喜んでくれた時も。
とにかく、とうちゃんはあさの全てを愛していた。
犬とか人間とか関係なく。

8月5日頃急に「とうちゃん、なんだかおかしいよ、変だよ」って教えてくれたね。それから病院にすぐに行って、通うようになったけど、あさは若い分進行が早かった。
よく頭が真っ白になるって言うけど、とうちゃんはその時真っ黒になったよ。
現実なのか、何なのか。全く受け入れられなかった。
日に日に弱っていくあさを見て、もし神様がいるとしたら、呪ってやる!ってくらい、何もかも壊れそうになった。
一人でトイレに入ってしゃがむと、もう2度と立てないかもって思った。
でもあさはその時も食欲だけはいっぱいあって、とうちゃん尊敬した。
さすが飲食店の娘やな!
必死で食べる姿を見て「あさは、まだ生きてる!しっかりしやなあかん!」と、何度も励ましてもらった。
一人ではどうにもならへん事も、明香と伽椰がいてくれるおかげで、なんとか立ち直って看病に集中する事が出来た。
その時、家族が本当に一つになった。
それもこれもあさのおかげやねん。

今思うと、あさは自分の命の時間を知ってたかな?
あさが来てから、とうちゃんも明香も伽椰もとにかく「あさ、あさ」で、あさも家族皆んなでいる時間を一番望んでたし、大切にしてたよね。
どこに行くのも一緒やったね。
山にも沢山登った。
海にも沢山行った。
とうちゃんは今まで生きてきた中で一番幸せな時間やってん。
この10ヶ月は。
かあちゃんと最近話すのは「なんだか、皆んなで同じ夢を見てたみたい」って。
ほんまにそんな感じ。不思議やわ。
伽椰は、あさが「流れ星みたい」って。
的を得てるよね。サッと来て、サッと旅立って行った。
そう言えば、あさとの散歩の時、流れ星いっぱい見たな。
蛍も見たな。

「ああしとけば良かった」って言うのは、とうちゃん全くないねん。
それくらい、毎日が楽しかったし、あさはとうちゃんの生き甲斐やった。
今は心にドーナみたいな穴がある感じ。

こんなに誰かを心から愛おしいって思ったことは生まれて初めてやねん。
その分つらいし、悲しいし、寂しい。
でもそうばっかりは言ってられへんよね。

あさが息を引き取る時に、明香と伽椰と見送れたのが本当に良かった。
あんな体験は2度とないと思う。
身体から魂がぬける瞬間。
身体は着ぐるみじゃないけど、ほんまに乗り物やん!って。
だから、今までよりもっと、魂の存在を感じるし信じられる。
目に見えてる世界なんて、たかが知れてるよね。

あさは大いなる環の中に還っていったってのが、頭ではなく、とうちゃんの魂がそう感じてる。

朝の太陽の光の中に、心地よい風の中に、月の灯りの中に。
どこにいても、何をしててもあさを感じられる。

あさが旅立つ時に約束したもんね。
また帰っておいでよって。
あさの家はここだよって。
とうちゃん、ドッグラン綺麗にして待ってるよ。
いつでも走りにおいで。
寂しくなったら、とうちゃんを呼んで。
布団の中に来て。
寄り添って、くっついて、あったかくして一緒に寝よ。
あさ、あさ、大好きだよ。
絶対にまた会おうね。

あさの大きな目が大好き。
甘栗みたいな鼻が大好き。
ゴムパッキンみたいな唇が大好き。
長い手足が大好き。
ピョンとしてる耳が大好き。
肉球も、尻尾も、ひげも、とにかく全部大好き。
おつかれさま。
ほんまに今までありがとう。
ずっと、ずーっと大好きやからね。
あさ、会いたいよ。

あさのソウルメイトのとうちゃんより。

追伸
あさはおやつの時にパンだけは自分のソファに持っていって、
ゆっくりと味わって食べてたね。
とうちゃん、嬉しかった。
とうちゃんの身体が動き続ける限り、パンは焼いていきたい。

もし神様がいるとしたら、今は感謝してる。
あさと会わせてくれてありがとう。

寝たきりになってからは、エルとサンとチャイもずっとそばにいてくれた。
あさと伽椰はいつもセット。
ドッグランでにて。
ゆっくり休んでね。