不安と「なんか違う」と転職
不安だった。
思えば、私は度々、今の状況に納得できなくて「なんか違う」と違和感を抱いていた。
初めは、高校1年生で入部した吹奏楽部。
中学の時は習い事として続けていたサックスを、部活ですることができる。
希望を抱いて入部したものの、現実はどこか違っていた。
毎日どこかしらで女子同士特有の陰口大会が披露され、嫌われたくない私はいつも笑顔で誰からも嫌われないよう尽くしていた。
そんな自分に嫌気がさして、人間関係の煩わしさが嫌で、部活を辞めた。
次が大学。
センター試験で大ゴケして、『東京の私立大学に行く!』と意気込んでいた私は、地元(地方)の国立大学に行くことになった。
国立大学と言うと聞こえがいいかもしれないが、所詮地方の大学。
納得いかない、でも家庭の都合で浪人もできない。
建築のことが学びたかったのに、入学した大学には建築学部がない。
親に頼んで、もともと志望していた大学の3年次編入試験を受けた。
セカンドスクールというものは想像以上に大変で、それでも入学した大学での単位も取りつつ試験勉強をした。
みんなが遊んで『人生の夏休み』なんて言われる大学生活を、私は勉強に捧げた。
結果、落ちた。
けれど、試験を受けるとなんだかスッキリして、結局私は入学した大学に4年間通って卒業した。
次が、まさに今。
建築の仕事に就きたいという高校生の時の夢を編入試験に失敗したあとも忘れていなかった私は、文系学生でも取得できるインテリアコーディネーターの試験に合格。
それだけを武器に、建築系の会社に就職した。
ただ、文系卒だから設計職は非現実的。
話すことが得意ではない私が、営業職として採用された。
「なんとかなるか」と思っていたが、現実はかなり厳しい。
話せない。お金の計算ばかりしなければいけない。リーダーシップのあるタイプじゃないのに、30歳年上のベテランの職人さんたちをまとめなければいけない。歴史のある会社だから、年功序列。
なんとかなりそうにない。
もっとインテリアにかかわる仕事がしたかった。
もっと感覚を養いたかった。
本当は低賃金で家賃も全負担で毎月毎月生活が苦しくて、周りの大卒社会人と比べると自分か惨めで、辛かった。
就活の時に採用がもらえなくて諦めた上京も実現させたかった。
『仕事ってやっぱり楽しいな』『やりがいがあるな』『もっとこの道を極めたい』と、前向きに生きたかった。
どんどん膨らんでいく「なんか違う」から、いい加減卒業しよう。
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