マガジンのカバー画像

35
小学生の頃から書き溜めている。恥ずかしがりたくないけどやっぱり少し恥ずかしいのカケラ
運営しているクリエイター

2019年12月の記事一覧

12月30日

ほんとうは、昨日も今日も明日も
何もそんなに変わりはしないけれど

なんとなく片付けたくなって
なんとなく友達に連絡したくなって
なんとなく年賀状を書いてみて
なんとなく掃除をしてみたり

その「なんとなく」の
冷たくて優しくてこじんまりとした
整えたい、と思う気持ちを
愛おしいなあと

トントントンと野菜を切る音が
四角の中に詰められて
まだ酸っぱいみかんは
こたつの上で待ち伏せしてて

これか

もっとみる

告白

負けたくないが
戦いたくない

お金がほしいが
苦労したくない

愛されたいが
傷つきたくない

うまくなりたいが
省きたくない

ふたつの間を
偏るでもなく
うまい具合に
楽しい具合に
縫い目をつないで
生きてはいけやしないだろうか

つまらない日常を
つまる日常に

ほんとうに単純な心で
遊んではいけやしないだろうか

賞賛だとか、名誉だとか
褒めてほしいだけの見かけの気持ちを
すっと胸にしま

もっとみる

おじさん

工事のおじさんと仲良くなった日に
別れ話をきりだされ

泣きたいトラウマを笑いだせたとき
大きな羽虫が横切った

そんな私のおとなりさん

回覧板を水溜りに落とした日に
知らないおばあちゃんに飴玉もらって

壊れたテレビが動き出したとき
もらったパンジーがしおれた

おとなりさんのそのおとなりさん

娘の晴れの結婚式の日に
目に飛び込んできた子犬を拾って

タクシーで時計を落としたとき

もっとみる

前夜の今年

シャンシャンしてない
いつもとおなじ、ただの夜

あれはいつだったっけか
インフルエンザの彼に
カルピスとみかんを持っていった前夜

なんにもない日は同じでも
あの日は特別にうつっていた

ぴかぴかしている
目だけを向けて
それらしい歌を一応きいてはみるけど

あーーー
なんにもない
どこにもいかない
おどらない

スーツケースの夜なのだ
どこにもいかないのになのだ
せっかくなら旅にでもいきたいの

もっとみる
無題

無題

くだる、くだる
坂道くだる
光もくだる 
海までくだる

傾くまちなみ
ぼとぼと浸かり
「トトトトト」の音
降り注ぐ

真っ逆さまにくだった先は
海の街のはじまりだ

およぐ、およぐ
波間を縫って
新しい仲間探してる

「ポポポポポ」の音
息継ぎ完了!

ぼくたちまだまだ
のぼるまで

鱈腹味わう
海の街

青白の先
海の街
#詩 #創作 #毎日note