良い環境は本当に良いの?

変な話ですけどね。

良い環境の「良い」が何を目指すのか、これが結構大事だと思われるかと。良い環境がそれを利用する人に良い影響を与えるとは限らないことを知っている人はどれぐらいいるのでしょうか。

ウエイトリフティング・クイックリフトの練習環境の話をしたいのでそちらに話を持って行きますが、どうやらこの競技の練習環境でみなさん口々に言うのが「バーベルを落とせる環境が良い環境」なのだそうです。

安全性とか高度な練習が出来るとかいろいろ言いますが、違う考え方をすると必ずしも良いとは言えない部分もいくつかあります。

まずは安全性。失敗しても安心して落とせるのは安全性の確保なのだそうですが、そもそも失敗して落としてしまう前提の練習が危ないのでは?

高度な練習というのは高重量を扱って練習することを指す様なのですが、失敗しても安心というのはある意味「失敗することが前提」と言う潜在意識の中で練習をするという見方も出来ます。しかしある科学的な研究統計データによると、失敗できない環境で練習した方が物事は上達するのだそうです。となると失敗出来ない環境で行う練習の方がその人の実になると思うのですが・・・

例外は世界で戦うトップアスリートですが、彼らにはそのような環境が必要になってくるでしょう。しかしそうではない国内レベルとか愛好家のレベルの方にそのような環境は本当に良い効果を与えるのでしょうか。

面白い話がありまして、ここ近年での数少ないウエイトリフティングのメダリストである有名女子M選手は、自宅の2階でも練習をするほどなのだそうですが、住居の2階なので絶対に落とせない、そんな中で落とさず練習をしていたそうです。あらら、本当に強い人は落とせない環境での練習もしっかり出来るじゃないですか。

さて話を少し変えまして、ウエイトリフティングをトレーニング種目としたクイックリフトトレーニングですが、これは落とす必要はありません。だってウエイトリフティング以外の競技の選手などが筋トレ種目として行う種目ですから、落とせない環境で行う可能性も十分高い。でもこのクイックリフトすら「落とせた方が良い」などと言う指導者がいるのだから驚きです。

クイックリフトの場合、失敗した時に落とせないと危険、という重量はトレーニングの理屈的にまずありえません。クイックリフトなのにそんな重量でやらせること自体が理屈を無視してる訳ですから。だから他の筋トレ種目のように(デッドリフトやスクワットのように)床にバーベルを落とさないで行うのがある意味正しい行い方ですね。

確かに落とせる環境はウエイトリフティングらしいのですが、良いことばかりでもないということは考えておかなくてはならないかも知れないですね。環境があなたを育てるのではないのでそこを勘違いしちゃならないかな~なんて思います。

そうそうウエイトリフティングの話に限って言えば、いくら良い環境で練習したとしても、大会の会場の方が悪い(環境)なんてことが良くありますので、そういう意味でウエイトリフティングは悪い環境でも慣れておいた方が良いというのはあるかも知れないですね(本当の話)。

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