見出し画像

『一羽の燕』

『一羽の燕』
一羽の燕が
柔らかな弧を描いて飛んでいる

時が来れば
燕はまた去っていく

私が燕を認識したように
燕は私を認識したのだろうか


燕も私も
「生きている」
それがいつか過去となり
「生きていた」となる

そうなった時
認識によって
確かに「生きていた」
存在していたんだと
この世界から居なくなっても
居たんだということが遺る

あぁ今しばらく
燕の舞を眺め
心に刻もう

いつか
この町の空に
この燕が生きていたことを
忘れないために

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?