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自然な欲で生きる

人は基本的に、何かの「欲」を満たすために動いていると思う。

食欲、睡眠欲、物欲、承認欲、性欲……いろいろな段階の欲が考えられる。最近自分のなかに圧倒的に欠けている欲を見つけてしまった。

それが「世の中を変えたい欲」である。

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なぜこんなことを思ったのかというと、やりたいことについてふと考えていた時に、そういえば一般的にはやりたいことを考える時、○○を良くしたいとか、○○を変えたいとか、○○を解決したいとか、格好よくて正義感の強い理由をよく聞くけれど、果たして自分はどうなんだろう?と考えたのがきっかけだった。

問題を見つけて解決することや、熱意を持って声をあげることはとても大切なことだろう。でもそれを自分がしたいのか?と言われるとそうでもない。

それは恐らく、自分がいまの世の中にある程度満足しているからだと思う。

もっとこうなればいいなあと考えることはなくはないけれど、結局最低限やることやってそれで満足してしまう。例えば選挙に行くとか、法律を守るとか、自然環境や労働環境に配慮された商品売買を行うとかね。

「世の中を変えたい欲」がないことは変なのだろうか。これは情けないことなのだろうか?と悩んだこともある。

戦後日本が急速に発展していった時代にこういうことを言うと、非国民として扱われたかもしれない。でも今は事情が違うように思える。国はとても発展したし、もう発展のしようがないくらい豊かになった。

じゃあ「世の中を変えたい欲」がない人は何をして生きていけばいいんだろう?と疑問に思った。社会で活躍している人はみんなこんなに正義感が強いのか?って。

でも少し考えたら違うことが分かった。

例えばフィギュアスケート選手の浅田真央ちゃんは、世の中を変えたくてスケートをやっていたわけではないでしょう。スケートに一生懸命打ち込んでいた結果、人を感動させることができたし、世の中に反響を与えることができた。

必ずしも分かりやすくて正義感の強い欲でなくても、その人が持っている「自然な欲」を活かして生きていくこと(もちろん自然な欲=正義感の強い欲のこともあるでしょう)。その結果社会に影響を与えることがあるかもしれないし、ないかもしれない。

息苦しくなく無理もない、自然な欲で生きていこう。

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「世の中を変えたい欲」がなくても、別の欲を活かしてやりたいことに打ち込めばいいと思う。

ちなみに今の自分に湧いている自然な欲は「今を維持して生きたい欲」。家があって、お風呂に入れて、布団があって、家族がいて、健康で。こんなありふれた今を維持したい、という欲がある。

もう梅の花がちらほら咲き始めた2月。梅の香りを感じながら考えたこと。

そのとき必要なことに必要な分だけ、ありがたく使わせていただきます。