
一目で名前と雰囲気がわかることを意識 / SKGロゴデザインの視点「chargeman」
連載「SKGロゴデザインの視点」では、ロゴデザインが生まれるまでのプロセスやアイディアを私たちが携わってきた事例と共に紹介しています。
SKGでは、「ブランド=人」と捉えています。人の「名前」がブランド名で、「顔」がロゴ。「信念(心)」はブランドコンセプトです。
▼ブランディングデザインの詳細については、こちらの記事をご参照ください
顔となるロゴは、ブランディングにおいてとても重要な意味を持ちます。その制作背景やロゴに込めたこだわり、ストーリーをお伝えすることで、SKGが大切にしていることや我々ならではのクリエイティビティを楽しんでいただければ嬉しいです。
プロダクトのロゴデザインでブランドイメージを再現
今回ご紹介するのは「chargeman(チャージマン)」のロゴデザインです。
チャージマンは、LEDライト付ポータブル蓄電池です。自転車の「ボトルゲージ」にぴったり入るサイズで、オプションであるジェネレーターと一緒に使うことで、自転車の車輪の回転力から充電できるユニークさを持ち合わせています。

依頼をいただいた時点で製品の開発はほぼ終わっており、製品とのバランスにも配慮しながらロゴマークを制作しました。
ロゴマークそのもののクオリティや大きさ一つで製品の印象はガラッと変わるため、製品デザインとの兼ね合いを考えることは、実はかなり重要です。
冒頭でも述べましたが、ロゴマークはブランドの「顔」となると考えています。
そのため、「顔」は受け手への印象に大きく作用します。シャープな製品に柔らかい印象のロゴが入ってくると、イメージのギャップが生まれたり、小さな製品に大きくロゴを入れると大胆な印象になるかもしれません。
一概に何を良しとするかはその都度ですが、製品を引き立たせるためには「顔」の入れ方も重要です。
可読性とモチーフのバランスを意識 / 制作したロゴマークへの想い

このロゴは、製品名にモチーフや想いを入れ込んだ事例です。“cha”の部分に充電していることを表すアイコンを入れ、バッテリーであることが分かりやすいようにデザインしました。
チャージマンは自転車の動力発電から充電できるという、他にはない特徴のアイテムです。しかし、あえてロゴに自転車のモチーフは取り入れていません。
チャージマンは太陽光での充電に対応していたり災害時にも役立ったりと、自転車以外での汎用性も広く持ち合わせているため、差別化された要素をカタチへ置き換えすぎると、魅力が正しく伝わらないと考えたからです。ロゴマークは、プロダクトを理解しやすくする役割も担っています。

チャージマンは、ロゴ制作の依頼を受けてヒアリングをする中で生まれた初期衝動(インスピレーション)によってほぼデザインが決まった例です。
お話を伺った後、すぐに手描きのラフ案を描いていたのですが、それが完成したロゴマークにかなり近いものでした。

以下は、初回提案時の状態です。

このときは製品の丸みから丸い字体で考えていました。
しかし、チャージマンという名前のユニークさやその名前に込めた想いをさらに聞くと、丸い雰囲気よりもヒーローのような頼れる雰囲気のほうが相応しいと思えたため、最終的なロゴマークにたどりつきました。
全体の印象を決めるときには「ヒアリングで抱いたイメージに合っているか?」と「届けたい人にロゴマークが似合うか?」について熟慮することを心がけています。
充電池アイコンに見えることと、文字としての可読性でバランスを取るのに四苦八苦しました。

・使用目的
→看板、名刺、プロダクトなど
・媒体
→紙、製品への直接プリント、立体造形
・背景色
→黒地に白、白地に黒、カラフル
など、線の太さや全体的な印象を決めるのに考えなくてはならないことは多くあります。
chargemanは「製品にプリントする」と使用目的とその大きさが明確かつ、プリントする製品のイメージも掴めていたためスムーズでしたが、汎用性の広いロゴマークを作るときは時間をかける必要があります。
展開のしやすさや、プロダクトの特徴を考えたデザインを / ロゴマーク別案
最後に、当初提案していた他のロゴマークもご紹介します。

SKG流ロゴデザインの視点👀
☑️製品の差別化ポイントをロゴに取り込むことが正解とは限らない
☑️製品の役割とタイポグラフィーを一体化させる
☑️小さくても遊び心を潜ませる
今後もSKG公式noteではデザインが身近になる制作エピソードや、デザインのコツをお伝えしていきます。
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