雄の生き方
こんにちは。
宇野です。
突然ですが、みなさんは『アイシールド21』という漫画をご存じでしょうか。
週刊少年ジャンプにて、2002年から2009年に渡って連載された、アメリカンフットボールを題材にした異色の漫画です。
僕が読み始めたのは小学4年生の頃。当時、アメフトのアの字も知らなかった僕ですが、ルールを知らなくても理解できる圧倒的な画力、そして個性的な登場人物に心惹かれていきました。
主人公の所属する泥門高校の選手は、みんな身体能力は並。スポーツ選手という観点で見ると並以下の選手ばかりです。
しかし、彼らは総合力で優れていなくとも、たった一点の圧倒的な強みを持っていました。その一芸で、全国の強豪の選手たちと渡り合っていくのです。
NFL(アメリカのプロリーグ)トップクラスのスピードをもつ主人公セナ。
圧倒的キャッチ力のモン太。
パワーと体重だけは超高校級の栗田。
それらをまとめるのは、身体能力は全て平均値だが、圧倒的な知識と思考を持つヒル魔。
個性豊かな登場人物たちが、自分の強みをフルに活かし、ギリギリの戦いを制していく、その展開はまさに少年の心を熱くさせます。
そんなアイシールド21からは、僕の人生を送るうえでたくさんのことを学ばせてもらいました。
その中で、特に印象に残る名言を今回紹介できればと思います。
それは本作の最終巻である第37巻に登場する言葉です。アメリカ代表との世界大会決勝戦直前。ヒル魔がセナに対し、アメリカの偉人の言葉だと紹介しながら伝えた言葉でした。(実際にはそんな人はおらず、ヒル魔がセナに伝えたかったことでした。)
「どんな凡庸な雄にも一つだけ許された権利がある
それは
群れのボスに戦いを挑むこと
君はその権利を
使って生きても
使わずに生きてもいい」
これに対し、セナは試合中に一人思い出しながら、自分なりの答えを出します。
「きっと一生超えられはしない
分かっててそれでも挑んで戦い続ける
それがアメリカンフットボールが教えてくれた世界─
自分で選んだ雄の生き方なんだ」
アイシールド21は作品全体を通じて、圧倒的な天才に対して、凡人が努力して戦いに挑む姿が描かれます。
ちびで非力で小心者のセナ、そのセナの唯一の才能。それがスピードでした。
ですがそのスピードもアメリカ代表の黒人選手に敗れてしまいます。
ですが、何度敗れても、セナは立ち上がり続けるのです。
それがアメリカンフットボールで学んだセナの「雄の生き方」
何度も何度も何度も。
何度チャレンジしてもまだ敵わない。
何度チャレンジしてもまだ叶わない。
それでも諦めずにチャレンジし続ける。
本作のクライマックスであるアメリカ戦終盤、セナはアメリカ代表のライバルであったパンサーに、一度だけ勝利します。それは必殺技を決めるとか、得点を奪うとか、そういった華々しい勝利ではありません。
しぶとく泥臭く、もぎ取った勝利でした。
何気ない一コマです。
ですが、そこにこの漫画のメッセージを感じずにはいられない熱い一コマなのです。
これからも、セナのように。しぶとくもがき、チャレンジしていく人生であり続けます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?