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転院withららぽーと
人生で転校を経験したことがありません。
いじめられっ子だったワタシは、転校出来たらいいな、と思うことはたくさんありましたが、考えてみたら転校した先でもきっといじめられたことでしょう。
無念。
そんなわけで、いきなり転院することになりました。
病院変わるなんて初めての経験。わお。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ホルモン療法が始まって数か月。
ある告白を執刀医からされた。
「あのー、すけっちさん、実は私、異動になるんです」
?
は?
異動??
「Bに新しい病院ができましてね、来月からそっちのブレストセンターの勤務になるんですけど、今後そっちに来てもらうことって、できます?」
でーーーーーたーーーーーーー!
This is the大学病院!
先生ご出世ですか!と聞いたら「いやそうでもないんですけど」みたいにはぐらかされた。
が、わーーーー白い巨塔みたああああああああい!
「財前教授の総回診です」かよ!←ミーハー
※実は田宮財前バージョンはおろか、唐沢財前バージョンでさえちゃんと見たことない。
いやまて落ち着け。
今いるAはチャリで行ける。
Bか…Bだと電車の乗り換えで1時間はかからないけど乗り換えがあるな…。
なんて瞬時に考えていると、
「もちろん今の病院で他の先生に引き継いで診察することは可能ですよ」
と付け加えてくれた。
が、
なんだろう、この信頼関係を崩すのは実際なんか違う気がする。
新しい先生か新しい病院か。
人間を選ぶか、移動距離を選ぶか。
この時点で、もはや診察は3か月に1度になっていた。
そして…Bにはあれがあるじゃん。
ららぽーと!!!!!!!!!!
「いや、先生に継続して診ていただきたいです。Bの病院通います」
…決め手がアホすぎる。
そんなわけで新しい病院への紹介状を書いてもらうことになった。
同じ先生が診るのに。
同じ先生が開封する(テイだけど)のに。
【宛名】
××大学B病院 乳腺外科
(執刀ドクター名)先生御机下
【差出人】
××大学A病院 乳腺外科
という紹介状を受け取り、マジ慣習感が強過ぎて笑う。
イミフ。
でもそういうもんなんだろうな。仕方ないか。
一般人にはわからない慣習。ギョーカイ用語みたいな。
診察が終わった後、ナースから「B病院の電話番号はこちらです。予約は1か月前から取れます」と軽く説明を受ける。
はー、ららぽーとか~。
お買い物楽しんじゃいそうだな~。
Bって、そういや近くにホームセンターもあるじゃん。
なんて夢が膨らみながら次の診察を待った。
新たな病院に予約を入れ、診察当日を迎えた。
以前は1~2時間もあれば診察が終わったので、午前休にしたり、午後からのシフト勤務にして調整でなんとかなっていた。
けれど、やはり地味にB病院は自宅からも会社からも遠く、午後休を取って通院することになった。
まあ、でも3か月に1回なので、仕事調整すればいい感じではある。
そして、やはりよこしまな気持ちが。
「診察終わったらららら~♪ららぽーーーーーーーー!ホーームセンターああああーーーー!!!」
遊んでるだけやん。
が、ワタシはこの時点で、このららぽーと人生は長く続くわけではないと、まったく予期していなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
考えてみたら、その後の人生で職を転々としたので、子供のころのフラストレーションが爆発していたのかもしれません。
でも病気したとき、ちゃんと定職にありついてたことで、いろいろ保険も下りました。
サラリーマンでよかったです。ありがたい。
フリーランスの方が病気をされた際のもろもろを伺うと、本当に頭が下がります。
※このころ、手術前後より診察の頻度が下がっているので、かなり話のペースが速いです。時系列にしているつもりなのですが、先生とのやり取りや説明など、うる覚えなことと、ある程度の脚色が入っております。
何かご自身のお体にご不安がある場合は、専門の医療機関に問い合わせることを、強くおすすめします。
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