日記#59 痛みのための入院、DAY1 & DAY2

2024/1/17

前回の日記からのおさらい :
痛みを拗らせた私は度々救急外来でお世話になった挙句木曜日の緩和ケア受診で痛みのコントロールを目的とした入院を行うことに。金土日を乗り切り迎えた月曜日、病棟入りした私は晴れて入院患者として予定では1週間を病院で過ごすことと相成ったのでございました。



今回の入院は主科である婦人科ではなく緩和ケア科での入院。ベッドのネームプレートには「心内」と書かれている。心療内科の略だと思われる。主治医はうみのいきもの先生。病棟は皮膚科とか形成外科とか脳外科の病棟。多分心療内科だから脳のことって感じでここなのかな?分からんけど婦人科病棟じゃないからメガネ先生や婦人科ナースさんたちとは会えない。残念。

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入院DAY:1


 11月末のゲムシタビンのための入院時には1人で入院したけど今回は母も一緒に来てもらった。木曜日に走ってまで病院に来てくれたこととか、金土日痛かった時に結構助けてくれたりしたことで今は母に対して気持ちが和らいでいるからだ。ずっとそれが続くかは分からない。長年に渡り色々あったからね。でも家族の中で和解の可能性が最もある人はやはり母だと思う。私を守りつつ苦しめたが、苦しめつつ守った人だ。母というのは複雑だ。母性にはいつも2つの側面があるから。慈しんで育む側面と、取り込んで殺す側面とが。私は母との適切な距離の取り方を学ぶべきなのかも知れない。

とにかく母に同伴してもらって病棟入りした。ひとりで寂しくなった時のためにうちのかわいいちゃんの写真とかAmazonで急遽購入したトイプードルのぬいぐるみに同行してもらっている。大人になるって、こういう、自分の寂しさを変に繕わなくても良くなることだとも思う。寂しいからぬいぐるみ持っていくんだよって、子供だったら逆に素直に言えない。

(ぬいぐるみのフレールくん。フランス語で兄弟って意味。今回の入院の大切なお供。)

 看護師さんのご挨拶と採血、薬剤師さんのお薬チェックを経て昼食。11月ぶりの入院食は美味。午後になって緩和ケアの皆さんがやってきた。

 木曜日にお世話になった看護師さんたち、そして新たな看護師さん。心理士Gさんはいらっしゃらなかったけどコロナに斃れたらしい。なんということだ。一刻も早い回復を祈る。新しくお会いした看護師さんにお腹を触られる。木曜日からずっと痛みを感じている左下腹部を押したり離したり。圧迫感はあったけど痛みはなかった。それを伝えると、血液検査の結果も踏まえて腸が破れてるとかそういう怖いことはなさそうと言われた。それは何より。そして痛みの記録をずっとつけているのでそれを見てもらったところ、分かりやすい管理能力あるねって言ってもらえた。へへん。でも痛みの記録用のノートがあるみたいなので、それも使ってみることにした。

 うちで預かっているワンちゃんとフレールくんのことが俎上にのぼる。ワンちゃんの写真はヘアサロンのサービスでハロウィン仕様。フレールくんはかわいいぬいぐるみって評判。新顔ナースさんは家にぬいぐるみたくさん持ってるらしい。しばしのご歓談と痛みの状況の伝達ののち、緩和ケア看護師さんたちはお帰りになった。

 それからうみのいきもの先生がいらして、改めて痛みの状況をお伝えする。金曜日は大丈夫だったけれど土日は結構しんどい時があって、日曜日は吐いてしまった。月曜日朝も痛かった。それらを洗いざらいお伝えしたところ、原因を確かめるため色々検査してもいいねってなった。この日はCTやることに。お馴染みの機械に寝そべって息を吸ったり止めたり吐いたりを2回ほどやって完了。病室に戻ったら優しいお姉さん看護師さんが痛み記録用のノート持ってきてくださった。看護師さんもワンちゃん派らしい。ワンちゃんがかわいい理由について、従順だから?って仰ってた。意外とSっ気あり…?

 



 夜になり痛みが悪化し出した。オキシコドンカプセルを朝夕食後に飲んでいるのだが、その切れ目がやばい模様。オキノームやトラマドールといった頓服痛み止めを服用しても痛み楽にならず。オキシコドンも飲んですぐには効かない。かなりの時間をメソメソして過ごした。4人部屋だけど他の人を気にしてる余裕とかなかったです。だって痛すぎる。寝る頃には治まったので、麻薬の副作用の眠気も手伝って朝までスヤスヤした。

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入院DAY:2


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 2日目の朝も結構な痛み。頓服効かねえ。待望の朝食を食べてオキシコドン飲んだけど痛み引かず。しくしくメソメソタイムののち堪りかねて看護師さん召喚。トラマドール飲むように言われてごくごく。でもしんどすぎ痛すぎ。そんなこんなで9時をすぎた頃キリスト先生来訪。やったね。でも痛くて喜んでるどころじゃなく芋虫のポーズで先生に痛みを伝える。明日になればもっと痛みマシになってくると先生。お薬調整緩和ケアの先生にしてもらうからって。それを切に願いまする。また来ますって言って先生はお帰りになった。キリスト先生はマラソンの補給ポイントのようなもの。次回の補給が待たれる。

 その後午前中に緩和ケアチームの皆さんが来て、うみのいきもの先生にお薬調整していただいた。オキシドコンとオキノームが増量。そして痛みに関してはステントのせいかも知れないけどそれは痛みを感じている左ではなく右側で、もっと詳しく痛みの原因をこの入院でさぐってもいいかもってことを、うみのいきもの先生からゆらゆらとお伝えされた。精神科のT先生からお話よく聞いてくれる先生だと聞いてたけど確かにそんな感じ。でもうみのいきもの先生も本当に独特なノリだ。私の着ている服を褒めてくれたりぬいぐるみのフレールくんをかわいいと言ってくれたり、どことなく性別が曖昧な人のような雰囲気がある。フレールくんを守り神って感じですかね?と言われたのでまあそんな感じですって申し上げたら笑ってた。それから看護師さんからレスキュー飲むタイミングを教えてもらって緩和ケアチームの皆さんは帰還なされた。

 その後は特にやることもなくお昼ご飯食べたり院内徘徊したりおやつ買って食べたり晩御飯食べたり漫画読んだり読書したりシャワー浴びたりストーマ交換したりして過ごした。夜すぐには寝付けなかったので人のいない院内を散歩しながら物思いに耽った。


 痛みが減ると、却って色々なことを考えてしまうようになった。自分が枯れて実のならない植物になったような気がしたり、今していることや今後の抗がん剤治療も華々しい負け戦に過ぎないように感じられたりする。そんなのナンセンスだとも思う。どちらの気持ちも私の中にある。夜誰もいない病院の外来エリアをうろうろして思うのは、ここには誰も私を傷つける人はいない、ということだ。宗教は分からないけど病院は私の教会。キリスト先生もいるしね。ともかく私は死ぬまでは生きるし、今は今やることをやる、それだけだね。

 この日記もこの辺で終了。今は入院3日目に突入したところなのでまた追々今日のことも日記に書くつもり。とにかく今回読んでくれたあなた、ありがとう。良かったらまた私の入院生活っぷりを覗きに来てくださいね。

それでは願わくばまた、別の日記で👋

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