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「人工知能ブームの終焉」は本当なのか?

2018年10月11日に米国の調査会社ガートナーの子会社ガートナー ジャパン株式会社から「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」が発表されました。内容を見てみるとモノのインターネット(IoT)が幻滅期に、人工知能が過度な期待のピーク期の終盤〜幻滅期のほんの手前まで来ています。

© 2018 Gartner, Inc.

引用: 

https://www.gartner.co.jp/press/pdf/pr20181011-01.pdf

このことについて最近Twitterで注目を集めているマスクド・アナライズさんが皮肉を交えながら呟いています。 ※マスクド・アナライズさんは、AI(人工知能)・IoT・機械学習・データ分析のベンチャーで働いておられる方のようで、昨今の日本における人工知能業界を取り巻く裏側の部分を皮肉を交えながら面白おかしく赤裸々に語っています。

https://twitter.com/maskedanl/status/1053124255305543682

実は、昨年、名古屋で開催された人工知能学会へ企業出展されていたある大企業の方と話していて面白いなと思ったことがあります。彼は、「日本は人工知能ブームは2年くらい遅れてやって来たけれども、一度ブームとなるとものすごい勢いで殺到する。人工知能のことがよくわからないお客様からの問い合わせがすごい件数来ている。2年で体制が4倍になる予定だ」とおっしゃっていました。

© pegarainc1

2017年という年は、日本の人工知能ブームがまさにやって来たというにふさわしい年でした。名古屋で開催された日本人工知能学会全国大会の聴講者数が一気に膨らんだのです。この動きに合わせるようにとんでもない問い合わせがシステム大手各社、人工知能ベンチャーへ流れ込んだようです。

一方で、2018年の人工知能学会全国大会の来場者数はかろうじて2017年の来場者数を更新したと言われていますが、実は昨年度対比で微増でした。開催された場所が鹿児島ということも影響しているかもしれませんが微増というのには驚きました。昨年対比1.5倍程度の来場があってもおかしくないと考えていたからです。

では、本当に人工知能ブームは終焉するのでしょうか?

私は、「弊社的にも全体の問い合わせ件数は減りましたが、ちゃんとした客は多少増えたような気がします。」というマスクド・アナライズさんの言葉の通りだと考えています。過度な期待、できもしないことを人工知能へ期待するフェーズは終わったと考えるのが健全でしょう。何ができて、何ができないのか、その検証が終わり、これから正常な社会実装が進むフェーズです。

これから人工知能が内包されたプロダクトとしてどんどん世の中へ出てくるでしょう。その良い例が日本を代表する人工知能ベンチャーであるプリファード・ネットワークスがCEATECで発表した製品です。人工知能の技術は様々な課題を解決してくれる製品に組み込まれて初めて人々の暮らしを豊かにしてくれるものです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36501330V11C18A0XY0000/

https://www.preferred-networks.jp/ja/news/pr20181011

上述の通り、お祭り騒ぎの人工知能ブームは終焉します。しかし、悲観すべきことではありません。弊社の顧客動向を伺っている限り、来年〜再来年にかけてDeepLearningのR&Dにより培われたノウハウを活用した製品がどんどんリリースされていくでしょう。くれぐれも人工知能に失望したからと行って目を離してはなりませんよ。

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https://twitter.com/maskedanl/status/994781745768787968?ref_src=twsrc^tfw|twcamp^tweetembed|twterm^994781745768787968&ref_url=https://note.mu/maskedanl/archives/2018

https://note.mu/maskedanl

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