百度(バイドゥ)の乳癌検出アルゴリズムは人間の精度を上回る

Twitterで話題になっているものの、日本のメディアでは取り扱いが無いようなので掲載。

端的に言えば、中国のIT大手企業である百度リサーチが構築した乳がん検出を目的としたDeep Learningの画像診断アルゴリズムが、人間の診断精度の平均を超えたというニュースである。この手のニュースはよくあるし、Google AI Researchが昨年発表した癌検出アルゴリズムは更に高い精度だという。

しかし、私がこのニュースをピックアップしたのは、このアルゴリズムがオープンソースとして開かれているという点である。それもApache License 2.0と呼ばれる最も縛りの弱いオープンソースライセンスで公開している。「オープンソースとして開発することにより、医療研究コミュニティや医療業界全体に有益である」とある。また、乳がん検出以外にも使えるようだ。

https://venturebeat.com/2018/06/18/baidu-researchs-breast-cancer-detection-algorithm-outperforms-human-pathologists/

実は百度がオープンソースで提供しているのはこれだけでは無い。自動運転のためのプログラムもApolloという名称でオープンソースとして公開している。こちらも同様にApache License 2.0である。パートナーの一覧を見てみるとHONDAやFORDを含むとても豪華な面々が並んでいる。

しかし、腑に落ちない。どちらも多額の投資が必要な研究領域である。また、オープンソースである限り支出はあれど実入りはほとんどないはずだ。それにも関わらずオープンソースライセンスで提供することにどのような狙いがあるのだろう。頭の良い人たちの考えることである。邪推であれば良いが、どうも裏があるようで気になって仕方がない。

http://apollo.auto/

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