見出し画像

授業開きですること①    自己紹介、チョークの色

はじめに

 学校は4月に新学期が始まります。生徒たちと初めて顔を合わせる瞬間は、教員としてどれだけ年月が経過しても緊張感があります。初めての授業で私が必ず行っていたことを紹介します。

自己紹介

 最初に、生徒一人一人に自己紹介をしてもらいます。生徒はすべての教科(9教科)と学級開きで行うので、「またか」と思っているようですが、しょうがないですね。儀式的なものだと思います。
 「名前」「理科が好きか嫌いか」「その他」について話してもらいます。生徒の自己紹介での態度や話し方から生徒の普段の様子を感じ取ることができます。
 生徒たちが自己紹介を終えたら、私自身が自己紹介し、その後に授業について説明します。

黒板とチョークの色

 最近はタブレットや大型モニター、電子黒板を使っての授業も見られるようになってきました。また、黒板の代わりにホワイトボードを使っている学校もあるかもしれません。しかし、多くの学校は黒板が教室の前面にあると思います。そして、ほとんどの先生方は「黒板」と「チョーク」で授業を行っていると思います。

 チョークの色について生徒に説明していますか?

 当たり前のように白いチョークを使い板書しているのではないでしょうか。なぜ、白いチョークを使うのですか。疑問に思った先生はいますか。当たり前のことをきちんと説明することが大切です。生徒の目線で捉えた授業づくりにもつながります。

次のような授業を行いました。

 黒板に白いチョークで「しろ」、赤いチョークで「あか」、黄色いチョークで「きいろ」、青いチョークで「あお」と書きます。

先生:一番目立つ色は何ですか。手をあげましょう。
 数秒考える時間を与えて、手をあげさせます。
(たぶん「しろ」と「きいろ」がいちばん多く、次に「あか」→「あお」となると思います。濃緑色の黒板では「しろ」より「きいろ」方が目立ちます。)

先生:一番目立つ色は、「きいろ」です。キイロのチョークは目立つけれども目が疲れるよね。そこで普通の板書は、落ち着いた色の「しろ」で書きます。大切なところは「きいろ」で書きます。その次に大切なところは「あか」で書きます。「あお」は見にくいので必要に応じて使います。

先生:では、黒板を写しましょう。「しろ」「あか」「きいろ」「あお」をノートに写してください。

自由に写させます。戸惑う生徒が見られます。

意地悪な発問をします。
先生:「しろ」は何色で書きましたか。他の色はどうですか。

先生:そのままでは写せませんよね。チョークの色を変えないと無理ですよね。黒板をそのまま写すのがノートの使い方ではありません。自分で工夫することが大切です。
 自由に決めてもよいのですが、授業なので一応ルールを決めましょう。「しろ」は黒、「きいろ」は赤としますが、変えてもよいです。「あか」と「あお」は自分で色を決めましょう。

なぜ、チョークの色の説明が必要か

 ノートが白いからです。
 黒板は暗緑色です。ノートは白色です。黒板に書かれた白いチョークの文字を白い紙のノートに写すことはできません。黄色のチョークの文字は黒板では目立ちますが、白い紙の上では黄色は目立ちません。
 教師が説明をしなくても、「しろ」は黒に、「きいろ」は赤に、「あか」は別な色に生徒は書き換えて書くと思います。でも、それができない生徒がいます。置き換えが当たり前だと思っている教師は、生徒の立場で授業を見ることができないと思います。

あとがき

 チョークの色について、あえて説明する必要はないのかもしれません。でも、教師は思い込みで授業をしがちです。「これくらいのことはわかっているだろう」「こんなに説明したのになぜ理解できないのだろうか」「あんなに話したのわかってもらえていない」など。
 当たり前だと思っていることをきちんと説明する。そのことが、「学ぶ立場に立って授業を見直す」ことに繋がります。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
では、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?