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当たり前にみえるものを『みる』こと

私は4月から行政書士として活動を開始した。開業準備中のうちから特に意識して変わった習慣がある。

『当たり前にみえるものを当たり前に見ない』という習慣である。

行政書士は、ひらたくいえば役所手続やお堅い資料作成、そこに連なるご相談を通じて、後でトラブルが起きないように予防する仕事をしている。その分野はあまりにも広い。

例をあげてみる。

一見ただの風景写真だが

ただの風景写真である。みる人が見ればここがどこだかすぐにわかるかもしれない。ただ、『この中に仕事につながるものはないか?』という視点でみると違ったものがみえてくる。

さまざまな看板がみえる。看板は表示内容を問わず屋外広告物に分類され、屋外広告物法の適用を受ける。屋外広告物法自体には大枠のことしか書いていない。細かいことは条例、つまり『地方自治体での決まり』にまかせるわ、ということが書いてある。実際には、各都道府県や政令指定都市、中核市の屋外広告物条例を読み確認する必要がある。この地域の条例をかいつまんでよんでみると、一定以上の面積の広告物を設置する際は役所への申請が必要であり、5年に一回専門家による点検と届出が必要である。

『景観』、という視点でみることもできる。景観法も重要である。景観法自体も大枠を定める法律であり、細かいところは各条例におまかせしている。都道府県・政令指定都市・中核市は法定景観行政団体であり、景観計画を整備することができる。事実上ほとんどの市町村では景観計画が整備されており、時折見直しがなされている。同じ市の中でも、この地域は特別な建物や樹木等があるのでそれにそった景観保護の施策、つまり「空気を読みなさい」という特別なルールが決まっている場合があり、事前に役所に相談しておくことが推奨される。勝手につけてあとから役所に苦情が入ったときは、面倒くさいことになるのは想像に難くない。

写真を見ると電飾看板が多い。電飾看板ということは電気を使用しているわけである。電気を使う製品については電気用品安全法という法律があり、危険及び障害の発生を防止という観点から適切な運用がなされるように法律が整備されている。

  • あの看板のデザインは誰がどういうきっかけで考えたのだろう?

  • そういえばあの看板、誰がどうやって製作したのだろう?

  • あんな高い場所にどうやって設置したのだろう?

  • 看板の電気代っていくらぐらいなのかしら?

  • 広告費用ってだいたいどれぐらいなのかしら?

  • あの看板の会社、そういえばいつからあるんだったけか?

  • 歩いている人のどれぐらいが観光目的なのだろう?

考えればきりがない。このようにたった一枚の写真からでも、いろいろな見方をすることができる。

そして世の中にはいろんな法律がある。法律があるということは、一定のルールを決めておかないとあとあと何かしらのまずいことが生じる、ということである。法律や条例等のルールによっては、事務作業が発生することがあり、それらはどれも仕事につながりうる。

つまり、視界に入るもの全てが仕事に繋がりうるといってもよい。なんならその場にみえていないものですら仕事に繋がりうる。目に入る景色以外にも、五感で感じられるもの全部がそうである。何がどういうきっかけでどうつながるかはわからないものである。別に仕事に限ったことではないが、ヒントは割とみのまわりに転がっていたりするものである。

そんな感じで日々過ごしている。

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