DXは権限と責任によって出来る範囲が異なる

以前、担当社や課長レベルで実施する方法にて、簡単に現場から帰る方法について少し触れた。これをもう少し構造化し、権限/責任のレベルで何を実行できるかわかりやすくまとめることができたので共有する。

まず、考え方としては「枠組作り」と「Directに影響を与える」の2つにわかれる。枠組作りは部長以上、Directに影響を与えるは課長にとって重要。この論点は「経営を見る眼」からInspireされた。

Directに影響を与える方法

 直属の部下や密に仕事をする人々とPingを打つ事、そして彼らと一体感を作るの2つ。Pingの打ち方は1on1を実施する。DailySyncやWeeklySyncも重要なPingの1つ。刺激を与えることで、彼らが動く事を後押しする。次にQBR(四半期レビュー)やKPTを行ったり、チーム内の信頼貯金作りを日々行い、チームを束ねる。

 マイルストーンを共有し、振り返りをして、行く先のアライメントを取って、チームのメンバーを励ます事により、自走できるようになる。そして信頼貯金は疲れた時のエネルギーになる可能性が高い。自走し、止まりそうになった時に信頼貯金でチームが止まらずに加速する、このような事をDirectに影響を与えると現場からDXを推進する事ができる。

枠組を作る

 枠組作りはそこそこの権限が必要。まずは経営理念と経営戦略をDXに焦点を当てる。これができないと前進しない。社長を巻き込んだ仕事になるため、現場からStartは難しい。次に、仕事の役割を明確にする。DX型人材マネージメントで以前説明をした内容。小さなDigitalサービスを作る際にはここは簡単にクリアできるが、そこそこの規模になる場合はここが重要になる。誰が何をやるか明確にならないでスタートすると、権利を主張し責任を果たさない人が出てくる。場合によってはアレオレ詐欺も出てくる。次はコミュニケーションをDXに最適化する。会話をほどよく可視化することが組織の力を強め、価値を出していない人が消えていく。そして情報はほぼ全て公開され、発信するものではなく発掘するものだという形まで持っていければかなり良い状態になっていると言える。次に人事制度を実力主義にする。ここが本当に難しい。社長であっても変えることが難しいケースがある。やるならばDXチームだけでも「事実上」この制度に近づけるという方法もあるだろう。最後にRoB(Rhythm of Business)をUpdateする。RoBとはいつ何を確認し、それが何であれば順調というシグナルを確認する事である。シグナル=KPI(先行指標/遅行指標)をちゃんと確認をするため、ティール組織でいうとオレンジ組織である。

 ティール組織という文脈でいうと、ティールは「幻想」、まずはオレンジレベルまで「しっかり」やり続ける事なくそこには近づけない。私が社長をしているKADOKAWA Connectedは、ほぼグリーン組織だが、ティールは厳しいなと感じる。みなさんは重要会議体の定期的に見直してますか?そこで誰が何に責任を持つか決めてますか?KPIが陳腐化してませんか?過去の流れを汲んで会議体は変えず、参加者への期待値も明確に各々へ伝えず、古いKPIで重要会議体が進む。。。もしそうであればDXは難しい。そしてティールなんて全く見えていない状況。これも経営陣が本気でDXをしないと変えられないということなのだろう。

枠組について部長レベルでできる事を〇×で表現すると

経営理念、経営戦略 ×(TOPの決断が必須)
仕事の役割を明確にする △(DXサービスから開始すればできる)
コミュニケーション最適化 〇(これは時間をかければ変えられる)
人事制度を実力主義にする △(DXチームは変えられるが全社はキツイ)
RoBを明確にする ×〜△(現場だけは変えられる)

ようやくまとまった時間が取れ、これまでこのnoteに記載した事を改めて整理をできた。これからいくつかのイベントやセミナー、外部コンサルサービスを通じて、皆様にこのネタを提供できる日が近づいて来ている。楽しみにしている。



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