見出し画像

これからはアーキテクトの時代

前回の記事は、本を書き上げると、その瞬間から陳腐が始まってしまうという危機感から、校了後にクリスタライズされた内容をnoteにUpをした。
今日も、その文脈から、9月末(10月上旬かも)に発売開始される「日本流DX」に書き切れなかった事をUpしたいと思う。

アーキテクトの時代がやってきた

アーキテクトの時代がやってきた。
デジタル技術やGlobal化により、コモディティ化が進む世の中になった今、極論を言うと、コモディティ化を進める人と、そのコモディティとは関係ない俗人的や、部分最適化で個別化されることによって価値があるところにいる人、その2極で価値の創造ができるだろうと私は考える。

何故そう考えたのか?
それは、私のキャリアがインフラ(ITでいうインフラのCompaq、EMC、VMware、Microsoft、AWS)で働いてきたこと、そして、KADOKAWA Groupでも、ニコニコ動画のインフラ志向の部分の責任者をし、本体では全社のバリューチェーン改革など、インフラ志向で仕事をしてきたため、それを進める側のロジック、価値観、未来像などから、そこにまだまだオポチュニティーがある。一般的に言うと、DXのほとんどの仕事はここである。

一方で、自分自身が著者としてクリエイターの役割を行ったり、ドワンゴやKADOKAWAにて、クリエイターとの接点を見続けてきたり、FC今治で感じた価値観など、アナナログの価値の大切さについても、強烈な価値観を感じたという背景がある。

最後に、現在 情報経営イノベーション専門職大学大学にて、准教授として大学生に授業を提供をしていることに加え、大学生のキャリアを設計する事にも責任を頂いているなかで、大学生のキャリアとはどうなるべきか?と真剣に考えた結果、アーキテクトの重要性を強く感じた。

そんな背景から、アーキテクトの時代がやってきたという結論にたどり着いた。

アーキテクトとは?

アーキテクトとは、何かのアイデアを実現する設計者である。
アイデアは何でも良い。
そして、最近のアイデアにはデジタル技術が少なからず関係をしているため、その設計もあるていどできる必要がある。
ビジネス設計をするだけの人でも良いし、ICTの開発の設計をするだけでも良い。
さらに、SaaSや他の仕組みを組み合わせて、全体設計をできるという形でもOK。
最高峰は、バリューチェーン全体最適化を設計できるということを意味している。そして、既存のバリューチェーン全体最適化ではなく、未来のバリューチェーンを定義し、設計できる人はすごい。

コモディティをアーキテクティングする

ここで必要なスキルは、思考を発散し、構造化しながら収束する思考を持てるということである。
しかしながら、独りで発散と収束を爆速かつ、広くすることは難しい。時に、スゴイ人はそれを独りでできる。
しかし、独りよりも、チームで役割分担をしたほうがBetter。
いずれ、コモデティがどんどんすすみ、設計できる余地が減っていく可能性はあるが、まだまだオポチュニティーは目の前に山積している。
ここを狙うなら、発散と収束のできる人材のポートフォリオ管理し、ロールアサインリスト(世界一わかりやすいDX入門や日本流DXを読むとわかります)を作って前に進めればできる。
そこで重要な役割を果たすのは、アーキテクトである。

個別化(アナログ)をアーキテクティングする

個別化(アナログ)をアーキテクティングすることが、日本では本当に重要になってきている。
具体的に言うと、日本の文化や自然という、合理化や標準化から遠い、文化というものの価値を最大化するためには、いかに「顧客体験に落とし込むか」という設計をできるかどうかにかかっている。
個別化が故に、コモディティをアーキテクティングをするよりも、少しハードルが低い。

何故、後者をやらないのか?

前者の方が、経済合理性が高いため、給与や社会的なポジションが高くなるためであると思う。
しかしながら、ある程度コモディティ化が進むと、そこのホワイトスペースが無くなると、徐々に後者にスポットがあたり、前者の価値を活かしながら後者に注力する、そんな形になっていく可能性が高いと考えている。
ここに地方再生という、チャンスとチャレンジが目の前に出てくる。
地方にあるアナログの価値を、デジタル思考と技術のコモディティで支え、新しい未来ができる可能性がありそうだ。FC今治にそれを感じる。

大学生のキャリアパス

コモディティを徹底的に学び、理解し、その価値観を使えるようになった状態で、個別化の価値を最大化することにチャンスがある。
前者を牛耳っている(私を含む)既得権益者に食い込んで勝負をするのは、なかなか分が悪い。
しかし、それらのメカニズムを理解し、そのできあがった仕組みを活用することは、今の時代そこそこ容易にできる。
ということは、その位置にいると、勝負をしやすくなると言えるかもしれない。

最後に

アーキテクトとは、あらゆるものを設計し、実装可能なレベルの選択肢を定義する人材である。
ここを目指すと、10年は価値ある人材であると言われる可能性が高いため、それを目指してみるのはどうか?と思う。
それにしても、エバンゲリオンを仕上げた庵野さんが、絵コンテを仕上げた瞬間に古くなる ということを言われていたのが、身にしみてわかる。
アート(創造性)とは難しく、永遠に続くのだろうとと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?