現代的横串チームの作り方

 今日はここ数週間のコロナ系の話から、DX時代の現代的な横串チームの作り方について記載する。

 DXを進める上で、横串チームがとても大切であることを何度か伝えてきた。サービスの立ち上げ時とClose時には、横串チームのガバナンスから離脱し個別最適化を許可する一方、規模の経済(投資力、コストダウン)のメリットを得る際には、横串チームが胆となる。

横串チーム 

一般的に、ICT、総務、人事、経理、DXチーム、クラウドCOE等、横串チームが企業内には多く存在する。しかし、その枠組は既に古い。どのように分けると良いか考えていこう。

 DXを進めると、人事・総務・ICT・事業チームとの密接な連携が必要になる。しかしながら、DXチームは労務、アナログのファシリティに苦手意識を持つ。その場合、以前説明をしたようにサービス型組織、ロールアサインで解決をある程度できるようになる。一方で、課題となるのは、横串の幅である。

横串の幅

 横串の幅とは、課、部、本部、全社、グループ全体、業界全体 のような幅を意味する。今までは、人事、総務、ICTは全社(グループ全体)のガバナンスが必要だから、そのサイズで仕事をアサインしよう、みたいに決まってきたと思う。または、部でできたベストプラクティスをヨコテンしようとなり、会社全体の仕組みまで遠いが、そこの範囲で部分最適化をするということもある。つまり、ガバナンスを効かせるために、とりあえず今の組織の延長で進めることが多いということ。そうするとどうなるか?新しい大きな波が来ると、その進め方では対応できなくなる。

何故できないか?

 その組織(サービスの塊)の長が、その横串の幅をまとめられる人材でないためである。社歴が長い、ポジションが高い、昔面倒をみてきた、のような人脈や立場で仕事をできる時代はそれで良かった。一方で、今はそれよりも、GAFA並に合理的でスピードのある横串チームをまとめ上げる力が求められる。担当するドメインのスキルと、やり切る根性が必要である。

解決方法

 このようなアプローチが有効だと思う。動きが速い所に対しても積極的にガバナンスを効かせられるスキルを持った人を採用し、その人材に合ったサービス型組織を作り、その人が興味のない動きが遅い所のガバナンスを従来の組織が担うという方法がBestだと思う。既存の組織に対して、新しく動きが速い所をストレッチして頑張れとアサインをする事があると思うが、それはなかなか機能しない。何故ならば、新しい秩序を作る事を久しくしていないそのチームは、会社全体やグループ全体にガバナンスを効かせるドメインスキルと根性が十分でないためである。

人を活かす

 ビジネスのフェーズに対して、0−1が得意、1−10が得意、10−100が得意、100−1000が得意、、、人それぞれ得意な仕事のステージがある。つまりスピード+発散力 or 正確性+ガバナンス力があると思う。DX時代は既存の横串組織に縛られない新しいチームのあり方に加えて、上記のような人材のダイナミックなアサインが必要だと思う。私自身が日々実践していると感じる事は、この難しい領域にどの企業(創業5年位の企業を除く)も挑戦する時が来ているように思う。

未来の企業の形

 企業とは、コミュニティになる。そして、人が成長できる為の場所になる。既に私が社長をしている会社はその領域に近づき始めている。それができている背景には、私自身が個別に強い縦チームと、会社全体を仕切る横チームを人生を通じて何度も行ったり来たりし、様々な立場で仕事をして来たからだと思う。私は今後も、既存の枠組にとらわれないProfessionalismを定義し、その横幅を広げ何かの業界全体の枠組を変え、バージョンアップをしてくつもりだが、読者の皆さんの協力によりそれがさらにレベルアップされて行く事を望んでやまない。


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