全社横串DXチームとは、そしてその存在意義とは

全社横串DXチームとは

全社横串が重要と良く言われるが、真の全社横串をできる組織は、一般的に経営企画チームとITチームである。
何故そうか、彼らは全社横串で仕組みを作り、従業員の仕事の質や量に他の横串チームと比べて、大きな影響を与えるからである。

似たように、横串チームとして、総務、法務、経営管理、リスク管理部門など、他にも存在するが、上記の2部門と比べると、影響範囲が大きく異なる。

そのような前提の上で、上記の横串チーム群がサイロ化しがちな事業部を横に刺すミッションがある中で、横串チーム自身がサイロ化してしまうという問題を抱えている。

その際よく行われるのは、経営企画チームが、それらの横串チーム全員が連携するように支援するアプローチをとる。

そして、デジタルトランスフォーメーションという経営改革が叫ばれる昨今、DX推進部門が立ち上がり、経営企画チームと連携をして、縦割りの事業部の連携、サイロ化した横串チームの連携を行うようになる。これが全社横串DXチームに進化していく。

全社横串DXチームの価値とは

では、全社横串DXチームの価値とは何か。

目の前の仕事の力学で動けなくなっているチームや人を引っ張ったり、後押ししたりすることである。そして、新しい取り組みを始めているアーリーアダプターをとりまとめ、アーリーマジョリティに繋げる仕組み作りをすることも重要なミッションである。

BCGのPPMで言うと、問題児をスターにすること、金のなる木から負け犬になりそうな仕事を、問題児にRebornすることである。

どのように行動をすると良いのか


全社横串DXチームは、各種デジタルサービスのPPMマネジメントをすること、そして「主に」SOE案件を優先度高く行う事である。
SOR案件は、従来の情報システム部に任せ、顧客視点で物事を考え、デジタル技術を持つ人材を集めて、SOE案件をドライブできる体制を作る必要がある。
SOE案件が企業にとって重要であることは、言うまでもない。社会全体のコモデティ化が進み、LTVベースのエコノミーが主戦場になりつつあることから、爆速で、顧客体験設計をペルソナベースで行う事が、ビジネスの成功要因であるため、そのような仕事に慣れていない従来型の情報システム部に全てを任せず、DX推進チームが一旦その役割を担う。

5年後には、SOE案件がマジョリティになるタイミングで、DX推進チームはその役割を変え、次の改革に着手することになるが、それまでの間は、SOEを中心とする攻めと守りのデジタルサービスのマネジメントを責任を持って行う必要がある。

SORは Q>C>D となりがちで ※運用のCは甘め
SOEは D>Q>C ※運用のCはメチャクチャ厳しく精査される
で有るが故に、今までの文化では対応をするのが難しく、それを内包してマネジメントすることは事実上困難である。

どんな案件がSOE案件なのか

SOE案件とは、一般論としてB2C向けのWebサービスが主な案件である。そして、データドリブン経営もSOE案件である。さらに、スマートワークもSOE案件である。スピード重視で、コミュニケーション&コラボレーションができるようにする為のICT基盤とそのフロントサービスは、今やSOEである。

結果としてSORとSOEを同時にマネジメントすることになり、その2つをブリッジしながらマネジメントをすることは簡単ではない。簡単ではないが故に、それをやり切る「決意」が有るか無いかが成功の鍵だと感じている。
その決意の源泉は、何らかの原体験から来るものであろうから、そんな事をやろうとする人材は、本当に「愛」があるのだろうと思う。

これからも、20年以上DXを行ってきた経験をこれからも引き続きUpしていこうと思う。

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