DXの基本ステップ JTCを再考して Update
この記事をUpした背景
最近、表題のJTC(Japanese Traditional Company)について何度も考える事があり、これはメモをしておかないと!と考え、本記事としてまとめる。
それにしても、最も厄介なのは「情報システム部」である
変革をメモレベルで構造化すると、下のピラミッドの図ような感じになるわけだが、法律レベルといえる会社のアーキテクチャを抜本的に変えないといけない中、JTCは右側のピラミッドように日常から安心安全でジワジワアーキテクチャを変えようとするので、現実的にアーキテクチャがサイロ化したものの集まりとなる。
本来それを変えられるのは情報システム部であるが、利用者を顧客と考えていないが故に、全体最適化されたアーキテクチャができないため、利用者はShadowITや、ShadowAI、を使ったり、既存のITを自分達に都合が良いようにアレンジをする。それでは良いアーキテクチャができない。
さらに、情報システム部は要件定義やソリューショニングを内製化できていないため、愛のあるアーキテクチャが決してできない。ベンダに投げていたらベンダに都合のよい要件、アーキテクチャになる確立が高いのは言うまでもない。その結果、安心安全の日常から考えられた、ベンダ丸投げのアーキテクチャが作られるようになり、スピードが上がらず、実力も他社比で上がらず、利益も上がらない。
ということは情報システム部がDX対象の最優先課題であるが、その時間を短縮するために情報システム部を超えて、会社のアーキテクチャを変えるための進め方を改めて整理しようとおもう。
まとめるにあたり複数軸があるため、いったんいくつかの軸で整理し、それらをベースにStep毎のTOBE像をまとめる。
時間軸
Step1:FY2024年に解決
守りのDXの王道であるスマートワークを通じて、横串チームのサイロ化を解決する
Step2:FY2025年に解決、ロードマップ作成
事業貢献を狙って実施し、事業におけるDXの型をつくる
狙いはバリューチェーン全体最適化
Step3:FY2026年にその道筋が見えている
リテラシーが高まり、DXというものが過去のものとなっている
レイヤー(職位)軸
執行役員以上
経営企画、人事、総務、経営管理、情シスの役割分担を明確化し連携度を高める
事業担当役員は、原則支援を継続
DX型役員候補を育てる
部長クラス
新しいマネジメントスタイルを取り入れる
DX型の部長候補を育てる
課長クラス
現場人材のスキルややる気、リテラシー凸凹を可視化し吸収する
DX型の課長候補を育てる
現場
自分に合った仕事を選択して成果を出す
人材軸
リード人材(DX人材)の壁を取り除く
リード人材に快適な組織アーキテクチャをつくり、普通人材と連携できるようにする
底上げ人材のアーキテクチャに合わせることは決してせず、リード人材に合わせたものをサービスメニュー化をして底上げ人材でも使えるようにする
普通人材のDX人材化
普通人材のキャリアモデルを作成し、ストレッチできるようにする
人事制度の整備
50%を「正しい」アジャイル型の文化で仕事をするようにする
底上げ人材のリテラシーUp
必須スキルとして、XX、YY、ZZを明確にする
リスク、コンプライアンス
AIの活用
日々の文字によるレポートなどのコミュニケーションスキル
各ステップのありたい姿の詳細
Step1の詳細
リード人材に対して、ミッションビジョンバリューからOKRへBreak Downできている。
リード人材が最新のITツール、生成AIを通じて、可処分時間を1日/Week 生み出せる状態になっている。
リード人材を中心にデジタルがからむサービスの要件定義の内製化ができている。
リード人材を中心にサービス型チームにより、サービス、人材、オペレーションがDX型になり、人が集まり、育ち、質のよいサービスが生み出されている。
全体的に適材適所に人がアサインされ、ムリムダムラがなくなり、心理的安全性が生まれている。
普通人材とリード人材が離れないように、組織とコミュニケーションの接点管理は設計をした上で行い、PDCAを高速に回して改善できている。
底上げ人材に対しては、地道にTrainingを実施し、底上げ人材に見える普通人材が埋もれないようにしつつ、ジワジワStandardのレベルを上げられている。
リード人材が次世代を創造するDX人材として、役員・部長・課長としてノミネートされている。
まだまだ投資モード。
Step2の詳細
リード人材は、最新の働く環境にて、自分らしい型を標準化しながら、OKRで仕事をまわせるようになっており、模範となっている。
普通人材は、リード人材の背中をみて、リード人材の自分らしい型を模範として、Tryし続けている。時に、一部の領域でリード人材レベルに近い仕事ができるようになっている。
コミュニティでリード人材と、普通人材が交流できるようになっている。
DX人材がそろそろ当たり前になりはじめ、DX人材のカテゴリーができ、そのカテゴリー毎にコミュニティができている
底上げ人材へ、普通人材になるTipsを提供できるようになっている。
リード人材を中心に、各デジタルサービスの戦略層として活躍している。同時に、普通人材が戦略層にTryできている状況が出始めている。
スケールする直前のモードながら、ROICレベルで成果が出始めている。
Step3の詳細
リード人材が重要なポジションに配置され、アジャイル型の仕事のやりかたを、リード人材が部課長として社内に浸透させている。
普通人材が、Step1のリード人材レベルになりはじめ、社内の組織や仕組みの負債を率先して解消すると同時に、新しいイノベーションを知らぬ間におこしている。
コミュニティがあることが当たり前となり、Subject Matter Expertのような活動が社内で推奨されており、そのような行動も人事制度として普通に評価され、昇格に大きな影響をもたらしている。
今まで行ってきた活動が、WikiやChatにすべてノウハウとして保存され、生成AIにてベストプラクティスを容易に生み出せるようになっている。
各レイヤーの人材の成功要因が、KKDを活用しながら、日常的にデータドリブンで行う事、という内容が全社に浸透している。
スケールしはじめているため、方向のズレを修正しながら成果の果実を獲得しつづけると同時に、投資も継続する。
本ネタには、VMwareのIPOから400億の売り上げまでコアメンバーとして成長させた経験、AWSのコンサルの日本代表、MS Azureの立上げ、Dwangoの黒字化、KADOKAWAのDX、MUFGのDXとデータドリブン経営の推進、GovTech東京の立上げ、大手飲料メーカーのスケールする組織作り、大手ドラッグストアのCLO活動、母校Globis経営大学院の1年半にわたるDX支援、JTBのDXリードとしての実体験、それらのエッセンスが詰まっています。
日本のDXという経営改革がこれからも良い方向にすすみますように。
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