自律でき、自立した人材採用、育成の方法

 色々なサイトで自立するとか、自律できるようにする方法などを最近目にする。私が所属してきた外資系企業は人材について温かくもあり、厳しくもある。できるという基準をクリアしている社員には教育や報酬を惜しみなく提供する。一方で、そうでない社員に対しては厳しく対処する。基準をねじ曲げ、できている社員をできないように見せて保身するヒラメ上司が存在する外資系企業が多数あるが、本社に直結しているR&Dチームに所属していた時はそのような事はほぼなかった。

 今回は、そのような経験をSo Whatし、どのように人を採用、評価、育成すると楽か書いていこう。

GAFA流

 成果を出した、実力とロールがマッチしてる、成長余力がある、これがAmazonやマイクロソフト流。成果が出ていて、、、という所が最初に来る。そして、実力を評価され、成長余力も見られる。実力があって、成長余力があるのに、成果が出ていない人材がいる場合は、上司のミスリードがあるくらいは直ぐにわかってしまう。外資系企業であっても日本支社の場合はこれらが徹底されていない事が多いようだが、GAFAやMSはそんなことはないように見える。AmazonにはOLPがあるが、あれを運用するのは一般企業では現実的ではないため、Amazon以外では評価に使えない。

KADOKAWA Connected流

 EMC, VMware, Microsoft, AWSのような世界の一流企業の本社近くで仕事をしてきた私は、それから日本企業に合わせた基準を再定義してみた。それは、チャレンジを設定する、約束を守る、スピーディに実行し変化を自分のものにする。つまり、この3つを兼ね備えている人材が採用の試験を通りやすく、仕事上でも評価されるということである。

組織内に3つを維持する方法

 まず、各自にあったチャレンジを一緒につくり、それをKPT(Keep Problem Try)する。これを行う事で、チャレンジを設定し約束を守りスピーディーに実行し変化を自分のものにする、そうすることで長期的に強いチームを維持できる可能性が高まる。

3つを実現するゴール設定の枠組み

 新規サービスのスタート既存サービスの負債の返却オペレーションをGAFA並にするミスコミュニケーションを無くす自分の成長への投資をする、この5つの枠組みで行うと楽かもしれない。内容はともかく、社長から現場まで同じフレームワークでゴール設定を行うと、自律かつ自立できる社員を育成できる可能性が高まる。何故ならば、何の枠組みが無いかザックリしすぎてわかりにく枠組みでゴール設定をすると、そのゴールに向かって仕事がやりにくく、意思決定も自身でできないことが多いからである。課題設定力が高いにこしたことはないが、それが強くない社員には枠組みを提供し少しでも習慣化できると良いと思う。

ゴールの詳細

 新しいサービス作りをやるというゴールは設定しやすい。一方で、技術や組織負債の返却を日々行うゴール設定が忘れがちになるため、しっかり入れる。次ぎに、サービスを開始する際には、「必ず」オペレーションを常に楽にする事を設計に入れておく。例えば1年後にサービスの数や量が2倍になっても、人員を増やさずサービスを回せるようなオペレーションを設計する。ミスコミュニケーションが頻発すると一気に組織の生産性が下がってしまう、最後に自分への成長への投資。つまりこれは自分への挑戦状を持ち、自分が自分へ変化を常に与え続けるということである。先日ガートナーのCIOイベントでは変革疲れをケアしなさいと言っていたが、そんな事を言っている場合じゃないのだと改めて思ったので、気にせずしばらくはDXし続けるつもり。

 チャレンジを設定するのは意外と大変。そして約束を守って実行するのも簡単じゃない。そして変化を体感して自分事にするのなんて相当難易度高い。だからこそ、それができると他人に頼られる人間になるのだろう と思う。

採用時に聞くポイント

ということは採用時も同じ事を気をつければ良いということになる。チャレンジの設定力は、、、そこである程度の見極めはできる。そこから学んで自分事にできているかどうか???そこでさらにその人の実力がわかる。しかしこれだけではまだ不十分。約束を守って実行をしたのか?ここをしっかり見極めると良い。未来的な「べき論」や「机上の空論」をうまく言える人はそこそこ存在し、そのシュガーコーティングされたトークにだまされ、想定外の人材を採用してしまう事がある。それを防ぐには「その時どうしました?、その時のアックションは?どのように感じました?」など、過去の行動を根掘り葉掘り聞くと本当の事がる。DX人材の採用時もここを注意するべし。

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