中国で加熱するアニメ・漫画グッズ市場、「グッズエコノミー」が商業施設を救う!?

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中国で、日本のアニメや漫画のグッズ市場が活況を呈しています。若者を中心に「グッズエコノミー」と呼ばれる消費ブームが巻き起こり、苦境に立たされていた商業施設の再生に一役買っています。

衰退する商業施設に活路を見出す「グッズエコノミー」

中国ではECの発達により、従来型の商業施設は苦戦を強いられています。しかし、近年、アニメや漫画関連グッズを扱う店舗を誘致することで、若者を取り込み、活気を取り戻す商業施設が増えています。

  • 北京の「潮舖街」や「嘻番里」は、人気グッズショップが集まる「吃穀ビル」として若者の人気を集めています。

  • 成都の「天府紅購物中心」は、改装後にアニメ・漫画関連ショップを誘致し、賑わいを取り戻しました。

  • 鄭州の「大上海城」、上海の「第一百貨店」「百聯ZX創趣場」なども、グッズショップの導入により集客に成功しています。

グッズ市場の急拡大と飽和の兆候

2023年にオープンした「中国版秋葉原」と呼ばれる上海の「百聯ZX創趣場」の成功を皮切りに、グッズショップが爆発的に増加しました。調査会社のiResearchによると、中国のアニメ・ゲーム関連市場の一人当たりの消費額は年間22,000円を超えると分析しています。

しかし、急増するグッズショップは早くも飽和状態に陥りつつあります。

  • 多くのショップで同じ商品が同じ価格で販売されており、消費者はオンラインで最安値を探そうとします。

  • 学生が主なターゲットであるため、購買力は限られており、平日は閑古鳥が鳴く店も多いです。

熱心なファンはより希少なグッズを求めて日本へ

中国国内でグッズが手に入りやすくなった一方で、熱心なファンは中国では入手困難な日本からの輸入グッズを求めています。東京の中野ブロードウェイや秋葉原の中古グッズショップに、中国の若者が訪れる姿も目立つようになりました。

「グッズエコノミー」が商業施設にもたらすもの

上海の商業施設「上海世茂広場」の文婧助理総経理は、「グッズショップは実店舗商業施設に新鮮さや新たな商業的価値をもたらす」と語っています。

しかし、過去のブームの例を挙げ、「金儲けのために流行に乗ろうとする業者が出ると、ファンは離れる」と警鐘を鳴らす声もあります。

中国における「2次元」産業の成長

調査会社の艾瑞諮訊によると、2023年の中国の「2次元産業」規模は前年比27.6%増の約4兆9000億円に達しました。2次元関連の商業施設は約70カ所あり、今後も市場の拡大が予想されます。

まとめ

中国で加熱する日本のアニメ・漫画グッズ市場は、商業施設の再生に貢献する一方で、ブームの過熱による飽和やファンの離反といった課題も抱えています。持続的な成長のためには、質の高い商品やサービスの提供、ファンのニーズを捉えた店舗運営などが求められます。

ポイント

  • 中国で日本のアニメ・漫画グッズ市場が急拡大し、商業施設の再生に貢献している。

  • しかし、グッズショップの急増により、市場は飽和状態になりつつある。

  • 熱心なファンは、より希少なグッズを求めて日本を訪れるようになっている。

  • 持続的な市場成長のためには、質の高い商品やサービスの提供、ファンのニーズを捉えた店舗運営が重要となる。

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