【シン捗報告】シン・フリースクール3ヶ月
今年度から「地域教育の拠点/シン・フリースクール」を名乗って活動し、早くも3ヶ月が経過した。この辺りで一度立ち止まって、この大きな動き出しを確かなものにするためのふり返りをしておきたい。
これから書きたいことを端的にまとめれば、この3ヶ月は「底知れない地域の力を感じた」「たくさん集ってくださった同志の心強さを感じた」「僕自身のスタンスを明確化できた」そういう期間だったと思う。それぞれについて書き記していく。
地域の力~アツい善意と眼差し
この3ヶ月の間に、フリースクールの活動はかなり充実したものになった。子どもたちが「やりたい!」と意思表示したことをつぶさに捉えて、それを実現していくのには、その活動ごとに必要なものが異なり、その分経費もかさむ。しかし、この点でこの3ヶ月、本当に地域の皆さんの温かさに支えていただいた。
はじめは「お菓子作りがしたい」だった。色々なお菓子のレシピを見ていって、ほとんどのものに冷凍や冷蔵、電子レンジでの加熱の行程が含まれていた。4月、当方で持ち合わせていたのは、カセットコンロと小さな雪平鍋(グミを作ってた時の…詳しくは別記事を参照)。
その日のうちにSNSで「調理器具や家電を譲っていただけませんか」と発信。ここから今日まで、本当にずっと善意の連絡が鳴りやまなかった。
炊飯器にはじまり、ヨーグルトメーカー、たこ焼き器、冷蔵庫、ハンドミキサー、わたあめメーカー、オーブンレンジ。全て地域の方からいただいたものだ。
食材や飲み物もたくさんいただいた。月に一度行っている「お昼ごはんデー」の材料にものすごく困るということもなく、これまで本当に有意義な活動ができている。
地域の力は、私の想像をはるかに超えていた。想像以上にフリースクールのことを気にかけてくださっていて、想像以上にSNSの発信に関心をもっていてくださり、想像以上に地域の子どもの成長を喜んでくださる。
私は「地域の温かさ」を発揮していただけるイメージで色々な発信をしているが、想像以上の熱量で「地域はアツい」んだと知った。
同志の力~足し算でもかけ算でもなく指数関数
4月から大きく変わった点は、午前中のフリースクール運営。そのほとんどを集まっていただいた同志の皆さんにお願いしたところだ。
ずっと一人で運営してきて感じていた限界。昨年度の大学生たちのサポートに「同志の存在の大きさ」を教えてもらい、さらに思い切って「私の教育観だけの独りよがりな空間にしない」ことを狙って完全に午前中をお任せすることに。
仲間が増えることを「1+1は2以上になる」というような表現で、その効果性を伝えるのを耳にするが、私の感じ方はそれ以上で2どころか、人が増えるほどに指数関数的にその力は増大していくように感じている。
それぞれの得意を生かすこと。不登校当事者として悲しみに寄り添うこと。一緒になって思い切り活動を楽しむこと。そのどれもが、「私には出せない味」を出して、子どもたちの背中を押していた。
私一人で救える子どもは本当に限られている。教育環境と同じで、関わる人にも多様性がないと子どもたちの可能性は広がらない。
4月以降も少しずつ集ってくださる同志の方は増え続け、今は10人のメンバーに力を貸していただいている状況だ。
人が人を呼び、縁がつながっていく。この点で本当に私は運がいいと思う。素敵な皆さんとの縁をもらい、今日もことのはが子どもたちのために動いているのは奇跡的なことだと思う。
私自身の研鑽~「信じる」という明確なスタンス
「みんなの学び舎ことのは」は2023年7月7日で2周年。フリースクールは同年11月スタートなので、まだ1年半ほどだ。
私の教員歴11年の中で不登校の児童生徒と関わりのなかった年はほとんどない。しかし正直言うと、自分がその経験で「不登校の専門的な知識を有する」とも思えなかった。
自分の知識や経験に相反して、教員歴に支えられて、いとも簡単に「始めることができてしまった」フリースクール。
はじめのうち、私自身の考えは「学校に行っていようが行っていまいが、目の前の一人の子どもに対してのアプローチがそんなに違うわけがない」というものだった。あまり気を遣いすぎずに、教育者として常に同じように子どもに接するようにしていた。そうすることしかできなかったからだ。
今は実践事例が増えてきて、経験とともにその経験の意味を自分なりに解釈する段階となり、「信じて待つ」ということを迷わずにできるようになってきたと感じている。
迷わないでいられるようになったのは、フリースクールや不登校特例校で働く同業の方との関わりで得たヒントが、今の私のスタンスを後押ししてくれたからだ。
どの先生方も「信じて待つ」「選択肢を与えて選ばせる」「本人の決定を心から応援する」ということに徹していることに気付き、私自身のスタンスは間違っていないと自信をもてるようになった。この自信はきっと子どもたちに伝わり、プラスの影響を与えるだろうと考えている。
これから
「地域教育の拠点/シン・フリースクール」のさらなる発展のために、今考えていることを、備忘録として雑多に書いていく。
◆フリースクールの活動を外に広げたい。
色々なところに出向く。市内の公的な機関とつながりにいく。就労や作業の体験機会をつくる。
◆資金面の問題解消。増益&安定感を獲得したい。
新しい教育事業をおこす。今あることのはの機能を全て使う。
◆上記を達成して、同志の善意に確かな報酬を出したい。
地域の力、同志の力は想像以上。今の私はそれに甘えているだけとわきまえる。
◆出入りが多くなった地元の小中学生の参画を促したい。
多くの子どもに価値を届けるチャンスと考える。何かイベントごとにつなげて「出入りするだけ」から「メンバー」にする。参画する価値があることを企画して明確に伝える。
◆もっと発信力を高めたい。
不登校へ向けられる視線を変えるための発信をする。ラジオ出演などのチャンスを生かす。SNSで価値・成長・ストーリーを伝える。
まだまだやることだらけ。できることを精一杯やりつくして、「地域教育の拠点」だと「言われる」ようになるまで大きく強くしていきたい。
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