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紙は時代遅れなのか!?変わりゆく出版業界と媒体について。(第10回情報リテラシー論)

読みたい本を見つけた時、一昔前では書店に行って自分で探したり取り寄せてもらったりしていました。しかし現在では親指のみで読みたい本に辿り着ける時代になり、その形式も多様化しています。

今回はそんな変わりゆく出版業界の体制と電子書籍の勃興について書いていきたいと思います。


出版業界の大元、新聞の苦戦


今新聞をとっている家庭というのはどれくらいあるでしょうか?私の家庭はとっていなかったのですが祖父母の家など比較的高齢の世帯はとっていることが多かった気がします。
実は日本は世界と比べ、新聞を圧倒的に読んでいる国です。

右上のランキングを見てもらうとわかるのですがこれは国内の発行部数ではなく世界中での統計です。いかに日本人が新聞を読む種族かというのが見てとれます。

しかし同時に分かるのはその発行部数が年々減少しているということ。人口が減りつつあるのが主な原因ですがインターネットの普及も大きな影響を及ぼしています。

確かに今私達が何かニュースを知りたい時大抵はTVやネットニュースなどですぐチェックしますよね。わざわざ大きな紙を広げて情報を得るということは非効率的な気もします。(もちろん紙媒体の良さも後に記述します)

このように決して文字を読む若者が減っているわけではない。
ネットにそのフィールドが移ったと言える。


進む電子化と新たな勢力


勿論このまま新聞業界は衰退の道を選んだ訳ではありません。時代のニーズに応えられるように電子化(WEB版)の事業に力を入れ始めます。

しかし新聞業界は苦戦の道を強いられてしまいます。無料会員を獲得することはできてもなかなか有料会員が増えず苦しい状況が続いています。

一方でNewsPicks という紙媒体を持たないニュースメディアが急激な勢力拡大を図ります。

NewsPicksは主にSNSを駆使した戦略と独自コンテンツによる差別化でそのユーザー数を増加させています。これこそが時代に迎合したメディアコンテンツと言えるかもしれません。


書籍の電子化、書店の減少


ここまでは新聞業界について書いていきましたが本題に入りましょう。書籍は時代のデジタル化にどう対応していったのでしょうか。

実は当初日本では電子書籍は流行らないと言われていました。世界的に見ても新聞が多く読まれている日本ですから紙の質感にその理由があるのかもしれませんね。しかし電子書籍の普及推移は書籍の種類によってもかなりばらつきがあるので正しかったと一丸には言えないのが現実です。

苦戦を強いられると思いきや…
このように電子書籍が紙を追い越す事態にも。
上にも記述したが特に漫画は電子版での売れ行きが好調、
コロナ禍も相俟ってその売り上げを伸ばしている。

この事態に伴ってなのか書店の数は減少の道を辿っています。

確かに地元でよく通っていた本屋はここ数年でかなり潰れたような気がします。本屋って無くなると何だか他のお店より切なくなる気がします…

この時代に紙媒体を選ぶ理由

私はこのまま電子化された書籍がスタンダードになるとは思っていません。
考えうる理由として
⓵コレクションニーズ ⓶情報の吸収率 ⓷デバイスの普及率

があると考えています。 特に⓶については今回の講義で知ったのですがそもそも光の種類によって情報の捉え方は変わっていきます。

媒体による違い

何だか紙の本で読んだ小説や教則本ってスッと頭に入ったり残り続けるような感じを覚えた体験ってないでしょうか?私はよくあるのですがその秘密は光でした。

直接光を放って脳に情報を送る電子媒体では脳の機能が光のパターンをただ認識しているという状態になり、深く読み込むことには適していないのです。一方で紙の場合、目に入ってくる光は紙から反射したもの。この場合脳はその情報に対して積極的に吸収しようとモードを切り替えるのです。

しかし今では電子書籍もそのデメリットを打破しようとこんな策を始めます

AmazonKindle

なんとデバイスそのものの光を内側に向けることで間接光を作り出します。
とてもよく考えられていますね…

新たなサービスと出版のハードル

ここからは時代の変化に伴ってできたユニークなサービスをいくつか紹介します。

どこでも電子→紙へ!?

このサービスはそもそもの書店形式をよりスマートにしたものと言っていいでしょう。出来上がった本はこの中になく膨大な量の出版データを白紙の本に写し取って本へと成形するのです。もう品切れという概念はない!

誰でも著者に…

こちらはPDFファイルさえあれば紙の本にしてもらえるというサービス。今や出版に対するハードルなんてないのかもしれません。
また他のサービスにはなりますが、そちらのサービスでは何と独自の出版社を作ってAmazonで売ることが可能です。


紙→電子へ変換!

こちらのサービスは少し古いですが書籍を送るとデータとなって帰ってくるというもの。このサービス実は古紙回収の業者が運営しており電子化され終えた本は資源として回収されます。非常に面白いサービス!


最後に

私は本、特に小説を読むのにかなりハマっていた時期があるのですがきっかけは電子辞書でした。授業中に電子辞書に入っていた青空文庫を読み漁るという習慣がつき、やがて気に入った作品は紙媒体で買うといったルーティーンが出来上がりました。

何が言いたいかというとやはり紙で手元に残るというのは便利さを超えた優越感があると思うのです。様々な媒体が生まれるということはそれだけニーズが多様化していることなのですね。

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