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肉声の強さ、言葉の強さ

 小池昌代、林浩平、吉田文憲の編著で『やさしい現代詩』2009。各詩人の一編と簡潔かつ適切な紹介と解説。自作朗読のCD…。編者の吉田は、「やさしい」の基準を、「その詩がその人のこころに届くかどうか」に置いている。そこに挙げられた、吉原幸子の詩の言葉の魅力の解説…助詞を抜くことの魔法は、みごととしか言いようがない。で、吉原さんの作品は収められてないというのが…2002年には亡くなっていたものね、惜しい。吉原さんの朗読は、YouTubeで聴けるし。
 収録されている作品も、短くないものが多いのもいい。個人的に懐かしい詩人も多く、声から思い出すことのできる時間がいとおしい。
 改めて朗読を聴いてみて、あまりにも魅力的なことに、驚いている。ねじめさんなんかは、こんなものではないとも思うが。やはり肉声というのは、強い。少なくとも、素晴らしい入り口になる。

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