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少し足りないが一番の強みになる

愛媛県には砥部焼という伝統的工芸品に認定された陶磁器があります。今回縁があって砥部焼のプロデュースをすることになりました。商品プロデュースする過程で気づいた、発想の転換のプロセスをお伝えします。

プロデュースすることが決まり、数回砥部を訪問しました。他の陶磁器産地と圧倒的に違う点は、効率化を求めて工業化されていないことです。

「工業化に遅れた産地だからなかなか産業になりづらい」
「手作りだから1点ずつ形が微妙に違う」

など、ヒアリングをした際にお聞きした内容でした。
一見するとネガティブ要素なのですが、少し発想の転換をするとこれが大きな強みになります。

「工業化に遅れた産地だからなかなか産業になりづらい」
→必要な数を必要なだけ製造して消費者に届ける事ができ、無駄のない製造スタイルが時代にマッチしている

「手作りだから1点ずつ形が微妙に違う」
→世の中に1つしかない自分だけの形を探する楽しみがある

実はコロナ禍で消費者心理にも大きな変化がみられたと思います。その変化は、『消費者は"買うことに意味を見出している”時代』に変化したことです。海外で効率化を求められて大量生産された商品に魅力を感じず、産地の歴史までを含む商品の背景に魅力を感じ、つくり手を応援し、つくり手とつながる事に価値を感じることで消費活動をしています。応援消費をコンセプトにしているMAKUAKE(マクアケ)が成長を続けている事実を見ても、消費者心理に大きな変化があったことは明白ですね。

前回noteに書いた「一番の楽しみは不便さ」と同じく、そこに携わる人やその地域の方が少し足りないと思っていることが、裏返すと一番の強みになります。今までは足りないと思っていたネガティブな部分を180°思考転換して、最大の武器にしてみなさんに知っていただく機会をつくることがプロデュースの醍醐味だと感じた企画でした。

今回のプロデュース作品は「砥部焼プラントポット」という商品名で2022年2月8日に世の中にリリースしました。全行程手がわかるように映像もつくりましたのでご覧になってください。1点1点丁寧な手仕事でのつくり手の想いとつながり、長い間大事に使用していただくことが最大の喜びです。

【紹介ムービーをご覧ください】

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