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うちのだんなさんがカッコイイ件~淵と終わりとはじまりと~

だんなさんはカッコイイ。
なぜなら
死の淵に立った男なのである。
見事な生還。

脳動脈瘤からのくも膜下出血。
からの見事な生還。

体調の異変を感じ
自らの運転で脳外科開業医へ。
あれよあれよと
そのままベッドに縛り付けられ
数時間後には救急車で
大病院へ転院。
一番驚いたのは本人。
そんなにおおごとなのかと。

だって、だんなさん
「念のため」で行った病院。

コロナコロナと大騒ぎの中
手術と言う名の処置を経て
20日程の入院生活。
リハビリ不要。

おくさん夢でも見てましたか?
のような
だんなさんの普通っぷり。

なんだったのだ。

そこから3ヵ月
二人で仲良くお休みした。
人生こんなに
ゆるりと過ごしたのは初めて。

だんなさんは
おくさんに
二人で過ごす
お休みをくれました。

やっぱり
うちのだんなさんは
カッコイイ
のだ。

だけど
おくさんの退院前日に
同じ病院に入院してくるなんて
それこそ
おくさん夢でも見てましたか?
なのだ。



※「うちのだんなさんがカッコイイ件」はおかげさまで⑳まで続けることが出来ました。
読んでいただいてありがとうございます。今回の「カッコイイ件~淵と終わりとはじまりと~」にて一区切りにしようかなと。

「カッコイイ件」を書こうと思ったのは今回の内容がキッカケでした。
私(おくさん)は手術のため入院し、「退院後はちょっぴりのんびりさせてもらおう」と思っていたら、その前に彼(だんなさん)がやって来た。
コロナ禍のため面会も自由にならず、私も入院中のため病棟移動すらチェックが厳しく同じ院内にいながら顔を拝むまで4時間かかったのです。やっと会えた彼は人形のようにベッドに横たわり、顔に光刺激を避けるための布が掛けられ、「生きてる?」と不安になった私。しかし、その布を取って更に不安になったのです。「生きてた。生きてたけど、こんな顔だっけ?」と。20年見てきたハズなのになんにも見えていなかったのだなって。こんなに疲れて、こんなに年をとって。

命のあることに感謝と、彼と暮らす毎日を大切にしようと思いました。

だからと言って態度も生活も変わるわけではないけれど、初めて二人で過ごす長期のお休みはとても穏やかで、仕事を手放したあとの人生を楽しみに思わせてくれる時間でした。

「うちのだんなさんがカッコイイ件」は
彼のカッコよく、おちゃめで、憎らしいところとか、イラッとすることとか、私のための大切な備忘録です。

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