見出し画像

「実録・ウチのお茶の飲み方(つづき)」

ウラのおばさんちのお茶の入れ方は、なんでもないようにみえるけど、長年の所作がしみ込んでいて、そよ風のようにお茶が入る。
茶道って感じじゃないけど、茶道的所作なんだなあっておもう。

おばさんの家の保温ポットはたぶん、85度とかまたはもうちょっと低い温度に設定してある。保温ポットというものが家にないのでわからないけど、65度とかの設定があればきっとそうだね。
で、お湯呑みに入ってくるお茶の量も、5分目あたりで、たっぷりなみなみではないところが心づかいなのである。法事でも、あんまりなみなみいれると、お客さまがおトイレを気にされてお茶をもうしわけなさそうに残したりされるから、「少しにしときな」と以前言われた。法事のときはこぼれるということも考えられるし。しゃべりながらちょいちょいお湯呑みに手が行って話とお茶が同時に終わるぐらい。お菓子1個食べてあと一口お茶が残るぐらい、ですよねー。
小学生になるかならないかの頃、たぶん、学校に行く前、親戚の大きなお茶やさんにおばあさんに連れられて行った。先代のおかみにあたる親戚の大おばさまがそのとき、子供だから麦茶、でなく、さかずきのようにちいさい器で、お茶を出していただいた。それも、これは○○という良いお茶だから飲んでみなさい、でもなく、行ったらお茶がさっとでてきて、さっと飲んでおいしい、ふふふ、な状態で風のようだったなあ。
お客さまにお茶を出すとき、仰々しくこれはどこそこのお茶で、みたいなのをやりがちだし、これはこないだ作ったウチの白茶でとか、つい先日もやっちゃったけど、そういうのなんだかあさはかにおもえてくる。


実際に、自分が家でお茶飲むときは、そのお茶が手作りしたものであったり、製茶してもらったものであったりはするけど、ほとんど自分の家のいわゆる「ウチのお茶」で、から揚げだったりやきそばだったりもするおゆうはん、おひるごはんのとき、おやつのとき、外出から帰ってきて、ふうってなるときに、とくにお手前でもなんでもなく入れて飲む。
急須も持っている。けど、ズボラすぎて洗うのめんどくさいし、おばさんのお家のようにはいかないので、まず、ティファールのスイッチ入れて、プチっとスイッチが切れた音がしてから、コーヒーサーバーにお茶を入れて、カップを用意して、で、お湯をサーバーに入れて、しばらく待ってキティちゃんのカップに入れて飲む。
しばらく、ってどのくらい?ってきかれても、わからない。なんとなく、お茶が出たころ。何分、何秒ってきかれても、わからない。お湯の量、お茶の葉の量、お茶の種類、すきな濃さ。ちょー熱いの入れたら渋味が出る、気をつけているのはそのあたりだけで、だから、ティファールのスイッチ切れてから、いろいろ準備するとちょうどいいかなという感じ。お茶が出たかどうかはコーヒーサーバーなら見えるからわかるし、自信がなければ、ちょっとテイスティングというか味見してから出せばいいし。
わざわざタイマーを買わなくても、時計はひとりひとりの中にあるね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?