見出し画像

「死」から「生」を考える~414(よいし)カード体験会に参加して~

「死」って聞くとどう感じますか。

怖い。そんな事考えたくない。そんな事が頭をよぎる自分が怖い。

そんな感じでしょうか。ちょっと前の私はそうでした。

でも、最近

「死」のことを考えるって後ろ向きな事だけじゃないな。
「前向きに」死を考えてみる、って出来るんだな。
死を考えるから「生」がより輝いて見えてくるっていう事がある。

ということを感じたので、そのことについてシェアしてみたいと思います。

幸ハウスという団体が出されている414カードを使ったワークショップに参加しました。

ワークショップは海外駐在ファミリーのためのオンラインコミュニティ「SUNNY PARK」内で開催されたイベントで、ワークショップのナビゲーターは、コーチとして活動されている新藤美貴子さん。

まず、カードのネーミングがすごいですよね。414(よいし、良い死)カードですよ。

414カードとは、日常生活の中で普通に死生観を語り合える文化をつくるためのツール、死生観を対話するのを助けるカード

とのことです。

どんな会になるんだろうとドキドキしながら参加しました。メンバーはナビゲーターを入れて5人。ちょうど話しやすい規模感でまずはちょっと安心。

簡単な自己紹介を経て、早速始まりました。ナビゲーターの方からの問いとともに、たくさんのカードが並べられました。

問いはこちら。

「今から命が終わるまで大切にしたいことは何ですか?」

カードには「いい人生だったと思う」「大切な人と過ごす」「人との温かいつながりがある」「好きなものを食べる」「ユーモアがある」「楽しみがある」「居場所がある」「自分が望む姿でいる」・・・・などなど、沢山の種類があります。

この中からピンとくるものを選んで、なぜそれを選んだのか、カードを見て思ったこと等の気づきを一人ずつシェアしていきます。

カードをパッと見た瞬間は、どれも魅力的な要素に見えて、「えー、全部ほしい。」くらいに思うのですが、命が終わる事を意識したとたんに「とは言え本当に本当に大切なものはどれ?」と究極の選択が出来ていくので不思議です。あれもこれも、という雑念が少しずつそぎ落とされていく感じ。

私の場合はそれでも4枚も残ったのですが(まだ欲張り笑)、それらは「いい人生だったと思う」「大切な人と過ごす」「人との温かいつながりがある」「楽しみがある」でした。

色々あっても最終的に全部ひっくるめて「いい人生」と思えれば全て良し!そして、「人」と「楽しみ」がキーワード。うんうん、やっぱりそうかぁとここまでは自己認識どおり。

で、気づきを得たのはそのあとの仲間とのシェアの時でした。「自分が望む姿でいる」を選ぶメンバーが多く、その想いを聴く中で、「どうして私はそのカードにアンテナが立たなかったんだろうな」と思いました。多分、自分はこうありたい!という確固とした姿が無いのかも。もっと言うと、そういう確固とした自分像を持ちたいと思っていた時もあったけれど、どんな自分になれるか変化を楽しもう、くらいに今は緩く考えているのかも、と思いました。

自分の理想の姿を探していた時もあったくらいなので、今でもそこは気になると言えば気になるのですが(私は自分探しを諦めて放棄してるのかな、という後ろめたさ)最期の時を意識した時にそこが出てこなかった自分が発見でした。人と楽しく過ごすこと、それが第一優先なのね。

次なる発見は、ナビゲーターの美貴子さんからの問いかけから。美貴子さんの作られる場がこれまた温かく、何を言っても否定されない、受け止めて下さるそんな場なんです。その中で気付きを促す問いかけを下さるんですよ。

各カードの裏には、その項目について思考を深めるヒントになる問いが書かれているのですが、「人との温かいつながりがある」のカードを選んだメンバーが多かったことから、そのカードの裏の問いについて各自考えることになりました。

カードの裏の問いはこちら。

「温かいつながり」ってどんなつながりでしょう?

その時に私が思ったのは、「あ、記載は『温かいつながり』になっていたのね。気づいていなかった」ということでした。私は特に「温かい」に着目していなかったんです。で、考える中で思ったのが、私は「温かいつながり」はもちろん大好きで大切(特に命を終えるなんてなったら…!)だけれど、どちらかというと今現在は「多様なつながり」を楽しんでいて、これからもそれが良いかも、と思えているということ。

色んな人とのつながりがある中で、それぞれ違うんですよね。自分をさらけ出して辛い時は一緒に泣ける仲、ふざけ合って一杯笑って元気になれる仲、それぞれが色んな事に挑戦していて刺激をもらえる仲、ただいつでもそばにいて話を聴いてほしい時に聴いてくれる仲。

「こんなつながりが欲しいの」という拘りは全く無く、「今回は相手がこんな人だから、こんなつながりになっている」という状態をそのまま楽しめている自分に気付けたのは、今回のワークショップのおかげです。

そして、最後に大きなお土産的に受け取ったメッセージが「『心残りがない』って何?」っていうこと。

メンバーの中には「既に、もし今、命が終わることになっても、子どもの事以外は心残りは無い」と仰られている方や、「心残りが無いように、やりたいことはどんどんやっておこうと思う」と仰られている方がいました。

「そうかぁ、心残りが無いと言い切れる人がいるのか!すごいなぁ。心残りが無いってどういう事なんだろう?どんな境地なんだろう?」というのが正直な感想でした。

私は、どんなにやりたい事をやって、楽しく過ごしても、「心残りがない」という境地に行ける気がしないんですよね、少なくとも今は。

家族や子供を後に残していく時点で絶対に心残りだし、生きれば生きるほどさらに楽しいことが出来ると思えば、「もっともっと」という気持ちはいつまでも持ち続けてしまいそうで。いつか「もう十分だわ!本当に十分!」と思える時がくるのかな。来るかもね。

そんなことをぼんやり思いながら、場を後にしました。なので、「『心残りがない』って何?」というのは、お土産的に受け取った問いです。

今回は、このワークショップを通して得た私の気づきや学びをシェアさせていただきましたが、皆さんがワークショップで受け取られるものは、これまたきっとずいぶん異なってくると思います。

いずれにせよ、「死」という究極の状態を考えることで、雑念から解放されて、「生」の中で本当に大切にしたいものが浮き上がってくると思います。

そして、それを自分の中にお守りのように持って、毎日の生活に戻る事ができるような気がします。

死生観って人によって異なるけれど、それを改めて話すことって何となくためらわれて、案外、自分の身近にいる大切な人がどんな事を考えているのかさえ知らないような。

今回、414カードのワークショップをやった事で、「ねー、私、こんな事やったんだけれど、面白かったよ。ちなみにあなたならどれを選ぶ?」と家族と話してみるのも良いな、と思いました。

414カードは幸ハウスのHPから購入可能みたいです。

死を見つめてどう生きたいかを考えるって、ゴールに向かって何ができるか、どうなりたいかを考えるプロセスであり、これってまさにコーチングに似ているなと思いました。

今回ナビゲーターを務めて下さった美貴子さんは、コーチとしても活動されているとの事だったので、もしご興味を持たれた方はHPをご覧いただければと思います。

また、こんな風に素敵なイベントをいつも開催して下さる海外駐在ファミリーのためのオンラインコミュニティ「SUNNY PARK」にも改めて感謝です。ありがとうございました!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?