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思い出話18 顧問先の園児たち

私が会計事務所の職員だった頃、その顧問先に幼稚園があった。
月に一度、そこを訪れ、私は経理担当の副園長先生に記帳指導をしていました。

その先生はバスの運転もしていたので 園児の送迎のため、時間になると私が一人となり、手の空く時があった。
そんな時私は、その事務室を出て、園舎で遊ぶ子どもたちの姿をよく見ていた。

ある時、園舎の廊下に出ていた私に、園児が一人近寄ってきた。
物怖じしない元気で可愛い女の子だった。
私は笑ってその子に接した。

女の子は、すぐに私の手を取り、足元にまとわりついてきた。
私はその子の求めに応じ、手をしっかりと握って、でんぐり返しをしてあげた。
何度かそうして遊んであげると、その子は私をすっかり家族であるかのように接してきた。

子どもというのは直ぐにこういう態度を取るから、無条件に可愛いものです。

それを見ていた周りの園児たちは、自分もやってくれとばかりに集まってきた。
やがて、私のいた廊下周りは 幼稚園児たちでいっぱいになった。
私は不公平にならないように、一人ずつに、同じことをやってあげた。

すると園長先生が私の姿に気づいて、
「どうもすいません」
と、駆けより、謝るように言った。

でも本当は、私自身、とても楽しい休憩時間を過ごさせてもらっていたのであった。
そこの幼稚園に行く一つの楽しみでもありました。


ロウバイの花

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