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ザクロの実

下校にいつもと違う道を通った。静かな住宅街に大きな赤い実が落ちていた。落ちているものは食べてはいけない、と教わっていたので、それを踏みつぶしてみた。甘いいい匂いがした。何かわからないが食べれると思った。踏んでいると上級生が通り掛けに、それ食べれるのに何してると怒られた。事情を説明するとそれはしょうがないな。と言ってそこの家に入っていった。友達二人でかかきれないほどザクロをもらって、帰っていった。残った私はその木を睨み付けながら帰った。どうしても私もちょうだいと言えなかった。ルビーのような実を見るとほろ苦い思い出が蘇る。