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幸せは受け取り上手になるところから

前回、「幸せは2つある」という記事を書き、幸せには「受け取る幸せ」と「提供する幸せ」のふたつがあるということを書きました。

そこで、今回は幸せになる方法として、まずは受け取り上手になることから始めるといい、ということを書いていきます。

なぜ受け取り上手になるなることから始めるといいかというと、受け取ることは考え方を変えるだけで誰でもできることだからです。

では、どういうふうに考え方を変えていけばいいのでしょうか。

そこでまず、現在の我々の生活を振り返ってみます。

我々は、現在お金を中心に生活しています。

このため、どうしても等価交換で物事を考える癖がついています。

いわばギブ&テイクが行動の原理となっているといっていいでしょう。

とはいえ、この等価交換の考え方は、実は等価交換ではなく、いかにして利益を上げるかという考えがその根底にあったりするものです。

たとえば、造られた製品は出荷されたところから消費者のところに届くまでに徐々に金額が上がっていくものであり、この少しずつ上がっていった金額が「得」となって、我々の利益となるシステムになっていたりします。

つまり、商品を販売して利益を得るには、少しづつ利ざやを加えていくことが原則となっているのです。

もちろん、このことは今の経済システムを成り立たせているため当然のことであり悪いことではありません。

ただ、こういった考え方があまりにも浸透してしまうと、物事を損得だけで考えてしまう癖がついてしまうものであり、こういった損得の考え方は、人を受け取り下手にしてしまう可能性があるのです。

物事を損得だけで考えてしまうと、得をすると嬉しく感じ、損をすると悔しい思いをするという習慣を身に付けてしまうことになります。

こういった損得の判断を生活の中で頻繁に使っていると、人の受け取り方の感受性を悪くさせるといってもよく、何かを受け取る時には得がないと喜べないといった考えを染み込ませてしまいかねないのです。

しかも、そういった思いが強すぎてしまうと、場合によっては得のないことはしないといった考えを生んでしまいかねません。

こういったことは、どんなことでも損得を基準にして物事を考えてしまうという現在の経済システムの弊害といってもいいかもしれません。

つまり、損得の考え方が人の感受性を大きく歪めてしまうという可能性が、現在の経済システムには多分に含まれているのです。

しかし、大切なことは何かを受け取とったときに、損得勘定を抜きにして喜びを感じることだったりします。

我々は、日々いろんなものを受け取って生きています。

たとえば、我々が呼吸している空気も、暖かい陽射しも無償で与えられていたりします。

言ってしまえば、我々の命そのものも無償で与えて貰っているといっていいでしょう。

こういった無償で与えて貰えていることには損も得もなく当たり前とされてしまいます。

しかし、こういった当たり前とされていることを受け取ることで、我々の生命を維持できるようになっています。

そして、我々が当たり前と思っていることの中に、大きな価値があると気づけたとき、我々は受け取り上手になれるのです。

この世界は目には見えない「縁起」、つまり、すべての事象は原因がそのまま結果となるという法則で成り立っています。

この目には見えない縁起の世界のシステムに気づくことができたとき、我々は、受け取り上手になることができます。

損得勘定は、いわば人間界だけの経済システムだけに通用する考え方です。

その一方で、目には見えない縁起の世界の考えは、人間界を超えた宇宙の法則に沿った考えです。

ではこの人間界を超えた宇宙の法則とは何なのかというと、私が原因となって与えることができたとき、それがそのまま自分に帰って来るという法則です。

私が原因となって、日々受け取っている物事に感謝し、その思いを放っていくと、それが縁起の法則に適用されるようになり、それが巡り巡って自分に還って来るという循環を生み出すことができるようになっていくのです。

これが縁起の法則を上手に使った生き方です。

もちろん、この縁起の法則は誰にでも働いています。

このため日々損得を基準に生きれば、生活の至る所に損得が散りばめられることになるため、得をすることがあれば損をするという生活が延々と続いていくことでしょう。

しかし、日々の些細なことに感謝をして生活の中にたくさんの「徳」を散りばめることができたなら、それがそのまま返ってくるようになります。

「徳」という字は「身にそなわった品性、人としてねうちのある行い」という意味があります。

「徳」という字に「心」があるのは、そういった意味があるからだと考えられます。

そこで日々の当たり前の物事に感謝できるようになると、「人としてねうちのある行い」ができるようになっていき、縁起の世界の法則を上手に使えるようになっていきます。

日々の暮らしの中で受け取ったことに感謝し、それを生活の中で散りばめていくことができると、それがそのまま還って来るようになるため、損も得もない徳だけの生活を歩んでいけるようになるのです。

「人にした親切が自分に戻ってくる」という意味の「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、これはまさに縁起の法則のことをいっています。

人にかけた情けは自分に還ってくることから、情けは人の為ならずなのです。

こういったことから、どんなことでも受け取ったことを感謝の気持ちで返していけるようになっていくと、それが結果的に感謝されるという形で還ってきます。

これが受け取り上手の人の生き方です。

しかも人が受け取り上手に生きることができるようになると、今度は自然と与えることができるようになって提供者として振る舞えるようになっていきます。

なぜかといえば、感謝の気持ちを示すということは与えることでもあるからです。

もちろん、何かを提供する側に立ったとき与えるための工夫が必要になったりします。

しかし、提供するという思いの中に感謝の意識が含まれていれば、縁起の法則を十分に活用できるようになることでしょう。

日々生活の中には感謝できることが、それこそ無尽蔵に存在しているものです。

そういった身の回りにある物事から感謝の気持ちを示していくと、人は受け取り上手になって、やがて自然な形で与えることも出来るようになっていくことでしょう。

幸せには、受け取る幸せと提供する幸せの2つがありますが、その原因となる考えは一つであり根本の原理は一緒です。

そういった意味でも、損得を物差しに使って縁起の法則を働かせるのではなく、多くの人が徳をつかって縁起の法則を働かせられるようになったとき、この世界のあり方が大きく変わっていくことでしょう。

そして多くの人が、感謝の気持ちを循環させて生きていけるようになったとき、我々は平和で豊かな世界を築き上げることができるようになることでしょう。

我々は、現在、そういった感謝を循環させる世界を生み出す段階に入っています。

あとは、それを実践するのみです。

そのためにもまずは受け取り上手になるところから始めてみてもいいかもしれません。


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