第13節 最高の善は水に似ている
昨日、僕は、今、気になっている彼女に告白をした。彼女の返事はOKでもなくNOでもなかった。
告白をする前は、僕の頭の中はドリームランドになっていたから、今は、そのギャップで、頭の中は空っぽになっていた。
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だからなのか、老子さんが、突然現れても、僕は驚くことはなかった。
「どうした? 浮かぬ顔をして」
「ええ、まぁ‥‥」
「さては、告白したんじゃな。いいぞ、思いの丈を話すがよい。ワシが話を聞いてやるぞ」
「ええ。僕が、彼女に好きです、付き合ってください、っていったら、彼女の返事は、こんな感じだったんです‥‥」
「タロウ君とは、お話してても楽しいしから、そういってくれてとても嬉しい。でも、来年になったらすぐに定期考査があるし、定期考査が終わると、本格的に就活しなければならないから、今は勉強と就活に集中したいの。でもだからって、もう会いたくないとかそういう意味じゃないから、学校であったときは、お話しましょ‥‥、って‥‥( p′︵‵。)」
すると老子さんは目をキラキラ輝かせながらこういいます。
「なるほど。悪くないではないか。むしろ最高の結果ではないか!!」と。
「えっ‼ なんで最高の結果なんですか? 僕は彼女との将来を夢に見ていたんですよ!! 言っている意味が分かりません‼ ヽ(`Д´#)ノ」
僕がそう答えると、老子さんは、はっはっは~と高笑いをかまします。
そして、こういいます。
「なに、お前の人生にとっては、いい勉強だという意味だ。怒るではない。むしろ、こういった体験こそが、お前という人間を成長させるものだ。若いっていいの~、はははっ~!!」
「何もよくありません。僕は、彼女と‥‥、彼女と‥‥、」
(。o̴̶̷᷄﹏o̴̶̷̥᷅。)
「お前の気持ちはよくわかる。でも彼女はお前の好意を阻んでいるわけではないだろ。むしろチャンスをくれているようにも思うがの。まあ、いいだろう。ならば、ヒントを一つ捧げよう。これを読んで、しばらく考えるのじゃ」
老子さんがそういうと、一枚の紙が舞い降りてきました。
そして、そこにはこんなことが書かれていました。
僕がこれを読み終えると、老子さんは僕に、
「彼女にとっての最高の善とは何か考えるんじゃぞー」
といって、姿を消してしまいました。
彼女にとっての最高の善?って‥‥。
とりあえず、僕は昼寝をすることにした。
つづく
*この記事は架空の老子さんと大学3年生の「僕」の脳内会話のフィクションです。なお、文中の行書体で書かれている文章は老子さんの超訳本である「老子 あるがままに生きる」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から引用させて貰っています。
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